ジャガー・ルクルトのアイコンであるレベルソ・トリビュートに4本の新作が追加された。中でも18KPGケース&文字盤のクロノグラフモデルと、オリジナルに極めて近い新サイズモデルは白眉の出来だ。
佐藤しんいち:文 Text by Shin-ichi Sato
細田雄人(本誌):編集 Edited by Yuto Hosoda (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2025年1月号掲載記事]
クラシカルを強調した、新しいトリビュート
オリジナルモデルのプロポーションを今に伝えるジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート」に4本の新作が追加された。特に注目なのが「レベルソ・トリビュート・クロノグラフ」の18KPGモデルと「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」の新サイズモデルだ。
18KPG製ダイアルに施された繊細な水平線の彫刻が光の反射を和らげ、シックな印象。反転させると18KPG製ブリッジで構成されたムーブメントのCal.860がオープンワークからのぞく。手巻き。38石。2万8800振動/ 時。パワーリザーブ約52時間。18KPGケース(縦49.4×横29.9mm、厚さ11.14mm)。3気圧防水。世界限定250本。参考価格1091万2000円。
(右)ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」Ref.Q7168420
1931年のオリジナルに非常に近いプロポーションを持つ。ロゴとインデックス、ミニッツウェイトラックのみで構成されるダイアルはエッセンシャルで、コンパクトなサイズ感も相まってクラシカルかつエレガント。手巻き(Cal.822)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース( 縦40.1×横24.4mm、厚さ7.56mm)。3気圧防水。139万9200円(税込み)。
レベルソ・トリビュート・クロノグラフは、一見シンプルな2針モデルの装いながら、反転させるとオープンワークから精緻なクロノグラフ機構がのぞく二面性のあるモデルである。華やかな輝きのある18KPG製ケースに、表面の文字盤には初採用となる繊細な水平線のレーザー彫刻を施したピンクゴールド製ダイアルが組み合わされ、その幾何学模様がレベルソのアールデコ様式を基調としたデザインと調和する。また、搭載されるCal.860は従来モデルとは異なり、地板やブリッジにもピンクゴールドを用いている点が特徴で、統一感のある色調が本作の特別な意匠となっている。
一方のレベルソ・トリビュート・モノフェイスの新作は、1931年のオリジナルモデルに極めて近い、縦40.1×横24.4mmのケースを持つ新サイズだ。そのプロポーションとシンプルなダイアルデザインがクラシカルな印象を生み出すだけでなく、7.56mmの薄い仕立ても相まってエレガントさも際立つ仕上がりである。また、手首のサイズを問わずにフィットするサイズ感でもあり、幅広く歓迎されるプロポーションであると言える。用意されるダイアルは、オパーリン仕上げのシルバーと、サンレイ仕上げのブルーラッカーだ。ムーブメントは古典に根差し、角型ムーブメントの傑作のひとつであるCal.822を搭載。この組み合わせは本作を選びたくなるエッセンスのひとつとなっている。