ボーナスで買いたい! グランドセイコーのスプリングドライブ5選

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2024.12.05

ボーナスの使い道のひとつとして、腕時計の購入を検討しているユーザーも多いだろう。その選択肢にグランドセイコーを加えてみてはいかがだろうか? 国産腕時計の雄であるグランドセイコーでは、3種のムーブメントを搭載した腕時計が展開されており、ひとたび手にすれば、世界に挑戦する日本の時計づくりの最前線を実感できるに違いない。今回、その主力ラインのひとつであるスプリングドライブ搭載モデルから、厳選した5本を、ボーナスで買いたいモデルとして紹介する。

新居賢人:文
Text by Kento Nii
[2024年12月5日公開記事]


今年1年のご褒美にも! 今選びたいスプリングドライブモデル5選

国産の高級腕時計ブランドとして、国内外を問わずに人気を伸ばし続けているグランドセイコー。そのひとつの主力である、スプリングドライブを搭載したコレクションでは、ブランドの高い技術力や表現技法を知るうえで申し分ない顔触れがそろう。

スプリングドライブはセイコーが開発した、機械式、クォーツ式に続く「第3のムーブメント」である。主ゼンマイ駆動による強いトルクと、水晶振動子を使った調速による高い精度を兼ね備えており、機械式とクォーツ式の良いところ取りをしたような、機能性に優れるムーブメントだ。グランドセイコーでは、セイコーで初めてスプリングドライブが発表された1999年から、さらに4年の開発期間を経て、実用性に磨きがかけられた「9R系」のムーブメントが採用されている。

今回、このスプリングドライブを搭載したモデルの中から、厳選して5本をピックアップした。ボーナスを購入予算の足しにして、一度手に取ってみるのはいかがだろうか。なお、今回ピックアップした5本は、時計専門誌『クロノス日本版』編集部員が実際に手に取り、欲しいと思ったグランドセイコーである。

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGA009

“白樺”の通称で知られるスプリングドライブモデル。グランドセイコーのデザイン文法である「グランドセイコースタイル」を発展させた、「エボリューション9 スタイル」を採用しており、優れた視認性を誇るダイアルと、薄型かつ重心を下げた設計を持つ、良好な装着感のケースを備えている。また、“光と陰の中間の美”というコンセプトにより、「ほの明るさとほの暗さ」を体現するべく、表面仕上げにヘアラインを多用しつつポリッシュをコンビネーションしている点も特徴だ。

グランドセイコー SLGA009

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGA009
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RA2)。38石。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.7mm)。10気圧防水。127万6000円(税込み)。

白樺モチーフのダイアルを持つ点をはじめ、機械式モデルのRef.SLGH005に近いデザイン性を備える本作だが、こちらのダイアルは、スプリングドライブが製造される「信州 時の匠」工房近くに群生する白樺林がインスピレーション源となっている。Ref.SLGH005と比べると型打ちパターンが少し浅く、その表情からは落ち着いた印象を受けるだろう。

ムーブメントは、ブランド誕生の60周年に登場したCal.9RA5の派生機で、パワーリザーブ表示を裏面に配置したCal.9RA2を搭載する。従来のスプリングドライブムーブメントからさらに研ぎ澄まされた精度に加え、約120時間のロングパワーリザーブを備えており、トランスパレント仕様のケースバックからその装飾を見ることができる。

グランドセイコー「ヘリテージコレクション」Ref.SBGA211

SBGA211は、「雪白パターン」と名付けられた繊細な型打ち模様を持つ、純白のダイアルが魅力のモデルだ。このパターンは信州 時の匠工房を囲む、穂高連峰の雪面をイメージしており、時間の経過とともに生まれる風紋が、繊細な凹凸によって巧みに表現されている。その上をスプリングドライブ独自のスイープ運針で進むテンパーブルーの針は、雪面に映り込む青空のような、情緒的な演出に見えることだろう。

SBGA211

グランドセイコー「ヘリテージ コレクション」Ref.SBGA211
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R65)。30石。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径41mm、厚さ12.5mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。90万2000円(税込み)。

またこのダイアルでは、型打ちを埋めてしまわないように、色付けに顔料が使用されていない。特殊な銀めっき加工を施すことで、白塗りを行わずに純白が表現されているのだ。落ち着いた表情ながら、グランドセイコーの優れた表現技法を実感できる要素と言える。

ケースには、ブランド独自のチタン素材であるブライトチタンを採用している。ステンレススティールより、約30%の軽やかさで快適な着用感を提供するだけでなく、腕時計に優れた耐食性、耐傷性をもたらす素材だ。ムーブメントは2004年の登場以来、さまざまなモデルに採用されているCal.9R65を搭載する。パワーリザーブは約72時間を備える。

