シチズン プロマスターより、「MARINE」シリーズを紹介する。多種多様なダイバーズウォッチがラインナップするMARINEは、用途や好みに合わせたモデルをチョイスできる懐の深いシリーズだ。いずれのモデルもダイバーズウォッチの仕様を規定するISO 6425に適合しており、ダイビングにも安心して使用することができる。
Text by Tsubasa Nojima
[2025年1月14日公開記事]
シチズンの誇るプロフェッショナルスポーツウオッチ、プロマスター
日本を代表する時計メーカーのひとつ、シチズン。1989年に誕生した同社のプロフェッショナルスポーツウォッチブランドが、プロマスターだ。「MARINE」「LAND」「SKY」の3つのシリーズを展開し、過酷な環境に耐え抜くタフなモデルをラインナップさせている。
今回取り上げるMARINEは、多種多様なダイバーズウォッチがそろうシリーズだ。飽和潜水にも対応するプロフェッショナルダイバー用のモデルや、タウンユースにも使いやすいファッショナブルなモデルまで、幅広い用途に合わせたバリエーションが用意されている。駆動方式では、シチズンを象徴する光発電エコ・ドライブや、本格的な機械式ムーブメントを搭載したものが存在する。それぞれの特徴を踏まえつつ、MARINEシリーズを代表するモデルたちを紹介していこう。
「メカニカルダイバー200m」Ref.NB6025-59H
シチズンのダイバーズウォッチの信頼性を世に知らしめた「チャレンジダイバー」のデザインを継承するモデル。グレーからブラックへとグラデーションするダイアルが、ダークトーンなカラーリングに個性を添える。自動巻き(Cal.9051)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。スーパーチタニウムケース(直径41mm、厚さ12.3mm)。200m防水。18万1500円(税込み)。
シチズンのダイバーズウォッチにおける伝説的な逸話を生み出した、「チャレンジダイバー」のデザインを受け継いだモデル。チャレンジダイバーは、1977年に発売された機械式自動巻きダイバーズウォッチだ。1983年、オーストラリアのロングリーフビーチでフジツボに覆われた個体が発見されたことにより、長期間海中にさらされていたであろうにもかかわらず運針を続けられるほどの信頼性を世に知らしめた。
オリジナルをモチーフとしたインデックスと針、すっきりとしたケースデザインは、ダイバーズウォッチとしての実用性を備えつつも、タウンユースにもふさわしい。ケースの素材は、チタンをベースに表面硬化処理であるデュラテクトDLCを施したスーパーチタニウム。軽量かつ耐食性に優れ、さらに傷にも強い。ねじ込み式リュウズを備え、200mの防水性を達成している。
ムーブメントは、機械式自動巻きのCal.9051を搭載する。1万6000A/mの耐磁性を備えているため、電子機器が身近な現代のライフスタイルでも心強い。
「エコ・ドライブ ダイバー200m」Ref.BN0165-55L
爽やかなアイスブルーダイアルが際立つモデル。ファッショナブルなカラーリングでありながら、インデックスの蓄光塗料をグリーンとすることでコントラストを高めるなど、実用性も十分に確保されている。光発電クォーツ。フル充電時約6カ月駆動。SSケース(直径44mm、厚さ11.5mm)。200m防水。5万1700円(税込み)。
氷河や氷山を想起させる、アイスブルーのダイアルが特徴の1本。ダイバーズウォッチではブラックが多用されることが多いが、本作ではシルバーとアイスブルーをメインとすることで、爽やかに仕上げている。
ステンレススティール製のケースは直径44mmと大ぶりだが、ラグを短くすることで腕なじみにも配慮されている。リュウズを4時位置に配することで、着用時に手首に干渉しにくくしている点にも注目だ。ダブルロック式のクラスプを備えたステンレススティール製のブレスレットが装着されている。
ムーブメントは、光発電エコ・ドライブを搭載したクォーツ式。機械式に比べて高い精度を発揮することに加え、定期的な電池交換をすることなく使い続けることができる手軽さも魅力だ。光発電クォーツでは、ダイアルを通して光を取り込むことが一般的であるため、ダイアルのデザインに制約が生じる。そのような中にあって、鮮やかな発色のアイスブルーダイアルを実現した本作は、光発電技術を磨き上げてきたシチズンらしさを味わえるモデルと言えるだろう。
