チューダーのクロノグラフモデルってどうなの? おすすめを4本ピックアップ

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2024.12.23

過去モデルのデザインに範を取った腕時計を、優れたバリュープライシングで展開しているチューダー。その基幹を担うコレクション「ブラックベイ」や「ペラゴス FXD」では、クロノグラフを搭載したモデルも用意されている。今回、チューダーのクロノグラフウォッチについて、現行モデルから代表的なものをピックアップして紹介する。

チューダー クロノグラフ

新居賢人:文
Text by Kento Nii
[2024年12月23日公開記事]


チューダーのクロノグラフモデルを紹介

 チューダーは、ロレックスの創業者として知られるハンス・ウイルスドルフによって、1926年に創業されたブランドだ。かつては、ロレックスのディフュージョンブランドとして知られてきたが、現在では、自社アーカイブにデザインの範を取ったクラシカルなコレクションを展開し、かつムーブメントも汎用のものから自社製ムーブメントへと変更するなどして、独自のアイデンティティーを確立するに至っている。

 そんなチューダーの現行ラインナップにおいて、クロノグラフモデルは「ブラックベイ」および「ペラゴス FXD」コレクションに用意されている。いずれも、実用に向けた機能性や、200m防水に代表される優れた堅牢性が特徴だ。さらに、“スノーフレーク針”と呼ばれる太い時針をはじめとする、同社の象徴的な意匠の多くが採用されており、チューダーならではの魅力を実感するうえで申し分のない存在と言えるだろう。

 なお、現行のチューダーのクロノグラフモデルには、自社製ムーブメントであるCal.MT5813が搭載されている。2017年に発表された本機は、C.O.S.C.認定を取得した精度と、約70時間のパワーリザーブを備えた、実用性に優れるムーブメントだ。また、コラムホイールと垂直クラッチを採用したクロノグラフ機能に加え、耐磁性、安定性をもたらすシリコン製ヒゲゼンマイを搭載し、ツールウォッチ“らしさ”に貢献している。

 以下に、その代表的なモデルを4本厳選して紹介する。


ブラックベイ クロノ“ブルー”

 ブラックベイは、チューダーの代表的なコレクションだ。往年のダイバーズウォッチである「オイスター プリンス サブマリーナー」がベースとなっており、クラシカルかつ精悍な表情を持つ。また、基幹コレクションなだけあり、非常に多種多様なバリエーションが展開されており、名実ともにチューダーを代表する存在と言える。

チューダー ブラックベイ クロノ“ブルー” M79360b-0002

チューダー「ブラックベイ クロノ」Ref.M79360B-0002
自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。200m防水。79万2000円(税込み)。

 そんなブラックベイのクロノグラフ搭載モデルのうち、ブティック限定モデルであるRef.M79360B-0002は、象徴的な“チューダー ブルー”が前面に押し出された、涼しげな印象のモデルだ。サンレイ仕上げのダイアルや、アルマイト加工のベゼルインサートが鮮やかなブルーで彩られており、シルバーのインダイアルや針、インデックスが際立つ表情を備えている。クールなルックスによるファッション性を魅力としながらも、ツールウォッチには欠かせない判読性も確保されたモデルだ。

 チューダーは、他社に先駆けて、ブルーを腕時計のデザインに取り入れたブランドとして知られており、本作はそのパイオニアとしての一面が垣間見えるモデルと言える。また、ブティック限定モデルとしてリリースされている点からも、ブランドにおける“チューダー ブルー”の特別な位置付けを窺い知れるというものだろう。

 なお本作は、5列リンクのブレスレットを採用している。中央の3列のみがポリッシュされたことで、表情に上品さを添える一方で、“T-fit”アジャスティングシステム付きクラスプを備えたことで、着用感も高められている。このクラスプでは、工具を使用しない簡単な操作で、8mmまでの長さを5段階で調節が可能だ。


ブラックベイ クロノ

チューダー ブラックベイ クロノ M79360N-0001

チューダー「ブラックベイ クロノ」Ref.M79360N-0001
自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。200m防水。77万7700円(税込み)。

