毎年多くの限定モデルを発表するセイコー。今回は2024年に発表された限定モデルのうち、主だったをまとめて紹介する。今年はセイコーブランドの100周年の年ということもあり、発表された時計にも節目を祝うムードや過去作の復刻版などが多く見られた。今回は特にwebChronosでも注目度が高かったモデルを中心に紹介する。
Text by Yukaco Numamoto
[2024年12月18日掲載記事]
2024年にセイコーが発表した限定モデル15本を紹介!
セイコーは1881年に服部時計店として創業して以来、「常に時代の一歩先を行く」という創業者・服部金太郎の信条を貫き、革新を続けてきた。その歩みの中、1924年に初めて発表された腕時計にはSEIKOの名が冠されている。
その記念すべき年から100周年を迎えた2024年、これまでの100年に感謝の気持ちを示し、笑顔であふれる次の100年を目指して、セイコーはこれからも人々と社会に信頼と感動をもたらすブランドであり続けたい、という気持ちを限定モデルで表現した。今回はその中から主だった15本を紹介する。
100周年を記念して設置されたキャッチコピーは「時計をつくり、文化をつくった」である。根幹にあり続けるものづくりへの真摯な姿勢と革新的技術の積み重ねが現在のセイコーの地位を確固たるものにしている。
セイコー アストロン「Nexterシリーズ」とセイコー プレザージュ「Sharp Edged Series」
セイコー アストロンとセイコー プレザージュから発表されたのは、JAL国際線就航70周年を記念したコラボレーション限定モデルだ。日本国内のみでの展開でNexterシリーズの「SBXC149」「SBXY075」がそれぞれ限定500本発売された。Sharp Edgedシリーズの「SARF25」は限定300本での展開だった。全モデルに共通してJALのロゴカラーである鮮やかな赤色がアクセントカラーとして採用されている。
セイコー アストロンの2本はいずれのモデルのダイアルにも滑走路を連想させるアスファルト調の型打ちパターンが施され、フライト直前の高揚感が表現されている。限定モデルならではの意匠としては通常ベゼル上の表記は東京「TYO」、ロサンゼルス「LAX」だが、戦後初のJAL国際線の発着地点である東京国際空港(HND)とサンフランシスコ(SFO)の空港コードへと変更されている特別仕様である。
GPSソーラー(Cal.5X53)。Tiケース(直径43.1mm、厚さ12.2mm)。10気圧防水。国内限定500本。30万8000円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
電波ソーラー(Cal.8B63)。Tiケース(直径42.7mm、厚さ11.4mm)。10気圧防水。国内限定500本。18万7000円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
裏蓋にはJALとSEIKOのダブルロゴに加え「LIMITED EDITION」の文字と限定番号が刻まれている。
本作のダイアルはSharp Edgedシリーズを象徴する「麻の葉紋様」が施されており、JALとセイコーに共通する日本独自の美意識を表現している。ホワイトのグラデーションは雲を連想させ、雄大な空の旅を表現している。ベゼル部分の表示板はJALのコーポレートカラーである黒色のアルミニウムが採用され、アクセントとして3時位置のパワーリザーブインジケーターとGMT針、ダイアルリング下部が赤く彩られている。
裏蓋はトランスパレント仕様となっており、特別仕様であることを示す「LIMITED EDITION」の文字とシリアルナンバーが刻まれ、中央にはJALのロゴがプリントされている。
自動巻き(Cal.6R64)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径42.2mm、厚さ13.7mm)。10気圧防水。国内限定300本。18万7000円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
セイコー プレザージュ カクテルタイムシリーズ STAR BAR限定
銀座、日比谷、京都に計4店舗あるSTAR BARを運営する岸 久は一般財団法人「カクテル文化振興会」の理事長も務める。バーテンダーとして初めて「卓越した技能者(現代の名工)」の表彰を受け、2014年には黄綬褒章を受章している。
自動巻き(Cal.4R35)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ11.8mm)。5気圧防水。世界限定9000本(うち国内500本)。7万1500円(税込み)。 数量限定のため、生産終了。
(右)セイコー プレザージュ「カクテルタイム STAR BAR限定モデル」SRRW002
自動巻き(Cal.2R05)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径30.3mm、厚さ10.9mm)。5気圧防水。世界限定5000本(うち国内300本)。7万3700円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
