ブランドのデータに基づき、モーリス・ラクロアの2024年人気ランキングTOP5を発表。「アイコン」コレクションが高い人気を誇る同社だが、アイコンはやはり今年も強かった。
Text by Tsubasa Nojima
[2024年12月22日公開記事]
2024年モーリス・ラクロア人気ランキングTOP5
モーリス・ラクロアは、1975年に誕生したスイスの高級時計ブランドだ。創業当初は他社の時計を受託生産していたが、やがて自社ブランドで時計の製造を開始。現代では機械式時計らしい動きを楽しむことができる「マスターピース」やダイバーズウォッチの「ポントス」などのコレクションを展開している。中でも特に高い人気を誇るのが、「アイコン」だ。1990年代に登場した「カリプソ」のデザインコードを取り入れつつ、現代的にアップデートされたアイコンは、6つのタブを配したベゼルやブレスレット一体型のケース構造によって、文字通りモーリス・ラクロアを象徴する“アイコン”となり、大きな成功を収めた。今回は、そんな同社の2024年人気ランキングを発表する。
第5位:「アイコン オートマティック スケルトン」Ref.AI6007-SS002-030-1
ムーブメントの構造を詳らかにしたスケルトンウォッチ。アイコンとしての特徴をそのままに、ダイナミックなムーブメントの造形を楽しむことができる。自動巻き(Cal.ML135)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径39mm、厚さ11mm)。20気圧防水。58万6300円(税込み)。
モーリス・ラクロアを代表するコレクション、アイコンの中でも一際強い個性を放つモデル。サファイアクリスタル製のダイアルを採用することで、内部のムーブメントをダイアル側から鑑賞することが可能な構造を持つ。ムーブメントの地板には曲線を多く取り入れたスケルトン加工が施され、その隙間からテンプの動きや主ゼンマイが巻き締められる様子を楽しむことが可能だ。スケルトンウォッチは、そのデザイン性ゆえに視認性が損なわれてしまうことも少なくないが、本作では蓄光塗料を塗布したインデックスが配され、しっかりと時刻が読み取れるように配慮されている。シースルーバックを採用しているため、裏蓋側からもムーブメントを鑑賞することが可能だ。
ケースは直径39mmの控えめなサイズ感。アイコンの特徴である6つのタブが配されたベゼルやシャープなブレスレット一体型のケースなど、オンオフ問わず着用しやすいデザインであることも魅力だ。防水性は20気圧を確保しているため、アウトドアでも気兼ねなく使用することができる。
第4位:「アイコン クォーツ デイト 40mm」Ref.AI1108-SS002-430-1
扱いやすいクォーツムーブメントを搭載したモデル。サンブラッシュ仕上げのダイアルに細身のインデックスを組み合わせ、上品な印象に仕上げている。クォーツ。SSケース(直径40mm、厚さ9mm)。10気圧防水。16万8300円(税込み)。
クォーツムーブメントを搭載するアイコン。ブルーのサンブラッシュ仕上げのダイアルには、アイコンの特徴でもあるグリッド状のパターンが施されておらず、さらに細めのインデックスを採用しているため、ややドレッシーな印象。時分針にはスーパールミノバが塗布され、暗所での時刻確認に役立つ。3時位置には日付表示が配され、実用性も十分だ。
ケースの直径は40mm。クォーツムーブメントを搭載しているため、厚さ9mmと、より手首に馴染みやすい薄さであることも魅力のひとつ。ねじ込み式リュウズを備え、10気圧防水を達成している。
クォーツウォッチゆえに、機械式に比べて時刻調整の手間がかからないこと、理論上耐衝撃性に優れることなど、実用的な特徴を備えている。アイコンのクォーツモデルは、本作のようなシンプルな3針モデルのほか、クロノグラフモデルや豊富なダイアルカラーバリエーション、海洋プラスチックをアップサイクルした「アイコン #TIDE」など、ユーザーの好みに応じたラインナップを展開している点も魅力だ。
第3位:「アイコン オートマティック デイト 42mm」Ref.AI6008-SS002-330-1
