2022年に登場した「ムーンスウォッチ」。2024年には定番、限定問わずさまざまなバリエーションのモデルが登場し、コレクションはますます拡大を続けている。そんなムーンスウォッチのランキングを、『ウォッチタイム』ドイツ版編集長、ダニエラ・プッシュが作成した。2024年発表モデルを、この記事で振り返ろう。
2024年に発表された「ムーンスウォッチ」ランキング
スウォッチとオメガのコラボレーションであるバイオセラミック製「ムーンスウォッチ」は、時計の世界に長く続く足跡を残し、これまでにない反響を得た。このアイコニックなモデルはスウォッチとオメガの市場を活性化しただけでなく、腕時計そのものを一般の人々の目を向けることに成功したのだ。
2022年3月の発表以来、11のカラフルなカラーバリエーション、もしくはミッション(ひとつのカラーが太陽系惑星と月、冥王星、そして太陽と対応している)から始まったコレクションは現在も拡大中だ。限定モデル、定番モデル等その売り出し方も多彩である。
このランキングでは、デザイン、革新性、技術的な洗練、各モデルの文化的な影響力という観点から、現代の時計製作を再定義まで果たしたムーンスウォッチのコレクションを振り返っていこう。
【7位】「ムーンスウォッチ ミッション オン アース ラバ」
2024年6月に3種発表された「ミッション オン アース」コレクションのうちのひとつ。宇宙的な視点から、地球の自然を象徴的に表現したコレクションである。
火山と溶岩流にインスパイアされた激しい印象を覚えるクロノグラフは、ダークオレンジのバイオセラミック製の直径42mmもケースとブラックのベロクロストラップ、そして蓄光塗料によるディティールが魅力的なモデルだ。
アイコニックなオメガの「スピードマスター “ウルトラマン” リミテッド エディション」や、「スピードマスター アラスカプロジェクト」の意匠を反映したと思わせるモデルでもあるのだ。
コレクションのすべてのモデルは、オメガxスウォッチのブランディング、「スピードマスター」とムーンスウォッチのロゴ、バイオ製素材の風防、蓄光塗料の塗布、くぼんだサブダイアルが配された文字盤を備えたものだ。
クォーツ。バイオセラミックケース(直径42mm、厚さ13.25mm)。30m防水。4万700円(税込み)。
【6位】「ムーンスウォッチ ミッション オン アース ポーラーライツ」
ミッション オン アースコレクションの2本目。ターコイズカラーのこの腕時計は、地球上の北方できらめく光を表現するクロノグラフだ。そのディープブルーの文字盤は、アヴェンチュリンをイメージしたシルバーカラーの粒子がかがやいている。その表情はひとつとして同じものはない。ターコイズの針はこの文字盤上において、印象的なコントラストを作り上げ、デザイン上のよいチャームポイントとなっているだろう。
クォーツ。バイオセラミックケース(直径42mm、厚さ13.25mm)。30m防水。4万700円(税込み)。
【5位】「ムーンスウォッチ ミッション オン アース デザート」
ミッション オン アースコレクション最後の3本目は、地球の表面の約5分の1を占める、果てしなく広がる砂漠にインスパイアされたものだ。さりげないグレーベージュトーンはこの腕時計全体をよく調和している。ミッション オン アースコレクションはどれも4万700円(税込み)だ。
クォーツ。バイオセラミックケース(直径42mm、厚さ13.25mm)。30m防水。4万700円(税込み)。
【4位】「ムーンスウォッチ ミッション トゥ スーパー ブルー ムーンフェイズ」
夏季と2024年8月19日のブルームーンを祝って製作されたモデル。ブルーのバイオセラミックス製のケースは、ブルーのステッチがほどこされた同色系のベロクロスストラップによって補完されている。なお、ストラップの遊環も、同じくブルーのバイオセラミックス製だ。
文字盤はブルーカラーとシルバーオパーリンの“パンダ”仕様であり、針はブルー、アワーインデックスはスカイブルーである。
ハイライトはブルーのバイオセラミック製ベゼル上のパルスメーターで、ムーンスウォッチの中では唯一となる。ふたつの大きな月は、2時位置のサブダイアルにあるダークブルーのディスク上で回転し、月の一部のディテールは紫外線下で発光するのだ。バッテリーカバーはブルーの濃淡で表現された月があしらわれたものである。2024年8月1日から8月20日までのあいだに、4万6200円(税込み)で販売されていた。
クォーツ。バイオセラミックケース(直径42mm、厚さ13.75mm)。販売終了。
【3位】「ムーンスウォッチ ミッション トゥ ザ ムーンフェイズ ニュームーン」
スヌーピーとのコラボレーションモデルの新作である「ミッション トゥ ザ ムーンフェイズ ニュームーン」は、ケースも文字盤もストラップも、ブラックを採用した印象的なデザインである。クロノグラフ秒針、サブダイアル中の針、タキメータースケールはホワイトカラーであり、文字盤とのあいだにコントラストを生み出すよいアクセントだ。
2時位置のムーンフェイズは、NASAのマスコットにも採用された、スヌーピーのイラストが配されたもの。紫外線を当てると、漫画『ピーナッツ』からより抜いた、スヌーピーのセリフが表示される仕掛けが施されている。この腕時計のチャームポイントといえるだろう。
クォーツ。バイオセラミックス(直径42mm、厚さ13.75mm)。4万6200円(税込み)。
【2位】「ムーンスウォッチ ミッション トゥ ムーンフェイズ フルムーン」
スヌーピーとのコラボレーションモデルに関するうわさや“匂わせ”は、発表の数ヶ月前からわき起こっていた。そして2024年3月に「ミッション トゥ ムーンフェイズ フルムーン」が発表されるやいなや、一大センセーションを巻き起こした。限定モデルではない、このピュアホワイトの腕時計は、その外観で多くの人を魅了。ホワイト文字盤に対するブラックの針やタキメータースケールとのコントラスト、バイオセラミックス製のケース、リュウズ、プッシャー、そしてホワイトのベロクロストラップが、この腕時計のデザインを個性的なものとしているのだ。
オールブラックのモデルと同様、2時位置のスヌーピーが配されたムーンフェイズは、この腕時計のハイライトである。紫外線をあてるとスヌーピーのセリフが浮かび上がる仕掛けも同様だ。
クォーツ。バイオセラミックケース(直径42mm、厚さ13.75mm)。4万6200円(税込み)。
【1位】「ムーンスウォッチ ミッション トゥ アースフェイズ」
2025年最後にリリースされたこのモデルは、粒状の質感でグレーカラーの月面を思わせる文字盤が印象的な腕時計である。エレガントな印象のブラックのベゼルは、ライトグレーでマーキングがされたタキメータースケールが、そのデザインを補完している。特に際立つのは、2時位置にあるふたつの月による、ムーンフェイズ。そして9時位置にあるアースフェイズだ。
クォーツ。バイオセラミックケース(直径42mm、厚さ13.25mm)。3気圧防水。4万7300円(税込み)。