本作は岸 久が商品開発アドバイザーとして携わっている。東京の夕暮れの空にインスピレーションを得ており、刻々と表情を変えていく空をグラデーションで表現している。セイコープレザージュとのコラボレーションのために作った新作カクテルは「Purple Sunset」と「Pinky Twilight」と名付けられ、それぞれの色をダイアル上でも表現している。
「Purple Sunset」をイメージした「SARY239」は夕日の赤みを残しながら薄暗くなる日没頃の空、「Pinky Twilight」をイメージした「SRRW002」は日没に差し掛かりながら淡く輝く空の様子が描かれている。
SBXC156 SEIKOブランド100周年記念 服部金太郎限定モデル
セイコーブランド100周年を記念した本作は「輝き」をコンセプトに、夜の地球の情景に着想を得たデザインである。オールブラックのケース・ブレスレットと放射状パターンを施したグラデーションダイアル、イエローゴールドカラーのアクセントで、漆黒の空間に浮かび上がるきらびやかな夜の地球の美しさを表現している。ベゼル部分は多面カットを施したセラミックベゼルと、多角形状のチタン製の飾り縁を組み合わせた二体構造にすることにより、一層輝きを放つデザインとなっている。
限定モデルならではの特別仕様として、セラミックスをブレスレットの中央の列とリュウズの先端に採用している点、裏蓋には創業者服部金太郎が1900年(明治33年)に登録した商標「丸角Sマーク」を立体的にレイアウトし、服部金太郎の理念「ONE STEP AHEAD OF THE REST(常に時代の一歩先を行く)」と「KINTARO HATTORI」をマーキングしている。付け替え用の強化シリコン製ストラップと丸角Sマークのピンバッジが同梱された特製ボックスが付属している。
GPSソーラー(Cal.5X83)。Tiケース(直径43.4mm、厚さ14.1mm)。10気圧防水。44万4000円(税込み)。世界限定1000本(うち国内600本)。数量限定のため、生産終了。
満点の星々を表現したセイコー アストロン「Starry Sky」シリーズ
ライトブルーの型打ちダイアルで無限に広がる星々の輝きを表現している。「Starry Sky」限定モデルとしては初めて、デュアルタイム表示機能と1/20秒ストップウォッチ機能を備えるGPSソーラームーブメントを搭載したモデルだ。従来のモデルよりもタイムトランスファー機能に要する時間が大幅に短くなった点や充電効率が向上した。
ソーラー電波。Tiケース(直径43.3mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。世界限定1500本(うち国内500本)。28万6000円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
流れるようにつながるブレスレットと8角形のベゼルがスタイリッシュなGPSソーラーモデル。ライトブルーのダイアルには、星をモチーフとした型打ちパターンが施され、見る角度によって表情を変える。ソーラー電波。Tiケース(直径41.2mm、厚さ12mm)。10気圧防水。世界限定1500本(うち国内500本)。25万3000円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
ケースとブレスレットには、軽量で錆びにくいチタン素材を採用することで軽快な装着感を実現するとともに、表面には傷が付きにくいダイヤシールドを施している。また、ブレスレットの中留にはブレスレットの長さを簡単に微調整できるスマートアジャスター機構を採用している。8角形のベゼルがスタイリッシュな「SBXD027」は流れるようにつながるブレスレットのデザインも特徴的だ。
同シリーズからは薄型ケースを採用したソーラー電波モデルからも2種が発売された。ケースとブレスレットには軽量かつ耐食性に優れたチタンが採用されている。それぞれ、ケースバックには限定数を示すシリアルナンバーが刻まれている。見る角度によって表情を変え、広大な夜空に瞬く星々の力強い輝きが表現されている。
ソーラー電波。Tiケース(直径42.1mm、厚さ14.6mm)。10気圧防水。国内限定600本。14万8500円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
ソーラー電波。Tiケース(直径39.6mm、厚さ9.5mm)。10気圧防水。国内限定600本。14万8500円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
キングセイコー SEIKOブランド100周年記念限定モデル
自動巻き(Cal.6L35)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径39.4mm、厚さ9.9mm)。5気圧防水。39万6000円(税込み)。世界限定700本。39万6000円(税込み)。数量限定のため、生産終了。
「キングセイコー」からは1969年発表のヘリテージモデルを進化させたセイコーブランド100周年記念限定モデルが発表された。1970年代的な意匠を組み込んだ新デザインの多列ブレスレットを備えている。「キングセイコー」は1961年に登場し、1970年代にかけて国産機械式腕時計の発展を牽引するコレクションとして人気を博すものの、長らく休止状態となっていた。
