オークション、家族の目、終活……くたびれた40代のオジサンたちが好きな時計とは? 酒を飲んだくれながらぶっちゃける!

2024.12.28

時計専門誌『クロノス日本版』の編集長・広田雅将が時計好きのためにスナックをオープン! お客さん第1号は、責任世代であり、家族を養いながら時計蒐集を趣味にしている40代のくたびれた(?)おじさんたち。彼らは限られたお小遣いで、どうやって時計趣味を楽しんでいるのだろうか? そのリアルな声に迫る。

千駄木雄大:文
Text by Yudai Sendagi
[2024年12月28日掲載記事]


くたびれた40代のオジサンたちの時計趣味事情

 眠らない街・歌舞伎町のとあるスナックで、『クロノス日本版』およびwebChronosの編集長・広田雅将が、40代の時計愛好家を集めて宴を開催。テーマは「自分の限られた範囲で時計を楽しむ醍醐味とそのお金のやりくり」だ。

 この日集まったのは、零細企業の社長・オノさん、新橋の会社員・アベさん、そしてSE(システムエンジニア)のダイサクさんの3人。それぞれ、仕事に一生懸命なだけではなく、結婚して子育てもしている40代である。

 職種だけではなく、今年購入した時計もブランパン×スウォッチの「バイオセラミック スキューバ フィフティ ファゾムス」や「Apple Watch Ultra」、“チープカシオ”と嗜好はバラバラな3人だが、無類の時計好きには変わりない。広田を含めた4人でグラスを傾けながら、時計談義に花を咲かせた。

ディレクション:千駄木雄大
撮影・編集:細田雄人(本誌)

 広田の「趣味と実生活をどうやって両立させているか?」という問い掛けから始まり、時計に費やせる金額、ネットオークションを駆使した時計蒐集、好きなブランドなど、あらゆる方向に話は展開していく。

 特に盛り上がったのは「妻に怒られないように時計を買う方法」について。オノさんは「文句を言われないように(購入したことを)言わなければいい」と主張。さらに「『全部カシオだ』と言い切ればいい。『珍しいGショックだ』と言う」と、自らが考える言い訳を述べた。

 その意見に対してアベさんは「気付かれなければいい」と共感し、チープカシオが好きなダイサクさんは「カシオは(バレにくいから)いいよ」と続ける。しかし、結局は「いい時計は箱がデカいから隠し通せない」ということに気付いてしまった。

 ダイサクさんは「古い時計を自ら修復してネットオークションに流している人物」がいることを3人に紹介。その人物のXのアカウントをフォローして、常に動向をチェックしていることを明かした。

 アベさんはネットオークションではなく、リアルで行われているオークションに足を運んだことがあるという。クリックひとつで完結するネットオークションと異なり、実際に挙手をする落札に躊躇してしまい、お目当ての品を購入することができなかったそうだ。

 そして、後半では「時計趣味を続けている理由」について広田が言及。「機械が好きだから」(アベさん)、「ファッションアイテムとして使いたい」(ダイサクさん)、「時計は身に着けられる美術品」(オノさん)と、それぞれが時計を愛する理由を語ってくれた。


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