ネッシー、ついに腕時計で発見!? スピニカーのネッシーウォッチ

FEATUREその他
2024.12.11

イギリス、スコットランドはネス湖の怪物、ネッシー。首長竜の生き残りだとも、単にあれは湖に棲息する鳥や魚の見間違いだとも言われている。そんなネッシーをモチーフにした時計をワタクシ大橋は日本国内で販売開始次第、即入手した。手に入れたからには、この腕時計の秘密に迫っていこう。

大橋洋介(クロノス日本版):文
Text by Yosuke Ohashi(Chronos-Japan)

スピニカー「フルース - スコティッシュ ウォッチ ネッシー リミテッド エディション」Ref.SP-5137-01
自動巻き(SII Cal.NH35。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径43mm)。150m防水。世界限定500本。7万7000円(税込み)。


ネッシーウォッチに運命を感じて購入。その実態に迫る!

 最近購入した腕時計を紹介する「編集部が所有するお気に入りの時計」を書くようにっ!という指令が下った。ううむ、ならば直近に購入した、スピにカーのネッシーウォッチを取り上げよう。どうして買ったのかって? 購入に至ったきっかけはこうだ。夜遅くまで会社に残っていた時のこと。何か面白そうなものはないか……と必死でPCにかじり付いていところ、とあるプレスリリースが目に入ったのだった。「ネッシーウォッチ発売」。「どういうこっちゃ」と考える間もなく即注文。私はとにかく変わり種アイテムに目がない。「こんなオカルトアイテムが今後出てくることはないだろう……。しかも数量限定だ。これはもう買うしかないッ」と興奮しながらポチっと購入したのだった。

ネッシーがいっぱい

 そうこうしているうちに腕時計が届いた。箱を開けてみてまず目に入ってきたのは文字盤上の3時位置に印されたネッシーの影だ。深いブルーとほぼ同じ色であるこの影は、一見しただけでは見落としそうなオブスキュアなデザインである。また、文字盤上の水面の表現も要注目だ。不規則に表された水面の揺れは「きっと何かが水面に潜んでいるかも」という不穏な雰囲気を上手く捉えている。そう、ネッシー発見の現場を捉えたとして巷に出回っている、あのモノクロ写真の雰囲気を上手く捉えて文字盤に落とし込んでいるのだ。

3時位置にはネッシーの影が配置された文字盤。文字盤の水面の表現は実に秀逸。水面に差し込む光の反射を上手く捉えている。

 文字盤の12時から2時位置のあたりには、ネス湖の座標、北緯57度18分 西経4度27分が記されている。ネッシーを急に探したくなり、ネス湖に急行しようと思ったものの、「そういえばネス湖って地球上のどこにあるのだろう?」と戸惑ってしまったときに便利だろう。

 文字盤はネッシーに対して控えめであったが、裏蓋はもっともっとネッシーしている。回転ローターには透明な板がプラスされており、それはネッシーの(かわいらしい)イラストが描かれたものだ。また、トランスペアレント仕様の裏蓋には波が描かれている。ローターを動かせば、ネッシーが水面から、出たり、出なかったりしているさまを再現して遊べるのだ。これはかわいい。

ローターに加えられた透明な板に描かれたネッシー。堂々としたネッシーの姿を拝めるのは裏蓋からだけ。

150m防水を備えたダイバーズウォッチ

 この腕時計はダイバーズウォッチであり、その防水性能は150m防水を備える。逆回転防止ベゼルだってもちろん搭載だ。懐中時計を思わせる大きなリュウズに、厚い革のストラップを装備しているがために、そのような印象は覚えないかもしれない。だが、この性能をもってすれば、ネス湖に潜ってネッシーを探す際のお供にすることだってできるだろう。とはいえ、ネス湖の最深部は水深約230mだそうなので、一番深いところで一緒に「発見」することはできなさそうである。

 なお、立派な革製ストラップのピンは、ツメ付きで取り外しは簡単だ。もし本格的に潜水するとするならば、より潜水に適したストラップへ容易に交換可能である。

ビカビカ光らせると楽しい

スーパールミノバが塗られたインデックスはブラックライトを当てると強く発光する。だが、ネッシーに塗られたものはほのかに光るのみだ。

 この腕時計にはブラックライトが付属しており、ふんだんに塗られたスーパールミノバに当て、ビカビカに発光させて遊ぶことができる。ブラックライトを用いれば、蛍光灯下でもその発光するさまを容易に見ることができる。「夜になれば勝手に光るんだから……」と高をくくっていたが、実際にやってみると結構楽しい。それから裏面。ローターに描かれたネッシーにもスーパールミノバが用いられているため、ブラックライトを当てると輝き出す。腕時計の着用中には決して光があたることはない部分に蓄光塗料を用いる心憎い演出である。

文字盤のネッシーはほのかに光るが、一方の裏蓋のネッシーはまばゆく光る。

文字盤の出来栄えに魅了

 私のような変わり種好きの人間にはかなり「刺さる」腕時計である。ディティールもいちいちツボを抑えたグッとくるものだ。そのような要素ばかりに目を向けていたが、この腕時計の特徴はそれだけではない。それは秀逸な文字盤表現だ。ブルーからブラックへのグラデーションのさまは実に目を見張る。その他にも凝った文字盤のモデルをスピニカは多数そろえており、このブランドの強みのように思える。

 ところで、オカルトウォッチと呼ぶべきもの、他にはキャトルミューティレーション(未遂)ウォッチの存在が確認されている(らしい)。私としては「捕まった宇宙人」ウォッチがあれば、ぜひほしいところだ。だが、今のところそれはUTT(Undefined Timing Tool:未確認計時装置)止まりだ。どこかから発売されないものだろうか。



Contact info: ウエニ貿易 Tel.03-5815-3277


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