2021年にキングセイコー発表60周年を迎え「KSK」と呼ばれる1965年のモデルを復刻した限定モデルが発表され、2022年より「キングセイコー」として復活したコレクションである。クラシカルな雰囲気をまといつつ、エッジの効いた個性的なデザインを現代基準の高い外装品質でまとめ、実用性の高さも相まって人気を集めている。
本作はケースのシェイプが特徴的だ。フチに向かって薄くなるクッション型ケースでポリッシュされた多列ブレスレットがレトロな雰囲気を持つ。デザインソースは1969年発売の「45KS」がベースとなっており、セイコー現行機種の中で最薄の9.9mmの自動巻きハイビートムーブメントCal.6L35が搭載されている。
限定モデルは次の100年にわたって飛躍を続けていくことを目指し、2024年の干支である辰(龍)が天高く飛翔する姿にその願いを込めたデザインとなっている。ダイアル部分には繁栄を意味する龍の鱗模様を新規の型打ちパターンで表現し、そのカラーは生命の源であり、象徴的なライトブルーグリーンが採用されている。
セイコー 5 ヘリテージデザイン復刻 限定モデル
「セイコー 5スポーツ」からは1960年代後半〜1970年代前半に人気を集めたモデルが復刻された。ブランド創成期のヘリテージモデルをベースとし、ケース形状、ベゼル、ダイアル、ブレスレットの各デザインを受け継いでいる。
注目点はセイコー5のアイコンである盾に刻まれた「5」のマークを当時のデザインのまま復刻した点である。ダイアルやベゼル上のインデックスは四角形で、時分針の形状とマッチしており、幾何学的なデザインにまとめられているため、1970年代のトレンドであるレトロフューチャーを感じさせる。ここにスカイブルーで「スポーツ」のロゴが配されている。艶消しのブレスレットはスポーティーな印象もあり、歴史を感じながらも現代の感覚にも合う作品となっている。ダイアルカラーはシルバーとブラックの2モデルが発表された。
自動巻き(Cal.4R36)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径38.5mm、厚さ12.4mm)。10気圧防水。各世界限定9999本。5万9400円(税込み)。
(右)セイコー 5スポーツ「ヘリテージデザイン復刻限定モデル」SBSA271
自動巻き(Cal.4R36)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径38.5mm、厚さ12.4mm)。10気圧防水。各世界限定9999本。5万9400円(税込み)。
LUKIA Grow 2024ホリデーシーズン限定モデル
クォーツ(Cal.4N30)。SSケース(縦27.5×横23.1mm、厚さ7.6mm)。10気圧防水。11万円(税込み)。限定400本。
(右)セイコー「LUKIA Grow 2024ホリデーシーズン限定」SSWA010
クォーツ(Cal.4N31)。SSケース(縦28.1×横22.8mm、厚さ7.7mm)。10気圧防水。8万2500円(税込み)。限定300本。
2024年の「LUKIA Grow」のテーマは「開花」だった。ふっくらとした花びらが魅力的な芍薬が開花する様子を時計全体で表現したモデルが登場した。小ぶりのケースに本作で初めて採用された新たなピンクゴールドカラーである「Silky Pink」やラボグロウンダイヤモンドの輝きを組み合わせ、可憐な手元を演出する。
セイコー ルキアは1995年に誕生し、現在はしなやかに成長していく女性を花に見立て、花をデザインソースとした「LUKIA Grow」とビジネスシーンにもマッチする「Essential Collection」のふたつのコレクションを展開している。本作は「Lukia Grow」のラインから発表されたホリデーシーズン限定モデルである。ダイアル部分は白蝶貝で、ケースやブレスレットの柔らかな「Silky Pink」の色合いはホリデーシーズンにふさわしい華やかさだ。
セイコー プレザージュ カクテルタイムシリーズ STAR BAR限定 -Night-time Tokyo-
前述の「銀座STAR BAR」とのコラボレーションモデルは2017年以降毎年作られ、好評を博しているシリーズだ。その最新作として2024年10月11日に発売されたのが岸 久氏考案のオリジナルカクテル「Night-time Tokyo」をイメージした「SARY245」と「SRRW003」で、都会の洗練された夜のきらめきを、繊細な型打ち模様と中心にかけてほんのりと明るくなっていくグレーグラデーションをかける巧みな技術でダイアル上に再現している。イエローゴールドの針、インデックスが生み出すコントラストは高層ビル群が立ち並ぶ東京の夜景を連想させる。
ケース直径40.5mmサイズと30.3mmサイズが展開されているため、ペアウォッチや贈り物の選択肢としても適しているコレクションとなっている。裏蓋には数量限定モデルの証しである「Limited Edition」の文字とシリアルナンバーが刻印され、STAR BAR限定モデル専用のスペシャルボックスに収められているほか、モチーフとなったオリジナルカクテル「Night-time Tokyo」のレシピカードが添えられている。
