ザ・シチズンより、気になる名作5本を紹介する。1995年の誕生以来、「精度」「品質」「デザイン」「ホスピタリティ」に向き合ってきたザ・シチズン。エコ・ドライブモデルとメカニカルモデルより、その魅力を特に堪能できるものを厳選した。
Text by Tsubasa Nojima
［2024年12月26日公開記事］
「精度」「品質」「デザイン」「ホスピタリティ」に向き合ってきたザ・シチズン
1995年に誕生したザ・シチズンは、高級時計にとって重要な「精度」「品質」「デザイン」「ホスピタリティ」に向き合い、挑戦を重ねてきたシチズンのフラッグシップブランドだ。現在では、光発電クォーツであるエコ・ドライブムーブメントを搭載したモデルと、機械式ムーブメントを搭載したモデルによってラインナップを構成している。
エコ・ドライブモデルであればモデルによって年差±1秒または±5秒、機械式であれば日差－3秒～＋5秒と、優れた「精度」を発揮。南信州高級時計工房で職人の手作業によって組み上げられた高い「品質」、シンプルながらもアイコニックな要素をちりばめた「デザイン」など、ザ・シチズンの挑戦は着実に実を結んでいる。特に忘れてはならないのが、「ホスピタリティ」の要であるシチズン オーナーズクラブの存在だ。購入者に寄り添い、長く愛用される時計となるために、シチズン オーナーズクラブへの登録によって最長10年間の無償保証、無償点検を提供している。
シチズンの技術力と暖かなサポートによって、年々ファンを増やし続けているザ・シチズン。今回はその中から、5つの名作を紹介したい。
「高精度年差±5秒 エコ・ドライブモデル」Ref.AQ4091-56M
ジャパンブルーとも呼ばれる藍染を施した土佐和紙ダイアルを採用したモデル。リュウズガードを備えたスポーティなケースも特徴。光発電クォーツ。フル充電時約1.5年駆動（パワーセーブ時）。スーパーチタニウムケース（直径40mm、厚さ12.2mm）。10気圧防水。44万円（税込み）。
上品さとスポーティさを兼ね備えたエコ・ドライブ搭載モデル。ブルーのダイアルは、土佐和紙に日本の染色技法である藍染を施したものだ。光発電クォーツはソーラーセルに光を当てる必要があるため、ダイアルに制約が課されることが多いが、本作では光を透過させやすい和紙を用いることによって、表情豊かなダイアルを実現している。
ケースとブレスレットの素材は、チタンをベースに独自の表面加工技術であるデュラテクトを施したスーパーチタニウム。軽量かつ耐食性にも優れ、ストレスなく日常使いすることができる。ケースのサイズは直径40mm。程よい存在感を放つサイズに加え、控えめなリュウズガードがスポーティな印象をもたらす。ケースバックにはブランドを象徴するイーグルが刻まれ、フラッグシップコレクションらしい威風堂々とした風格を漂わせる。
光発電クォーツムーブメントは、定期的な電池交換を必要としないというメリットもあるが、本作はそれに加えて年差±5秒という高精度とパーペチュアルカレンダー機能を備えている。
「メカニカルモデル Caliber 0200 限定モデル」Ref.NC0210-11A
氷山をモチーフとした繊細なパターンのダイアルに、18Kホワイトゴールド製ベゼルを組み合わせた限定モデル。ノンデイト仕様の機械式ムーブメント、Cal.0200を搭載している。自動巻き（Cal.0200）。26石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約60時間。SSケース（直径40mm、厚さ10.9mm）。5気圧防水。世界限定160本。154万円（税込み）。
「CITIZEN」ブランド時計の100周年記念モデルのひとつとして発表された世界160本の数量限定モデル。本作は2021年に登場した新開発の機械式自動巻きムーブメント、Cal.0200を搭載している。
電気鋳造によるパターンが施されたダイアルは氷山をモチーフとしており、シルバーダイアルの中に、繊細なパターンが陰影を作り出す。同じく氷山にインスパイアされたのが、18Kホワイトゴールド製のベゼルだ。柔らかな輝きがダイアルを引き立てる。
ケースはステンレススティール製。レザーストラップへとシームレスにつながる、現行のメカニカルモデルに共通するデザインだ。レザーストラップは、革の黒ダイヤとも称される姫路黒桟革製。牛革のシボに手作業で漆を塗り重ねることで、独特の質感を与えている。
スモールセコンドを前提としたシンプルな輪列を持つCal.0200は、グループ傘下のラ・ジュー・ペレとの協力によって開発されたムーブメントだ。ケースバックからは、限定モデルのみに搭載される22Kゴールド製ローターを鑑賞することができる。
「メカニカルモデル Caliber 0210」Ref.NC1000-51E
