シチズン「エコ・ドライブ」とは? おすすめメンズモデル5本も紹介

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2025.02.11

シチズンの「エコ・ドライブ」は、太陽光や室内光など、あらゆる光をエネルギーに変換して時計を駆動させる画期的な技術である。この技術によって電池交換の手間が不要となり、環境負荷を軽減しながら利便性を提供する。本記事ではエコ・ドライブの仕組みや歴史、おすすめのメンズモデルを紹介しながら、この技術の魅力を明らかにする。

ザ・シチズン「AQ4091-56M」


シチズンの「エコ・ドライブ」とは

 シチズン「エコ・ドライブ」は、光をエネルギーに変換し、電池交換を不要とした独自の光発電技術である。1976年に世界初のアナログ式光発電モデルを発表後、改良が重ねられ、室内灯のわずかな光でも発電する仕組みを確立した。

 以降では、エコ・ドライブの仕組みや進化の歴史についてより詳しく解説する。

シチズン独自の光発電技術「エコ・ドライブ」

 エコ・ドライブはソーラーセルで受光した光を電気に替え、内蔵の二次電池へ蓄えられた電気によって時計を駆動させる仕組みである。

 太陽光のみならず、オフィスの蛍光灯や自宅の照明など室内光でも発電可能だ。定期的な電池交換が不要なため廃棄電池を減らすことができ、環境にも優しい。

 さらに、パワーセーブ機能によって暗所でも数カ月以上駆動するため、引き出しにしまっておいても止まりにくいのは、日常での使用における大きなメリットだ。

エコ・ドライブの仕組み

 エコ・ドライブは、文字盤の裏面に配置したソーラーセルが光を受けることで発電し、そのエネルギーを二次電池に蓄える。

 二次電池は繰り返し充放電が可能で、従来の使い捨て電池と異なり廃棄が大幅に減らせる。

 さらに、満充電状態では数カ月〜半年以上駆動でき、パワーセーブ機能によって光が当たらない状況でも性能を維持する。その結果、電池切れを気にすることなく、日常的に着用できるようになっている。

 また、防水性や耐衝撃性を備えるモデルも多く、ビジネス、カジュアル、アウトドアなど多様なライフスタイルに対応。こうした実用性の高さが支持を得ている理由だ。


エコ・ドライブの歴史と進化

 シチズンの光発電技術は、1976年に発表した世界初のアナログ式太陽電池時計「クリストロン ソーラーセル」から始まり、その後も進化を続けている。エコ・ドライブがどのような歴史をたどり、そして今日に至るのか、その歴史と進化を振り返ってみよう。

世界初の光発電時計の登場

クリストロン ソーラーセル

1976年に発売された世界初のアナログ式太陽電池時計「クリストロン ソーラーセル」。文字盤に単結晶シリコン太陽電池8枚を備え、銀電池を二次電池として充電する方式が取り入れられた。

 1976年、シチズンは「クリストロン ソーラーセル」を発表。これは世界初のアナログ式光発電時計として大きな話題を呼んだ。

 当時、電池交換はユーザーにとって定期的な負担だったが、このモデルは太陽光を電力に変換し、クォーツムーブメントを駆動させる仕組みを採用しており、電池交換を不要にするという新たな価値を市場に提示した。

 クリストロン ソーラーセルは日常のメンテナンスを減らし、さらに電池廃棄が抑えられる環境配慮型製品として評価された。

 この成功はシチズンが持続可能性と利便性を両立する製品開発へと歩を進めるきっかけとなり、その後のエコ・ドライブ技術の発展と普及を導く原動力となった。

より効率よく、より薄く進化

アテッサ エコ・ドライブ

1995年に発売された「アテッサ エコ・ドライブ」。初めてエコ・ドライブの名を冠したモデルで、フル充電時約6カ月の駆動時間を実現した。

 初期モデルでは駆動時間や発電効率に課題があったが、技術改良を重ねることで光発電技術は大幅に進化した。

 1980年代には連続駆動時間を延ばし、1995年にはエコ・ドライブ ブランドが誕生。消費電力低減やムーブメントの小型化によって、薄型モデルの開発も可能となった。

 また同年に発表された「アテッサ エコ・ドライブ」は約6カ月の駆動時間を実現するなど、日常での使い勝手も向上した。こうした過程を経て、エコ・ドライブは機能性、デザイン、環境への配慮を備えた、多様なニーズに応える時計として支持を得るに至った。