自動巻き(Cal.4R35)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ11.8mm)。5気圧防水。世界限定9000本(うち国内500本)。7万1500円(税込み)。
(左)セイコープレザージュ「SRRW003」
自動巻き(Cal.2R05)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径30.3mm、厚さ11.0mm)。5気圧防水。世界限定6000本(うち国内300本)。8万3600円(税込み)。
セイコープレザージュ ポータークラシック 限定モデル「ローレル」
100年を超えるセイコーの腕時計づくりの伝統を継承し、世界に向けて日本の美意識を発信する時計ブランドであるセイコー プレザージュからは衣類や鞄などで知られる日本のブランド、ポータークラシックとコラボレーションした限定モデルが登場した。本コラボレーションに向け、セイコープレザージュはポータークラシックの会長である吉田克幸氏と、代表取締役である吉田玲雄氏を交えて商品開発の議論を進めた。
キーコンセプトとなったのはクラシックという概念。議論を進めるうち、吉田父子がブランド設立以来掲げる「世代を超えて愛されるもの」への強い思いが、日本の職人芸や伝統技術を機械式腕時計を通して世界に発信するセイコー プレザージュと共通していることが分かったという。そんな中、デザインソースに選ばれたのは国産初の腕時計である「ローレル」だった。黒琺瑯ダイアルの温かみ、長く色褪せず美しい色合いを保ち続ける独特の存在感は時代を超えて愛される要素がある。
自動巻き(Cal.6R5H)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径35mm、厚さ12.3mm)。5気圧防水。世界限定500本(うち国内250本)予価31万200円(税込み)。
オリジナルの「ローレル」では秒針が配されていた6時位置には、24時間表示のサブダイアルが配置され、裏蓋にはポータークラシックの創業当時のロゴとシリアルナンバーがマーキングされている特別仕様となっている。このモデルに合わせ、コードバン製の引き通しストラップが開発され、黒いストラップの他に、付け替え用の茶のストラップも付属する。また、通常のストラップよりも穴の数が増やされているため、長さの調整域が広く、ユニセックスで使用することができる。
パリオリンピックで連覇を果たしたスケートボーダー堀米雄斗選手とのコラボレーションモデル
今年はパリオリンピックが開催され、日本人選手の活躍も多く見られた。東京オリンピックに続きスケートボードストリートで連覇を成し遂げた堀米雄斗選手はセイコーと2021年からコラボレーションモデルを発表し続けている。過去に発表されたモデルはいずれもストリートファッションの要素が強いダイバーズのデザインで、裏蓋に堀米選手のサインが記されている点にあったが、本作は堀米雄斗選手自身が好きだというヴィンテージ調のデザインとなっている。
ダイアルの6時位置と裏蓋には堀米家の家紋である鷹の羽紋が配され、アラビア数字インデックスはベージュカラーで示され、秒針の先は赤く彩られている。ミリタリーの要素も組み込まれ、レトロな印象もありシックなデザインとなっている。世界限定4000本が生産されるうち、日本での販売は500本を予定しているという点からも海外を拠点に世界中に多くのファンを持つ堀米選手の人気が窺える。
自動巻き(Cal.4R36)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.4mm、厚さ13.2mm)。10気圧防水。世界限定4000本(うち国内限定500本)。5万5000円(税込み)。
オランダ発のプレミアムデニムブランドDENHAMとのコラボレーションモデル
本作はセイコー 5スポーツの中でも特に世界的に人気の高い「SKX」シリーズをベースに複数のインディゴカラーをベゼル、ダイアル、ストラップに採用した限定モデルである。デザインコンセプトはジーン・メーカーズ・ウオッチであり、通常のSKXモデルのダイアルの12時位置のインデックスは逆三角形だが、デンハムのニットやカットソーの裾にあしらわれる正三角形のトライアングルロゴが採用されている。また、アクセントカラーにレッドリベットを表現した赤い秒針、ナイロンストラップとダイアルリングにはデニムを連想させるステッチのデザインが施されている。
裏蓋には限定モデルの証しである「LIMITED EDITION」の文字とシリアルナンバーが配置されるほか、デンハムの象徴的なシザースロゴTO同ブランドのコンセプトである「THE TRUTH IS IN THE DETAILS(細部に見出される真実)」がプリントされている。
自動巻き(Cal.4R36)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径42.5mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。世界限定2000本(うち国内250本)。5万9400円(税込み)。
ライフスタイルブランド「HUF」とのコラボレーションモデル
