カシオを代表するタフネスウォッチであるG-SHOCK。その人気シリーズの “フルメタル”G-SHOCKにおける、カシオの売上本数データをもとにした2024年人気ランキングTOP5を紹介する。カシオの時計事業参入の50周年を迎えた今年、最も人気を集めたフルメタルG-SHOCKはどのモデルなのか、第5位から順に確認していこう。
Text by Kento Nii
[2024年12月19日公開記事]
“フルメタル”G-SHOCKの年間売上本数TOP5
“フルメタル”G-SHOCKは、G-SHOCKが誕生35周年を迎えた2018年に追加されたシリーズだ。同じく金属素材が使用されている「MR-G」や「MT-G」と比べ、手に入りやすい価格帯で展開されており、多彩なG-SHOCKの中でも“ちょっと良いG-SHOCK”と呼ぶにふさわしい存在である。
このシリーズは、樹脂を外装素材に用いる一般的なG-SHOCKと異なり、フルメタル仕様であることが大きな特徴だ。しかし、金属素材でG-SHOCKの耐衝撃基準を満たすことは容易ではない。そこでフルメタルのために、専用の耐衝撃構造が採用されている。ベゼル、ラグ、ケースサイドが一体化した鍛造成型のケースと、モジュールを内包するセンターケースを組み合わせる際、両パーツの間にファインレジン製の緩衝材を挟むことで、金属の質感と高い耐衝撃性の両立を実現しているのである。
ちなみに現行のラインナップでは、オリジンとも呼ばれる初代G-SHOCK「DW-5600」をベースとした「GMW-B5000」シリーズと、“カシオーク”の愛称で親しまれる八角形のフォルムを持つ、「GM-B2100」シリーズが主となっている。いずれもタフソーラーや20気圧防水、LEDバックライト、ワールドタイム機能といったG-SHOCKの基本スペックを備えており、Bluetoothによるスマートフォンとの連携による時刻修正が可能だ。特に、GMW-B5000シリーズに関しては、標準電波受信機能(マルチバンド6)の搭載により、標準電波が受信できる環境であれば、腕時計単独で正確な時刻修正が可能となっている。フルメタルG-SHOCKでは、この豊かな機能性も魅力に数えられるだろう。
簡単にフルメタルG-SHOCKについて触れたところで、以下に人気ランキングの第5位から紹介していく。なお本ランキングは、2024年のカシオの売上本数データをもとにしている。
第5位:「GMC-B2100D-1AJF」
タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦51.3×横46.3mm、厚さ12.4mm)。20気圧防水。10万4500円(税込み)。
第5位には、2024年の10月に登場したばかりの「GMC-B2100D-1AJF」がランクインした。「2100」シリーズの八角形フォルムに、クロノグラフのデザインやリュウズを新たに搭載したことで、G-SHOCKのガジェットとしての魅力がより強調されたモデルである。
ダイアルは縦3つ目のレイアウトが採られており、12時位置のインダイアルには機能選択のインターフェース、9時位置には曜日表示、6時位置にはデュアルタイムに用いる時分表示を配置。それぞれに立体的な縁取りが施されており、ダイアルに豊かな機能美がもたらされている。
また本作のケース造形は、従来のB2100シリーズのものを踏襲している一方で、クロノグラフデザインの採用によって、一回り大きいサイズを備えている。しかしながら、2100シリーズの特徴である薄型のシェイプはそのまま維持されており、良好な着用感が期待できる。デイリーユースにも選びやすいモデルと言えるだろう。
タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦51.3×横46.3mm、厚さ12.4mm)。20気圧防水。10万7800円(税込み)。
10月に登場したばかりの「GMC-2100」シリーズから、本作がランクインしたのは、その完成度の高さを裏付けるものとも考えられる。現在、本作の他にライトブルーカラーモデルも登場しており、今後のさらなるバリエーションの拡充にも期待が高まる。
第4位:「GM-B2100BD-1AJF」
タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦49.8×横44.4mm、厚さ12.8mm)。20気圧防水。9万3500円(税込み)。
第4位には、B2100シリーズより、「GM-B2100BD-1AJF」がランクインした。ケース、ブレスレットの全面にブラックのイオンプレーティング(IP)コーティングが施されており、ブラックダイアルに反転液晶を備えるなど、腕時計全体でオールブラックカラーが追求された1本だ。ちなみに、昨年の人気ランキングでは第5位にランクインしている。