数あるアイコンの中でも特にベーシックなデザインを持つモデル。落ち着きのあるブラックダイアルは、ビジネスシーンでも使いやすい。自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径42mm、厚さ11mm)。20気圧防水。34万6500円(税込み)。
直径42mmのケースを採用した、ベーシックな自動巻きのアイコン。ブラックのダイアルが、ビジネスシーンにもふさわしいシックな印象を作り出す。ダイアルに施されているグリッド状のパターンはクル・ド・パリ装飾であり、ダイアルに立体的な表情を与えている。インデックスはバータイプで統一し、3時、6時、9時、12時位置をダブルとすることで、判読性を高めている。時分針は細身のペンシル型。蓄光塗料を塗布することで、暗所での視認性を確保している。
ケースはヘアラインとポリッシュに磨き分けられ、メリハリの利いたデザイン。手首を動かすたびにポリッシュ部が輝く様子を楽しむことができる。ケースとブレスレットが一体となった構造のため、滑らかな連続性のあるデザインも魅力だ。
ムーブメントは信頼性の高い汎用機をベースとしたCal.ML115を搭載する。シースルーバックを採用しているため、ローターやテンプの動き、ペルラージュ装飾とコリマソン装飾、コート・ド・ジュネーブ装飾を鑑賞することが可能だ。
第2位:「アイコン オートマティック デイト 42mm」Ref.AI6008-SS002-430-1
第3位のモデルのカラーバリエーション。ブラックもブルーも、どちらもシーンを選ばない万能なカラーだ。汎用性の高いアイコンのキャラクターが反映された結果だろうか。自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径42mm、厚さ11mm)。20気圧防水。34万6500円(税込み)。
第3位にランクインしたアイコン オートマティック デイト 42mmのカラーバリエーションモデル。やはり定番モデルは根強い人気を獲得しているようだ。本作は、爽やかなブルーダイアルを採用しており、第3位のモデルに比べ、よりカジュアルにも使いやすい。クル・ド・パリ装飾のダイアルや6つのタブが配されたポリッシュとヘアラインのケース、ムーブメントなどの基本的な特徴は、先述した通りだ。防水性は20気圧を備えており、悪天候時にも特に気にかけることなく着用することができる。
コレクションに共通する仕様だが、ブレスレットにはイージーチェンジャブルシステムが搭載されており、背面に配されたレバーを操作することによって、簡単にブレスレットをケースから分離することができる。サイズの合うストラップを買いそろえることで、その日の気分やシーンに合わせて簡単にベルトを交換することが可能だ。ブランド純正でレザーやラバーなど種類豊富なベルトが発売されている。
第1位:「アイコン マニュアル クラブジャパンエディション」Ref.AI7007-SS00E-430-C
ML CLUB ジャパンの創設者、中澤浩司氏とのコラボレーションによって実現した、手巻きのアイコン。ダイアルの装飾など、細部にまで手が加えられている。手巻き(Cal.ML145)。18石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径39mm、厚さ10mm)。10気圧防水。世界限定500本。36万4100円(税込み)。
堂々1位に輝いたのは、2024年12月に発売されたばかりの「アイコン マニュアル クラブジャパンエディション」だ。本作はモーリス・ラクロアの公式ウォッチクラブであるML CLUB ジャパンの創設者、中澤浩司氏とのコラボレーションによる数量限定モデルだ。最大の特徴は、手巻きムーブメントを搭載している点にある。これによって、日々の主ゼンマイの巻き上げを楽しむことが可能なのだ。
デザインは一見して既存の自動巻きモデルと同じように思えるが、ダイアル上のクル・ド・パリ装飾の高さが0.08mmから0.16mmへ変更され、より立体感のある表情を楽しむことができるようになった。加えてノンデイト仕様であるため、シンメトリーなレイアウトを有していることも特徴のひとつ。
ケースは、手巻きムーブメントを搭載することによって、自動巻きモデルから1mm薄い厚さ10mmを実現している。ベルトは、ステンレススティールブレスレットに加え、ブルーのレザーストラップが付属する。イージーチェンジャブルシステムによって、簡単に付け替えて楽しむことが可能だ。