「スノーフレーク」という愛称で、国内外問わない人気を獲得していることにも納得のゆく完成度を誇る1本だ。

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SBGE283

GMT機能を搭載し、機能美を際立たせたエボリューション9 コレクションの中の1本。24時間表記を持つステンレススティール製ベゼルを採用し、リュウズガードを備えるなど、エボリューション9スタイルがスポーティに再解釈されたようなモデルだ。

グランドセイコー「エボリューション 9 コレクション スプリングドライブ GMT」

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SBGE283
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R66)。30石。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径41mm、厚さ13.9mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。117万7000円(税込み)。

モノクロカラーで構成されたフェイスは豊かな機能美を見せており、ヘアラインを多用した仕上げが腕時計全体に力強い印象をもたらしている。ブラックダイアルはシンプルでツヤがあり、精悍な印象だ。また、各種針とインデックスに2色の蓄光塗料を施すなど、判読性へのアプローチも見られ、直径41mmのケースの中に、実用性に重きをおくグランドセイコーらしいスポーツスタイルが構築されている。プライベートだけでなく、スーツスタイルにも合わせやすいだろう。

ムーブメントには、グランドセイコー初のスプリングドライブムーブメントであるCal.9R65にGMT機能をプラスしたCal.9R66を搭載する。スタンダードながら、多くのモデルに採用されてきた信頼性の高いムーブメントだ。パワーリザーブは約72時間を備えており、スクリュー式のトランスパレントバックから、その機構や駆動する様子を楽しむことができる。

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGA023

Ref.SLGA023は、エボリューション9 コレクションに属するダイバーズウォッチだ。200m防水や逆回転防止ベゼルを備えるなど、ISOのダイバーズウォッチ規格に準じるとともに、腕時計の視認性や着用感といった、日常での実用性を重んじるエボリューション9スタイルが両立されている。ケースはブライトチタン製で、ダイバーズウォッチにふさわしいタフネスを備えながらも、その重量は150gと比較的軽やかだ。

グランドセイコー SLGA023

グランドセイコー「エボリューション 9 コレクション」Ref.SLGA023
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RA5)。38石。パワーリザーブ約120時間。ブライトチタンケース(直径43.8mm、厚さ13.8mm)。200m防水。168万3000円(税込み)。

そのダイアルでは、日本近海で見られる黒潮や親潮がぶつかり合うことで生まれる、ダイナミックな波のうねりを再現。力強いパターンを持つブルーのダイアルが、タフなダイバーズウォッチデザインにいっそうの個性を演出している。また、グランドセイコーのブランドカラーで彩られたセラミックス製ベゼルインサートも、個性とスポーティーテイストをより強調する意匠と言える。

ムーブメントには、ブランドの誕生60周年に登場したCal.9RA5を搭載する。平均月差±10秒の高精度と、約120時間のパワーリザーブを備えており、その薄型設計が、ダイバーズウォッチとしては厚みを抑えた13.8mmというケースサイズの実現に寄与している。

グランドセイコー「スポーツコレクション」Ref.SBGC275

スプリングドライブでは、その優れた精度が活きるクロノグラフGMTモデルも展開されている。その1種、Ref.SBGC275は、グランドセイコー初のスプリングドライブモデルが登場してからの20周年を記念する限定モデルだ。

グランドセイコー「スプリングドライブ クロノグラフGMTウオッチ」

グランドセイコー「スポーツコレクション」Ref.SBGC275
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R96)。50石。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径44.5mm、厚さ16.8mm)。200m防水。世界限定700本。183万7000円(税込み)。公式オンラインストアでは完売。

目を引くダイアルは、グランドセイコーのシンボルである獅子のたてがみをモチーフとした型打ち模様を持ち、ニュアンスのあるレッドカラーで彩られている。これは、太陽の赤い光が穂高連峰の山頂を照らす様子を表したものだ。なお、光の当たる角度によってこのカラーが変化するのは、光学多層コーティングによるもの。塗装での着色とは異なり、薄膜を幾重にも重ねることで、繊細な型打ち模様を際立たせつつも、このニュアンスカラーを実現しているのだ。

加えてここに、サンレイパターンを持つ3つのインダイアルをレイアウトすることで、個性と視認性の両立が図られている。また、クロノグラフとGMT機能の両方を搭載したことによる情報量の多さが、巧みなダイアル配置によってまとめられており、判読性も高いモデルだ。

本作では、ケースにも獅子のイメージが反映されている。獅子の前足がモチーフとなっており、エッジが効いたソリッドな形状は、非常に力強い印象だ。そして、直径44.5mm、厚み16.8mmと、ケース造形に見合った存在感を誇る一方で、ブライトチタンの採用で158gにまで重量が抑えられている点も魅力と言える。

ムーブメントはクロノグラフとGMT機能を併せ持つ従来のムーブメントに、特別精度調整を施したCal.9R96を搭載している。平均月差±10秒の高精度を備えており、その特別調整の証明として、トランスパレント仕様の裏蓋から、ローターにあしらわれた18Kイエローゴールド製の獅子の紋章を見ることができる。



Contact info: セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー) Tel.0120-302-617


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