2024年発表モデルから、注目のドレスウォッチ5本を紹介!【オメガ、ジャガー・ルクルトなど】

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2024.12.21

2024年の新作モデルのうち、特筆すべきドレスウォッチを5本選出した。長きにわたってラインナップされてきた名作や、クラシカルだが最新のコレクション、モダンでエレガントなモデルまでさまざまである。いずれのモデルも、ドレスシーンをシックかつ華やかに彩ってくれることだろう。

2024年 ドレスウォッチ 新作

佐藤しんいち:文
Text by Shinichi Sato
[2024年12月21日公開記事]


ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」

ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」Ref.Q7168420
手巻き(Cal.822)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(縦40.1×横24.4mm、厚さ7.56mm)。3気圧防水。139万9200円(税込み)。

 ジャガー・ルクルトのアイコンのひとつである「レベルソ」のラインナップは多岐にわたる。その中で、オリジナルモデルの趣を色濃く残した「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」の新作を取り上げよう。本作は、1931年に同社が発表したオリジナルモデルに、非常に近いプロポーションに仕上げた新サイズである。

 縦40.1mm、横24.4mm、厚さ7.56mmのサイズ感は、現代基準ではコンパクトなモデルに分類される。ここ数年にわたって各社はコンパクトなモデルのラインナップを充実させており、その理由としては、一時期の大型化からの揺り返しや、ファッションスタイルの多用化、女性顧客の増加などが考えられる。本作のラインナップへの追加は、そのような背景の下によるものと予想されるが、手首のサイズを問わずにフィットするサイズ感は広く歓迎されることだろう。

 機能は、片面に時分表示とオリジナルに準じたもの。また、ロゴとインデックス、ミニッツウェイトラックのみで構成される文字盤はエッセンシャルで、コンパクトなサイズ感も相まってクラシカルかつエレガントな仕上がりである。搭載されるのは、古典的な角型ムーブメントの傑作のひとつであるCal.822。この意匠とムーブメントの組み合わせは、本作を選びたくなる理由のひとつとなることだろう。今般紹介したオパーリン仕上げのシルバーカラーモデルと、サンレイ仕上げのブルーラッカーモデルが用意されている。


ロレックス「パーペチュアル 1908」

ロレックス「パーペチュアル 1908」Ref.52506
自動巻き(Cal.7140)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約66時間。Ptケース(直径39mm、厚さ9.50mm)。50m防水。

 ロレックスが、2023年に全く新しいドレスウォッチコレクションとして発表した「パーペチュアル 1908」に、プラチナケースの新作が追加された。パーペチュアル 1908は、ロレックスの偉大な発明のひとつであるパーペチュアル(自動巻き)とブランドの誕生年である1908年に名前を由来している。ノンデイトに時分針とスモールセコンドという構成は、クラシカルなドレスウォッチの王道と言うべきもので、発表時には大きな話題となったことは記憶に新しい。

 本作はプラチナケースに、ロレックスではプラチナモデルにのみ採用されるアイスブルー文字盤が組み合わされたモデルだ。文字盤にはライスグレインモチーフのギヨシェ装飾が施され、その意匠もクラシカルな雰囲気を強めている。ベゼルや裏蓋にはフルーティング装飾が与えられた点がロレックスらしいデザインであり、その凹凸によるきらめきが華やかさを添えている。

 搭載されるムーブメントは、パーペチュアル 1908に合わせて発表された自動巻きのCal.7140である。シリコン製シロキシ・ヘアスプリングを採用し、パワーリザーブは約66時間と、現代的で実用性の高い仕上がりである。


パテック フィリップ「ゴールデン・エリプス」

パテック フィリップ 新作 ゴールデン・エリプス 5738/1

パテック フィリップ「ゴールデン・エリプス」Ref.5738/1
自動巻き(Cal.240)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KRGケース(縦39.5×横34.5mm、厚さ5.9mm)。3気圧防水。951万円(税込み)。

 最新かつ卓越した技術を古典的なデザインに落とし込むことに長けているのがパテック フィリップだ。また、同社はさまざまなドレスウォッチをラインナップしていることでも知られる。今般取り上げるのは、「ゴールデン・エリプス」のブレスレットモデルだ。