「エコ・ドライブ ダイバー200m」Ref.BN0231-01L
オルカ(シャチ)をモチーフとしたデザインを持つダイバーズウォッチ。水中を泳ぐシャチのような流線形のフォルムが印象的。光発電クォーツ。フル充電時約6カ月駆動。SSケース(直径46mm、厚さ14.6mm)。200m防水。6万6000円(税込み)。
日本語でシャチを意味する“オルカ”と呼び親しまれている、ユニークなデザインのダイバーズウォッチ。ステンレススティール製のケースの裏蓋には泳ぐシャツの姿が配されている。ケースとストラップが一体化した、流れるようなラインを特徴としており、2022年度のグッドデザイン賞を受賞したことでも知られているモデルだ。
インデックスは半円状。大型のものと小型のものを交互に組み合わせることで、躍動感あるデザインに仕上げている。太い時針とオレンジに彩られた分針は、瞬時の時刻の読み取りを可能とする。逆回転防止ベゼルに取り付けられたインサートは鮮やかなブルー。大型の目盛りが目を引くデザインだ。
ウレタン製のストラップは、一見してフラットだが中央に若干の隆起が見られる。これは、シャチが水面に上がった際の背中をモチーフとしたものだ。
光発電エコ・ドライブを搭載したクォーツムーブメントを採用しており、使い勝手にも優れる。フル充電時には、約6カ月駆動することができる。
「エコ・ドライブ ダイバー200m」Ref.EO2020-08E
コンパクトなサイズながら、本格的な200m防水を備えたダイバーズウォッチ。リーズナブルな価格設定であることも魅力のひとつ。光発電クォーツ。フル充電時約6カ月駆動。SSケース(直径36.5mm、厚さ11.6mm)。200m防水。4万7300円(税込み)。
直径36.5mmのコンパクトなサイズ感が魅力の本格ダイバーズウォッチ。男女問わず着用しやすいため、シェアウォッチとしても活躍してくれることだろう。ブラックのダイアルにホワイトの蓄光塗料を充填したインデックスが並び、視認性は抜群。インデックスの形状にドット型とホームベース型を使い分けることで、判読性も高い。分針はオレンジ色の縁取りが施され、潜水時の経過時間を簡単に把握することが可能だ。4時位置にはデイト表示が配され、利便性を高めている。
ステンレススティール製のケースには、逆回転防止機構が備わったベゼルが組み合わされ、4時位置にリュウズが配されている。ウレタン製のストラップは、海中でのハードな使用に耐えうるだけでなく、タウンユースでの軽快な着用感も実現してくれる。
ムーブメントは、エコ・ドライブを搭載したクォーツ式。一般的な機械式ムーブメントに比べて薄いため、200m防水を備えながらもケースの厚さは11.6mmに抑えられている。
「エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー1000m」Ref.BN7020-09E
シチズンの技術力が詰まった、1000mの深度に耐えるダイバーズウォッチ。ヘリウム原子を侵入させないほどの高い精度で組み上げられており、飽和潜水にも対応する。なお実証実験においては、水深1000mを超える深度でも正常な駆動が確認されたという。光発電クォーツ。フル充電時約1.5年駆動。スーパーチタニウムケース(直径52.5mm、厚さ22.2mm)。1000m防水。33万円(税込み)。
アナログ式の光発電腕時計として、世界で初めて1000m飽和潜水に対応したプロフェッショナル向けのダイバーズウォッチ。厚さ22.2mmというボリューミーなチタン製ケースをまとった、迫力のあるデザインが特徴だ。この形状は巻貝をモチーフとしたものである。
ダイバーズウォッチに求められる高い視認性を確保しているのが、幅広のインデックスが並ぶダイアルだ。蓄光塗料によって、暗い海中であってもしっかりと時刻を読み取ることが可能。針ずれの防止や自動補正の機能も搭載され、強い衝撃が加わっても正しい時刻を示し続けることができる。9時位置には二次電池の充電残量を表示するインジケーターが配されているため、気付かぬうちに止まってしまうということも起こりにくい。
潜水時間を計測するための逆回転防止ベゼルは、外周に大型の突起を与えることで、グリップしやすい形状に仕上げている。それだけではなく、ベゼルの下に配されたパーツをスライドさせることで、ベゼルの回転をロックすることが可能だ。ダイバーの安全性を第一に考えた、プロフェッショナルツールとしての機能美にあふれた1本である。