基幹技術として数々のモデルに採用

 現在、エコ・ドライブはシチズンの中核技術として幅広いモデルに搭載されている。

 高精度を追求した「ザ・シチズン」、超薄型化を極めた「エコ・ドライブ ワン」、シチズンの技術を結集させた最高級ブランドの「カンパノラ」、そしてビジネスシーンで有用な「アテッサ」や高い機能性を備える「プロマスター」など、用途やスタイルに応じて幅広い選択肢から選べるようになっている。

 1996年には「エコマーク」も取得し、持続可能な製品として評価されている。このようにエコ・ドライブは、環境負荷の低減と利便性を両立する基幹技術として、シチズンのブランド価値を体現している。


エコ・ドライブ搭載のおすすめモデル

 エコ・ドライブを活用したモデルは実に多彩で、それぞれが異なる個性を持つ。その中でも特に注目すべき5つのブランドと、メンズモデルを紹介する。

ザ・シチズン「AQ4091-56M」

ザ・シチズン「AQ4091-56M」

ザ・シチズン「AQ4091-56M」
光発電エコ・ドライブ(Cal.A060)。フル充電時約1.5年駆動(パワーセーブ時)。スーパーチタニウムケース(直径40mm、厚さ12.2mm)。10気圧防水。44万円(税込み)。

ザ・シチズンは、1995年に誕生したブランドだ。高精度なムーブメントと洗練されたデザインを特徴とし、時計愛好家から高い評価を受けている。

「AQ4091-56M」はザ・シチズンにラインナップされるモデルのひとつで、高精度と高級感を両立している

 年差±5秒のエコ・ドライブを搭載し、定期的な電池交換が不要としながら、常に正確な時刻をキープできる。

 素材には軽量で錆びにくいスーパーチタニウムを採用し、デュラテクトプラチナ加工で傷にも強い。

 文字盤には藍染が施された土佐和紙を使い、深みのある風合いを演出。

 クラリティ・コーティング処理を施したデュアル球面サファイアガラスで視認性を高め、JIS1種耐磁性能や針自動補正機能を備えるパーフェックスも搭載。日常からビジネスまで心強い相棒となる。

「エコ・ドライブ ワン AR5060-58E」

エコ・ドライブ ワン「AR5060-58E」

シチズン「エコ・ドライブ ワン AR5060-58E」
光発電エコ・ドライブ(Cal.8826)。フル充電時約1年駆動。SSケース(直径38mm、厚さ3.88mm)。5気圧防水。44万円(税込み)。

 エコ・ドライブ ワンは、世界最薄1.00mmの光発電ムーブメントを搭載したプレミアムウォッチブランドである。

 シンプルで洗練されたデザインと卓越した技術力を融合しており、特にサーメット製のベゼルが薄さと強度を両立している。

 中でも外装にスーパーチタニウムを採用したモデルは軽量で肌に優しく、耐傷性にも優れている。また、すべてのモデルは太陽光や室内光を電力に変換するエコ・ドライブ技術により、定期的な電池交換が不要で、光のない環境でも長時間駆動する。

「AR5060-58E」は、世界最薄1.00mmムーブメントを搭載するエコ・ドライブ ワンの代表モデルといえるだろう。

 ケース厚わずか3.88mmの超薄型設計が手首に軽やかなフィット感をもたらし、スーツスタイルはもちろん、カジュアルウェアにも自然に調和する。

 光発電技術により電池交換不要で、5気圧防水によって日常生活での水仕事や急な雨にも対応。シンプルで洗練された文字盤は時刻の判読性にも優れるなど、機能美と快適性を求めるユーザーに最適な1本だ。

カンパノラ「宙鏡(そらかがみ) BU0020-20L」

カンパノラ「宙鏡(そらかがみ) BU0020-20L」

カンパノラ「宙鏡(そらかがみ) BU0020-20L」
光発電エコ・ドライブ(Cal.8730)。フル充電時約6カ月駆動。SSケース(直径43.5mm、厚さ14.8mm)。日常生活用防水。38万5000円(税込み)。