 Ref.M79360N-0001は、ブラックのダイアルとベゼルインサートを持つ、精悍な印象が強められたモデルだ。そのダイアルレイアウトは、1970年に登場したチューダー初のクロノグラフモデル「オイスターデイト クロノグラフ」を参考としており、ドーム型のダイアルに、ふたつのくぼんだインダイアルとカレンダーが配置されている。また、2時位置と4時位置のプッシャーにもオリジナルと同じスクリュー式が採用されており、リバイバルモデルとして高い完成度を誇る。

 また本作では、ブラックベイらしい意匠の数々もその魅力となる。リュウズにバラのレリーフが施されるなど、細部にまでこだわった造形を備えており、中でもスノーフレークと呼ばれる太い時針は、ひと目でチューダー製のダイバーズウォッチだと認識できるほど、アイコニックな存在と言える。さらにこの時針は、サーキュラーグレイン仕上げのインダイアルと合わせて、表情にモノクロカラーの強いコントラストを演出しており、判読性も高める意匠となっている。

 ブレスレットは堅牢な3列リンクタイプを採用する。サイドにリベットを持つ古典的なスタイルで、クラシカルな雰囲気を持つダイアルとの相性は抜群だ。またバリエーションとして、ブラックのファブリックストラップとレザーストラップが用意されている。


ブラックベイ クロノ S&G

チューダー ブラックベイ クロノ S&G M79363N-0007

チューダー「ブラックベイ クロノ S&G」Ref.M79363N-0007
自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。200m防水。111万4300円(税込み)。

 Ref.M79363N-0007は、18Kイエローゴールドを使用したコンビネーションモデルだ。ダイアルは表情豊かなシャンパンゴールドカラーで、ブラックのインダイアルとベゼルインサートが合わせられている。また、タキメーターやインダイアルのスケールはゴールドで表記されており、それぞれが成す際立つコントラストが、強烈な存在感を放っている。

 リュウズはゴールドキャップで覆われており、ふたつのプッシャーとベゼルはそれぞれ18Kイエローゴールド製だ。また、ブレスレットはリベットを持つ3連リンクタイプで、中央のリンクのみがゴールドキャップで覆われている。往年の“コンビモデル”さながらの気品が漂うその表情は、腕時計にラグジュアリーテイストを求める愛好家にとっても、魅力的に映ることだろう。

 なお本作には、ダイアルの色を反転させたモデルや、ブラウンレザーストラップ、ブラックファブリックストラップモデルといったバリエーションも用意されている。


ペラゴス FXD クロノ

 チューダーが誇る本格志向のダイバーズウォッチ、ペラゴスに属する「ペラゴス FXD」は、フランス海軍の特殊部隊との共同開発によって誕生した、プロフェッショナル向けの仕様を持つコレクションだ。ケースにストラップバーが固定された頑丈な構造を特徴としており、そのラインナップには、機能性を高めたクロノグラフモデルやGMTモデルもラインナップされている。

チューダー ペラゴス FXD クロノ M25807KN-0001

チューダー「ペラゴス FXD”アリンギ・レッドブル・レーシング”」Ref.M25807KN-0001
自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。カーボンケース(直径43mm、厚さ13.6mm)。200m防水。74万300円(税込み)。

 ピックアップしたRef.M25807KN-0001は、ヨットチーム「アリンギ・レッドブル・レーシング」とのパートナーシップを記念するモデルだ。ペラゴス FXDをベースに、クロノグラフ機能を搭載し、チームのシンボルカラーであるブルーとレッドをカラーリングに取り入れた本作は、最も過酷なヨットレースに臨む挑戦者たちの精神を象徴するモデルに仕上がっている。

 また本作で特筆すべきは、チューダーで初めて、ケース素材にカーボンコンポジットが採用された点である。非常に軽やかである一方、高い堅牢性を誇るこの素材は、本作にヨットさながらの軽快さをもたらしている。さらにベゼル、リュウズにも、同様に軽やかさと高い堅牢性を特徴とするチタンが採用されており、一貫した、軽やかさとタフネスへの追求が見られるモデルだ。

 ストラップは、セルフグリップ着脱システムを持つファブリックストラップを採用する。一体感のあるカラーリングが採用されており、ダイバースーツの上からでも容易に着用できる仕様となっている。



Contact info: 日本ロレックス / チューダー Tel.03-3216-5671


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