オリジナル発売時には争奪戦を引き起こした、ハミルトン「PSR」に新色が登場!

FEATUREその他
2024.12.18

ハミルトンから「PSR」の最新作が発表された。この腕時計は、ブラックDLCが施されたヘアライン仕上げのステンレススティール製ケースに、ブルーに光るデジタル時刻表示を備えたモデルだ。オリジナルとなった世界初のLED式デジタルウォッチ「パルサー」も含めて、ハミルトンのデジタルウォッチの歴史を振り返る。

PSR

オリジナルの「パルサー」ではLEDを用いていたが、復活モデルの「PSR」では液晶ディスプレイ(LCD)と有機EL(OLED)のハイブリッド機構をディスプレイに用い、より強い光ではっきりと表示することができる。
Originally published on MONTRES DE LUXE
[2024年12月18日公開記事]

世界初のLED式デジタルウォッチを復刻した「PSR」に新色が登場!

 1970年に世界で初めてのLED式デジタルウォッチ「パルサー」を発表したハミルトン。2010年、40周年を記念してETA製「自動巻きムーブメント」を搭載した「デジタル」ウォッチ「パルソマティック」を発表。ハミルトンの初代LED式デジタルウォッチ、パルサーをオマージュしたデザインの腕時計は、自動巻きローターの回転から生じるエネルギーを電気に変換し、デジタル表示のエネルギー源にするというものだった。

PSR

ハミルトン「PSR」Ref.H52404131
クォーツ。SSケース(直径41mm、厚さ35mm)。10気圧防水。15万5100円(税込み)。

 そして2020年、アメリカに起源を持つスイス企業のハミルトンは、オリジナルと同様のクォーツのデジタルウォッチ「PSR」を発表。通常のステンレススティールモデルも発売されたが、ゴールドカラーのPVDを施した限定モデルも発表された。2024年に発表された新作のPSRは、ブラックPVDとヘアライン仕上げが施されたステンレススティール製ケースに、ブルーに発光するデジタルディスプレイを備えたモデルだ。価格は15万5100円(税込み)である。


発表時には大人気! 世界で最初のデジタル腕時計「パルサー」

 1970年5月6日。世界初のLED式デジタル式腕時計パルサーが発表されたその日、計時の世界は新たな段階へと突入した。当時の電子機器を用いたデジタル式時刻表示は、液晶ではなく、発光ダイオード(LED)が採用されていた。電池が水晶を振動させ、それを集積回路(IC)が「時刻」へと変換する画期的な仕組みだった。パルサーにリュウズはない。ブレスレットのバックルに仕込まれた磁石を用い、時刻設定をするという方式を採用していたのだ。

 そしてパルサーは1972年に発売開始。その当時の人気は凄まじく、購入希望者すべての要求に応えられないほどだったのである。特に、アメリカの名司会者、ジョニー・カーソンによるバラエティ番組「ザ・トゥナイト・ショー」への登場は、その人気の大きな起爆剤となった。

 人気を物語るエピソードを紹介しよう。1972年、アメリカ合衆国・ニューヨークでのこと。ある人がクリスマス直前にティファニーでこの腕時計を購入し店を出た。すると、二度もこの腕時計の買い取りを申し出されたのである。

デジタルウォッチ普及のパイオニア

 この革新的なアメリカンウォッチにスイス市場さえも魅せられた。現在、デジタル式腕時計は数多く製造されている。その口火を切ったのがこのパルサーなのだ。なお、当時ハミルトンはスイス資本のスウォッチグループ傘下には入っておらず、アメリカ企業であった。

 人類が月に行く時代の、象徴的な逸品であるハミルトンのデジタルウォッチは、その技術革新によって全世界の時計市場を、真の意味で覆したのである。

多くの著名人に愛された「パルサー」

 この腕時計の未来的なデザインは多くの人々を魅了した。着用していた人物は、サミー・デイヴィスJr.やジャック・ニコルソン、ジョー・フレージャー、エルトン・ジョン、キース・リチャーズといったセレブリティだけではない。アメリカ合衆国第38代大統領のジェラルド・フォードやイランのパフラヴィー国王といった要人も愛用していた。加えて、長編映画にたびたび登場していたことからも、この腕時計が時代に与えた影響を計り知ることができるだろう。


ブラックケースでブルーに光る「PSR」新作

PSR

ハミルトン「PSR」Ref.H52404131
クォーツ。SSケース(直径41mm、厚さ35mm)。10気圧防水。15万5100円(税込み)。

 復刻版であるPSRのディスプレイは、オリジナルのアイコニックなクッション型ケースを踏襲。ヘアライン仕上げの縦34.7×横40.8mmのステンレススティール製のケースを備えたモデルだ。今回発表された新作は、ケースにブラックPVDが施されており、時刻表示がブルーに発光するというものである。ミッドセンチュリーデザイン、そして1970年代のスペースエイジな造形感覚を感じ取れる腕時計である。

 PSRのディスプレイの光は、最新作ではブルーだが、ラインナップはそれだけではない。オリジナルと同じレッド、そして2022年に追加されたグリーンも加えられている。

 なお、ディスプレイはオリジナルに採用されたLEDではない。液晶ディスプレイ(LCD)と有機EL(OLED)のハイブリッドディスプレイだ。この仕組みはLEDよりも、より強い光とコントラストを実現した。ボタンを押すと時刻が表示される仕組みは、オリジナルと変わらない。なお、表示部分はサファイアクリスタル製風防で保護されている。

PSR

ケースと同じく、ブレスレットにもブラックDLCが施されている。


Contact info: ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン Tel.03-6254-7371


女子がモテる腕時計の決定版か!? ハミルトン「PSR 74」を着用レビュー

FEATURES

ハミルトン「カーキ パイロット オート」を実機レビュー! シンプル&スタイリッシュなパイロットウォッチ

FEATURES

ハミルトンのデジタルウォッチ「ハミルトン PSR」にオールブラックモデルが登場

NEWS