 カンパノラは、卓越した技術と日本の美意識を融合させた高級腕時計ブランドである。独創的なデザインと複雑な機構が特徴で、時を愉しむための特別な体験を提供する。

 スイスのラ・ジュー・ペレ社の熟練時計師が組み上げた機械式ムーブメントを搭載し、日本の伝統工芸技法を駆使した文字盤を備えるモデルもラインナップされるなど、シチズンの技術力とセンスが堪能できる点でも高い支持を得ている。

「宙鏡(そらかがみ) BU0020-20L」は日本の伝統技術と先端技術が融合した、カンパノラのエコ・ドライブ モデルだ。

 6時位置のインダイアルには漆と金属粉を用いることで、広大な宇宙で星が瞬く様子を表現。リングソーラーセルにより、エコ・ドライブを搭載しながら文字盤の繊細な表現が楽しめるようになっている。

 トリプルカレンダーやムーンフェイズ搭載で機能性も高く、フル充電で約6カ月駆動する。

 ステンレススティールケースとワニ革バンドは高級感と耐久性を両立。無反射コーティングサファイアガラスで視認性も確保するなど、実用性も十分な仕上がりだ。

シチズン アテッサ「ACT Line/ブラックチタンシリーズ CC4059-64L」

アテッサ「ACT Line/ブラックチタンシリーズ CC4059-64L」

シチズン アテッサ「ACT Line/ブラックチタンシリーズ CC4059-64L」
光発電エコ・ドライブ(Cal.F950)。フル充電時約5年駆動(パワーセーブ時)。スーパーチタニウムケース(直径44.6mm、厚さ15.4mm)。10気圧防水。33万円(税込み)。

 アテッサは、軽量で強度の高い「スーパーチタニウム」を使用した、洗練されたデザインを特徴とするブランドである。

 ビジネスからカジュアルまで幅広く対応し、エコ・ドライブやGPS衛星電波受信機能など先進技術を搭載。特に「ブラックチタン」や「ACT Line」などが人気で、耐久性と機能性を両立している。

「CC4059-64L」はアテッサにラインナップされるGPS衛星電波受信搭載モデルだ。世界各地で正確な時刻とカレンダーを自動受信し、渡航時における時差調整の手間を省く。

 素材には軽量で耐久性に優れるスーパーチタニウムを使用し、デュラテクトDLC加工を施すことで傷に強い。

 青紫色のサファイアベゼルとストライプ模様の文字盤が上質感を演出し、さらに10気圧の防水性能や独自技術のパーフェックスにより磁器や衝撃による針のズレも防ぐ。

 クラリティ・コーティング処理を施したサファイアガラスで視認性も高く、ビジネスからレジャーまで幅広いシーンで頼れる存在となる。

シチズン プロマスター「BN0231-01L」

プロマスター「BN0231-01L」

シチズン プロマスター「BN0231-01L」
光発電エコ・ドライブ(Cal.E168)。フル充電時約6カ月駆動。SSケース(直径46mm、厚さ14.6mm)。200m防水。6万6000円(税込み)。

 プロマスターは「MARINE」「LAND」「SKY」の3つのカテゴリーに分かれており、その名の通り陸海空の各分野で専門的な機能と高い信頼性を提供するプロフェッショナル向けのブランドだ。

 プロマスター「NB6021-17E」は、アウトドア派に最適なモデルであり、優れた耐久性と防水性能を備えている。

 ISO 6425規格に準拠した200m潜水用防水性能を持ち、プロフェッショナルなダイビングから過酷な環境での使用にも対応可能である。

 流線型のフォルムをはじめ、12時位置と奇数時のインデックスやウレタン製のストラップはオルカ(シャチ)をモチーフとしたデザインを取り入れ、個性的かつ存在感のあるルックスに仕上げている。


エコ・ドライブで時計を楽しむ。環境とともに歩む時代へ

 エコ・ドライブは電池交換不要という革新的な発想で、時計の使い方を大きく変えた。

 環境への配慮と日常の利便性を両立し、オン/オフはもちろん、渡航時まで多様な場面で活用できる点が特徴だ。

 また、今回紹介した「ザ・シチズン」「エコ・ドライブ ワン」「カンパノラ」「アテッサ」「プロマスター」といった幅広いブランドで採用されているため、服装や着用シーン、ユーザーの好みで選べる点も魅力だ。

 エコ・ドライブを通じて、持続可能な未来と豊かな時計体験を両立した新たな価値観を手に入れてほしい。



Contact info:シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807


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