スイス・ジュネーブのF.P.ジュルヌ レストランが、オープンから1年も経たないうちに、なんと『ミシュランガイド』のひとつ星を獲得した。このレストランの見どころは料理だけではない。スタッフが着用するレッドボルドーカラーの腕時計は、時計愛好家を引きつけてやまないのだ。
[2024年12月26日公開記事]
開店後一年以内でミシュランひとつ星を獲得
F.P.JOURNE レストランはスイス・ジュネーブの中心部、ローヌ通り49番地にその居を構えてから2024年11月1日で1年を迎えた。レストランのスタッフを束ねるのは、ボーリヴァージュホテルでシェフを務めたドミニク・ゴーティエだ。
腕時計の世界観を堪能できる同店は一年を待たずして、フランス発祥のグルメガイドブック『ゴ・エ・ミヨ』に掲載された。その後『ミシュランガイド』への登場を果たし、ジュネーブの食通たちのあいだに、強い存在感を示すようになったのである。
料理よりも気になる? スタッフのための限定ウォッチ
もちろん、シェフであるドミニク・ゴーティエが腕を振るった料理は素晴らしい。それに加えて、時計師フランソワ-ポール・ジュルヌのコンセプトが注ぎ込まれたレストランも、時計愛好家としては見逃せない。だが、それよりも気になってしまうものがあるに違いないのだ。
もしも、F.P.ジュルヌの歴史とセンスを堪能できるこのレストランで、ランチかディナーを楽しむ機会に恵まれたとしよう。その時、シェフ、ソムリエ、そして給仕係まで含め、すべてのスタッフが特別な腕時計をしていることに気づくはずだ。それは赤ワイン、グラン・クリュを想起させる、レッドボルドーカラー文字盤の「エレガント 48mm Titalyt®」だ。
この腕時計は当初、レストランスタッフへの支給品であった。だが、シェフ自らが厳選した「特別な顧客」が入手できる“裏メニュー”となったのである。このモデルが一般に販売されているエレガント 48mm Titalyt®と異なる点は、レッドボルドーカラーの文字盤を採用している点にある。さらに、invenit et fecitの代わりに、Le Restaurantと印されている点も挙げられるだろう。
「スリープモード」を搭載したクォーツムーブメント
ムーブメントにはメカクォーツCal.1210を搭載。このムーブメントの特徴はスタンバイモードにある。これは時計職人の夢とも呼ぶべき技術だ。
腕時計を手首から外し30分ほどすると、針が停止してしまう。エネルギー節約のためだ。しかし、着用すると針が再び動き出し、最短距離で現在の時刻を指し示すのだ。この仕組みのおかげで、通常使用の場合には約8年から10年ほどバッテリーが持続する。さらにはスタンバイモードのままなら、約18年も持続するのである。
機械部品はF.P.ジュルヌのマニュファクチュールで製造されている。スイスで設計された電子部品は独自仕様のマイクロプロセッサーを採用したものだ。裏蓋に配されたプリント基盤にはローズゴールドのパーツが加えられている。このパーツはF.P.ジュルヌの「クラシック」コレクションの機械式ムーブメントを連想させる外観だ。
何にせよ、コレクターズアイテムであることは間違いない。