「孤独のグルメ」はドラマから発展して、現在公開中の映画も興行成績10億円を突破するヒット作となっている。そのような中で、井之頭五郎を演じる主演の松重豊が大塚ローテックの時計を着用しているSNS投稿を発見した。
Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
[2025年3月23日掲載記事]
松重豊が大塚ローテックを愛用⁉
松重豊自身の公式Xに、大塚ローテックの「6号」と思われる時計を着用している画像があった。ヨウジヤマモトのコレクションモデルを務めるなど、ファッションセンスにも定評がある松重豊は、どうやら隠れた時計好きのようだ。
テレ東番宣枠で「モヤさま」は最も出たい番組だったのに叶わず、本日WBSでおふたりに会う。堅い話より街ブラが良かったなぁ。 pic.twitter.com/PFTi1UcZmo
— 松重 豊 (@mattige19) December 29, 2024
他にもInstagramに投稿された動画に、「7.5号」を着用しながらプリンを食べている様子も確認でき、松重豊は大塚ローテックの時計にハマっているのではないかと推測できる。
松重豊がハマっている⁉ 大塚ローテックとは
カーデザイナーやプロダクトデザイナーとして活動した経験を活かし、独学で時計製造を学んだ片山次朗が2012年に創業したのが「大塚ローテック」である。インスピレーションの源となるのは、様々なモノが持つフォルムやディテール、質感だ。そのモノを触ったり、見たりと、対話するなかでデザインのヒントが得られ、それらが造形へと変わっていく。自分自身が欲しいと思う時計をデザインしている、という片山次朗の作品は、多くの愛好家の心をつかんでいる。
販売は公式ECサイト上を通じて行われる。定価で購入するには、抽選に当選しなくてはならないため非常に入手困難となっており、2024年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリのチャレンジ部門にてグランプリを獲得した「6号」はボナムズ香港ウォッチオークションにおいて約391万円で落札された実績がある。
独立系ブランドとして海外からも既に注目が高まっている大塚ローテックの時計には、産業用機械のメーターや銘板を思わせる質実剛健な日本のものづくりの良き伝統が息づいている。
レトログラード機構で時針と分針を表示する「6号」はアナログ的な雰囲気を持ち合わせながらも、産業用機械の頼もしさが感じられる。「大塚ローテック製」「日常生活防水」と日本語表記がされていることも海外コレクターにはデザイン要素としての面白さを与えるのではないだろうか。

自動巻き(Cal.MIYOTA9015+自社製ジャンピングアワーモジュール)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径42.6mm、厚さ11.8mm)。44万円(税込み)。Contact info: 大塚ローテック https://otsukalotec.base.shop/
科学・技術史資料として国立科学博物館にも収蔵されている「7.5号」。そのユニークな見た目だけでなく、技術的価値が認められたことの証である。また本作はスイスの国際時計博物館にも収蔵されている。2020年に生み出されたジャンピングアワー搭載モデルを2023年に刷新したものが「7.5号」だ。

自動巻き(Cal.MIYOTA82S5+自社製ジャンピングアワーモジュール)。24石。2万1600振動スラッシュ時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.2mm)。日常生活防水。35万2000円(税込み)。https://otsukalotec.base.shop/
劇映画「孤独のグルメ」が大ヒット
「孤独のグルメ」の中で、ほとんど一人芝居的な主人公を演じているのが松重豊である。これまで舞台俳優として活躍、名バイプレイヤーというイメージがある演技力が魅力の俳優だ。
松重にとって「孤独のグルメ」はテレビドラマ初主演作品である。ドラマ化にあたり原作者の久住は「漫画とドラマは別のもの」として、漫画版の井之頭五郎とはあえて似ていない人間を選びたいと考えていたことと、候補者の中でもロケ弁を抜群に美味しそうに食べるという理由から松重豊を推していたとインタビューで語っている。
2025年1月から公開されている劇映画「孤独のグルメ」は興行収入が10億円を突破するなど、公開後の評価も高い。2025年新春には話題性の高い映画がほかにも公開されていたが、筆者が封切り間もない時期に映画館へ足を運んだ際も、ほぼ満席状態だった。台湾や韓国でも人気作品となっていることから、続編をぜひとも期待したい。
最新版で井之頭五郎が愛用するのはタグ・ホイヤー「カレラ クロノグラフ」
劇中ではタグ・ホイヤーの時計を愛用する松重豊が演じる井之頭五郎。輸入雑貨商を営むという設定などから、選ぶ時計にも個性が感じられる。エレガントでありながら高い耐久性を持つこのモデルは、井之頭五郎の腕にしっくりと馴染んで見える。
あらゆる角度からの視認性を確保するために、ダイアルは両面反射防止加工と面取りを施したドーム型サファイアクリスタルで保護されている。42mmのステンレススティール製ケースにはポリッシュ・サテン仕上げが施され、光が反射するコントラストの美しさが秀逸だ。

自動巻き。(Cal.ホイヤー02)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径42.0mm)10気圧防水。85万2500円(税込み)。(問)LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7030。
プライベートではロレックス「サブマリーナーデイト」も愛用
今夜も #Osteoleuco(オステオロイコ)が
ご来店ヨーロッパツアーのこと
Keisukeさんのネオヒッピー暮らし
Shimonさんの調香師のお仕事etcマスターもふたりに興味津々!!!
生演奏もありますhttps://t.co/fUuBqliOFi#radiko pic.twitter.com/DFzxNHtHl5
— 【公式】松重豊 FMヨコハマ「深夜の音楽食堂」 (@FM847yashoku) August 1, 2023
さらに松重豊がプライベートで愛用していると思われるのがロレックスの「サブマリーナーデイト」である。サブマリーナーの系譜の中で日常に使いやすいデイト表示付きで、高い実用性と完成されたデザインを持つ時計だ。

画像はRef.126610LNであり参考用。自動巻き(Cal.3135)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径40mm)300m防水。
映画監督をめざしていたこともあり、カメラもフィルム派だという松重豊。なるほど、大塚ローテックの時計には、どこかフィルムカメラっぽいレトロな雰囲気も感じられる。人気俳優としてのキャリアを築き、メカニカルなものを楽しむ余裕が生まれ、松重豊はいま、機械式時計に夢中になっているのではないだろうか。