2022年にプロスケートボーダーのキース・ハフナゲルによって設立された「HUF」はスケートボーディングとストリートカルチャーのスピリットを取り入れたライフスタイルブランドで、セレクトショップから始まり、キース自身がスケートボードとストリートカルチャーの精神を表現するブランドに創り上げ、現在では多方面からリスペクトを受ける、スケート&ライフスタイルブランドとして成長を遂げた。
2022年にコラボレーションモデル第1弾が発表され、第2弾となる本作は1960年代後半に人気を博した「セイコー 5スポーツ」のヘリテージデザインに着想を得て、HUFがカラーリングをアレンジしている。アクセントとなるのはHUFのブランドフィロソフィーを示す「HUFグリーン」だ。鮮やかなこのグリーンカラーはシースルーバックの裏蓋にも採用されており、スペシャルボックスとオリジナルステッカーが付属する。
自動巻き(Cal.4R36)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SS(直径42.5mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。世界限定7000本(国内1000本)。5万1700円(税込み)。
TicTAC別注モデルの「セイコー5スポーツ」4thダイバー
本作は1990年代後半、欧米を中心にブームを巻き起こしたSEIKOのダイバーズウオッチ「SKXシリーズ」の起源となった1980年代の「4thダイバー」と呼ばれるモデルの秒針やインデックスのデザインをオマージュしたものとなっている。カラーリングはオレンジボーイの愛称で親しまれているアーカイブモデルを踏襲し、どこか懐かしい雰囲気に仕上がった別注品だ。
SKXはセイコーのエントリーダイバーズの品番の頭文字からSKXの愛称で親しまれているモデルだ。4番目のダイバーズ「4thダイバー」の特徴的なダイアルレイアウトを踏襲し、角型のインデックスと秒針先のルミブライトを採用しており、インデックスは立体的な表現で質感を高めている。全国で展開する時計のセレクトショップ「TicTAC(チックタック)」の別注品である。
自動巻き(Cal.4R36)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SS(直径42.5mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。世界限定7000本(国内1000本)。4万1800円(税込み)。
オンタイム・ムーヴ別注モデルの「セイコー5スポーツ」SKXアーカイブモデルカラー
限定モデルや有名ブランド最新モデルといった時計を取りそろえるウォッチショップであるオンタイム・ムーヴの別注モデルは1982年に発売され、世界中で愛された「SKXモデル」のアーカイブカラーに焦点を当ててオマージュしたスペシャルなモデルだ。当時ネイビーボーイの愛称で親しまれたアーカイブカラーの濃いネイビーダイアルが採用されている。ダイアル部分には別注ならではのブラッシュアップも施されており、当時印刷だったインデックスをエンボス仕上げの立体的なインデックスとし、秒針の先端にはオリジナルを再現した丸形状のルミブライトを採用し、夜間も視認性が高い。
自動巻き(Cal.4R36)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SS(直径42.5mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。限定300本。4万1800円(税込み)。
THE CLOCK HOUSEの限定モデルは爽やかなカラーリングの4thダイバーズ
自動巻き(Cal.4R36)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SS(直径42.5mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。限定300本。4万1800円(税込み)。
最後に紹介するのは国内最大数の店舗を展開することで知られる時計専門店「THE CLOCK HOUSE」の別注モデルだ。こちらもSKXデザインの通称4thダイバーズをオマージュした5スポーツを爽やかなカラーリングで別注した。THE CLOCK HOUSE限定モデルと現行のSKXシリーズの最大の違いはインデックスにあり、4時位置のリュウズは現行シリーズにも継承されているが、12時のインデックスが現行シリーズは逆正三角形であるのに対し、限定モデルでは鋭角な逆三角形の中央にエッジの効いた溝が走る仕様となっている。さらに、他のインデックスは円形からヴィンテージ感がより強いスクエアが採用され、4thダイバーズと同様の仕様となっている。
セイコー100周年のスペシャルな年を祝った2024年限定モデルたち
2024年はセイコーにとってブランド発足100周年というマイルストーンが刻まれた年だった。記念した限定モデルが多く発表されたことはもとより、技術的にも次の100年に向かってスタートを切るという飛躍の意欲を感じさせられる作品があったと言えるだろう。
コロナ以降、増え続けているインバウンド顧客の多くがセイコーの時計を求めて日本にやってくるという声も聞いたことがある。日本のものづくりを提言するセイコーの来年の作品にも期待が高まる。