 本作は、ゴールデン・エリプスの中では大型のケースを持つRef.5738に追加された初めてのブレスレットモデルである。“黄金の長円”という名の通り、縦39.5×横34.5mm、時計仕上がり厚さ5.9mmの長円型のケースと、シンプルな時分針の構成はゴールデン・エリプスのアイコン。シンプルでエレガントな佇まいである。このシルエットを実現するのが、薄型ムーブメントのCal.240である。

 組み合わされるブレスレットは完全新設計だ。外観はミラネーゼ風であるが構造は別物で、長さ調整が可能である点がトピックスである。剛性感がありながら、その質感の滑らかさは特筆すべきもので、薄型の仕立てと相まって優れた装着感が期待できる。


ショパール「L.U.C カリテ フルリエ」

ショパール L.U.C カリテ フルリエ

ショパール「L.U.C カリテ フルリエ」Ref.168631-3001
自動巻き(Cal.L.U.C 96.09-L)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。ルーセントスティール™(直径39mm、厚さ8.92mm)。30m防水。300万3000円(税込み)。

 薄い仕立てのドレスウォッチは繊細で、使用の際には、ユーザー側に相応の配慮が必要というのが長年の相場であった。そこに一石を投じたのが2005年に発表されたショパールの「L.U.C カリテ フルリエ」であった。本作は、その最新モデルとなる。

「カリテ フルリエ」は、ショパールやパルミジャーニ・フルリエなどが共同で定めた時計の品質基準である。その内容は非常に厳しいもので、単純な精度のみならず、耐衝撃、耐磁性、温湿度サイクル試験などの多彩な認定試験が定められている。L.U.C カリテ フルリエは、ラウンドケースに時分針とスモールセコンドといったクラシカルなドレスウォッチのフォーマットでありながら、その品質基準に合格するモデルなのだ。

 そんなL.U.C カリテ フルリエの新作モデルは、初作のデザインから着想を得ており、文字盤上の放射状のラインで区切られたふたつの同心円によって時分表示を区別可能な“セクター”を特徴としている。そのほか、チャプターリングはサーキュラーサテン仕上げ、スモールセコンドダイアルは繊細なスネイル仕上げとなる。

 この意匠に組み合わされるムーブメントはCal.L.U.C 96.09-Lであり、厚さ3.3mmながらマイクロローターによる自動巻きを備えつつ、積載式二重香箱を搭載してパワーリザーブ約65時間を備える。加えて、ムーブメントに施される仕上げは極めて高品質なもので、評価が非常に高い。


オメガ「パリ 2024 ブロンズ ゴールド エディション」

オメガ パリ 2024 ブロンズ ゴールド エディション

オメガ「パリ 2024 ブロンズ ゴールド エディション」Ref.522.92.39.21.99.001
手巻き(Cal.8926)。29石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブロンズゴールドケース(直径39mm、厚さ11.7mm)。3気圧防水。184万8000円(税込み)。公式ホームページでは完売。

 オメガは国際的なスポーツ大会であるオリンピックのオフィシャルタイムキーパーを務めており、それにちなんだモデルをリリースしてきた。本年に行われたパリ2024オリンピック&パラリンピックの開催に合わせて発表されたのが、「パリ 2024 ブロンズゴールド エディション」である。

 デザインは1939年に製造されたオメガの腕時計からインスピレーションを得たものだ。当時のオメガはスポーツ計時の分野で貢献を始めた頃と重なり、本作はこの点に着目して企画されている。そんな本作の特徴は、ケースや文字盤に使用されている素材だ。39mmのケースは、オメガ独自の合金であるブロンズゴールド、文字盤は1%のゲルマニウムを混ぜて黒く変色しにくくしたAg925シルバー、時分秒針はオメガ独自の合金である18KセドナゴールドにブロンズゴールドのPVD加工を施して仕上げられたものだ。すなわち、オリンピックのメダルに使用される貴金属として象徴的な金銀銅が用いられている。

 インスピレーション元となったモデルが手巻きムーブメントを搭載していたことから、本作に搭載するのも手巻き式のマスター クロノメーター認定ムーブメントのCal.8926である。ヴィンテージテイストを有しながら、現代基準で最高レベルの実用性を持つ点はオメガならではの魅力である。


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