腕時計における“黒一色”は、多くのブランドが採用する人気ジャンルであり、その精悍な演出はG-SHOCKの卓越したタフネスを表現するうえでも効果的だ。また、ケースの表面仕上げは通常の2100シリーズと同様であり、ツヤのあるその黒い出で立ちが、手元で強い存在感を主張する。コーディネートのアクセントに加える点でも好ましい存在だろう。
2100シリーズに共通する薄型設計も本作の魅力だ。Bluetoothを搭載したタフソーラーモジュールを採用することで厚みが抑えられており、多機能、フルメタルという特徴を獲得しつつ、樹脂製のカシオークと同様のサイズ感がキープされているのである。
第3位:「GM-B2100AD-2AJF」
タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦49.8×横44.4mm、厚さ12.8mm)。20気圧防水。8万8000円(税込み)。
第5位と4位に引き続き、第3位もB2100シリーズから、2024年4月に発売した「GM-B2100AD-2AJF」がランクインした。蒸着処理による鮮やかなメタリックブルーカラーの採用により、クールな印象が与えられた1本だ。ケース、ダイアルのいずれもメタリック調としたことで、光沢感が全体にもたらされており、その際立つ存在感から、とりわけカジュアルファッションと組み合わせたいモデルに仕上がっている。
近年G-SHOCKは、カラフルなダイアルのバリエーションを拡充することで、ファッショナブルな魅力をより高めている。その好例である本作は、2100シリーズのスタイリッシュかつスリムな造形に、腕時計の定番色である青色を取り入れたことが、3位という順位へのランクインに大きく貢献したと考えられる。
第2位:「GMW-B5000GD-9JF」
タフソーラー。フル充電時約22カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦49.3×横43.2mm、厚さ13mm)。20気圧防水。9万3500円(税込み)。
第2位には、G-SHOCKの初号機をモチーフとしたデザインを持つGMW-B5000シリーズより、「GMW-B5000GD-9JF」がランクインした。イエローゴールドのIPコーティングがケースとブレスレットに施されており、それに合わせてダイアルに反転液晶が採用されたモデルだ。黒と金のコントラストによる見た目のインパクトもあり、コーディネートのアクセントとして積極的に取り入れたい1本と言える。
なじみ深い初代デザインがゴールドで染められた本作は、これまで派手目なモデルを敬遠していた人にとっても、おすすめしやすい1本だ。また本作は、昨年の人気ランキングでも第3位に位置しており、今年で2年連続のランクインとなる。高い耐久性と華々しさを両立した、フルメタルG-SHOCKならではの魅力を持つ本作は、今後も高い人気を維持し続けることが予想できる。
第1位:「GMW-B5000D-1JF」
タフソーラー。フル充電時約22カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦49.3×横43.2mm、厚さ13mm)。20気圧防水。8万4700円(税込み)。
第1位には、2018年のフルメタルG-SHOCKのファーストリリースモデルより、最もスタンダードな「GMW-B5000D-1JF」がランクイン。昨年の人気ランキングでも第1位に輝いており、2年連続で「最も売れたフルメタルG-SHOCK」となった。
本作の魅力には、やはりその汎用性の高いデザインが挙げられるだろう。シルバーメタリックのケースに差し色のない液晶を備えた、至ってシンプルなデザインを採用しており、王道的な魅力にあふれた1本に仕上がっている。フルメタルケースによって機能美がプラスされ、G-SHOCK特有のカジュアルさが多少なりとも押さえられた本作は、ビジネス、カジュアルを問わない多くのシーンで着用しやすいモデルだろう。さらにマルチバンド6を搭載することで、単独で時刻修正ができる点も、普段使いするうえで好ましいポイントと言える。
また本作は、ランキングに登場した5モデルの中で最もベーシックな価格であり、“ちょっと良いG-SHOCK”であるフルメタルG-SHOCKの1本目としても、ぜひ押さえておきたい存在だ。来年の人気ランキングでも、高い順位へのランクインに期待ができる。
2025年もさらなるラインナップの拡充に期待
今回のTOP5では、5本中3本が昨年のランキングから引き続きランクインし、残り2本を新作が占めるという、バランスの良い結果となった。また2年続いての、ゴールドカラーモデルやオールブラックカラーモデルのランクインは、金属素材を生かしたフルメタルG-SHOCKらしい魅力が表れた結果と言えるだろう。
2024年は、クロノグラフデザインを採用したGMC-B2100シリーズが登場するなど、フルメタルG-SHOCKの選択に幅が増えた1年であった。今後も豊かな機能美、ダイアル表現を持つコレクションの拡充が期待できる。