日付表示機能や10気圧防水、ステンレススティールブレスレットなど、日常使いに適した仕様を備えたレギュラーモデル。ブレスレット一体型のケースデザインが洗練された印象をもたらす。自動巻き（Cal.0210）。26石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約60時間。SSケース（直径40mm、厚さ11.2mm）。10気圧防水。88万円（税込み）。
現在、レギュラーモデルとしてラインナップしているザ・シチズンのメカニカルモデル。Cal.0200をベースに日付表示機能を加えたCal.0210を搭載している。電気鋳造によって施された砂地のようなパターンのブラックダイアルを採用し、スモールセコンドにはサンレイ仕上げを加えることでアクセントを利かせている。すでに生産終了となったCal.0200のレギュラーモデルに対し、単に日付表示機能を付加しただけではなく、さらにインデックスのサイズやスモールセコンドの数字を見直すなど、細部のバランスが一新されている。
ケースのデザインもCal.0200と基本的に同じだが、わずかに厚みを増やし、防水性を5気圧から10気圧へと向上させている。日常使いしやすいステンレススティールブレスレットは、強めのヘアライン仕上げを主体としており、腕を動かすたびに煌めく。
シースルーバックを採用しているため、ムーブメントをケースバックから鑑賞することが可能だ。ローターやテンプの動き、受けに施されたヘアラインや面取りなど、隅々まで楽しむことができる。
「高精度年差±5秒 エコ・ドライブモデル Iconic Nature Collection」Ref.AQ4106-18X
朧月をテーマとした幻想的なカラーリングが魅力のエコ・ドライブモデル。デュラテクトDLCを施したケースや茶利八方革のストラップが、闇夜を想起させる。光発電クォーツ。フル充電時約1.5年駆動（パワーセーブ時）。スーパーチタニウムケース（直径38.3mm、厚さ12.2mm）。10気圧防水。世界限定350本。42万9000円（税込み）。
Iconic Nature Collectionにラインナップする数量限定モデル。このコレクションは、移ろいゆく自然の景物の一瞬を閉じ込めた和紙ダイアルを特徴としている。本作では、暗闇の空に霞んで浮かぶ朧月をテーマに、その月明りを表現している。
月は、古くから詩歌や絵画などの題材にも取り上げられてきた存在だ。本作では、和紙の一種である典具帖紙（てんぐじょうし）に対し、エ霞文（えがすみもん）や茶色のグラデーションを施すことによって、ぼんやりとした神秘的な朧月を表している。インデックスや針、6時位置のイーグルマークなどはゴールドカラーで統一されている。
ケースは、チタンにデュラテクトDLCを施したスーパーチタニウム製。ブラックカラーが、静まり返った闇夜を想起させる。
立体的なシボと柔らかな質感を特徴とするレザーストラップは、植物タンニンでなめされたヤギ革、茶利八方革を用いたものである。
定期的な電池交換が不要なエコ・ドライブや年差±5秒の高精度、パーペチュアルカレンダーなど、機能性に優れたクォーツムーブメントを搭載している。
「高精度年差±5 秒 エコ・ドライブモデル」Ref.AQ4100-57M
雄々しいイーグルが大空を羽ばたいているような、ブライトブルーのダイアルが魅力の数量限定モデル。コンパクトなケースは、軽量かつ耐食性にも優れるスーパーチタニウム製。光発電クォーツ。フル充電時約1.5年駆動（パワーセーブ時）。スーパーチタニウムケース（直径38.3mm、厚さ12.2mm）。10気圧防水。世界限定250本。41万8000円（税込み）。
ザ・シチズンを象徴する意匠のひとつが、ダイアルに輝くイーグルマークだ。本作では、ブライトブルーカラーのダイアルを採用することで、雲ひとつない空にイーグルが羽ばたく様子を表現している。ダイアルに施されたパターンは、イーグルの羽を模したものである。このパターンが光を複雑に反射させ、まるで羽ばたいているかのような躍動感をもたらす。
ケースは、チタンをベースとしてデュラテクトプラチナを施したスーパーチタニウム製だ。一見してシンプルなデザインのケースだが、ラグを複数の面で構成することにより、シャープな印象に仕上げている。ブレスレットも、ケースと同じくスーパーチタニウム製。ケースとブレスレットは、ヘアラインを基調にポリッシュを加えることで、立体感のある仕上げとしている。
年差±5秒の高精度が自慢のクォーツムーブメントを搭載。定期的な電池交換が必要ないエコ・ドライブや、2100年2月28日までカレンダーを修正する必要がないパーペチュアルカレンダーなど、ユーザーフレンドリーな仕様を持つ。
