いち早く2025年の新作発表が行われている、LVMH ウォッチ ウィーク。ウブロからはインパクト抜群の、同社の革新性を表すアヴァンギャルドな新作モデルが打ち出された。
2025年ウブロ新作①「ビッグ・バン メカ-10」
ウブロが2016年に発表した「ビッグ・バン メカ-10」。10年を経ようとする2025年の今年、ウブロはこの傑作のムーブメントを最適化し、コンパクトな直径42mmケースにキングゴールド、チタン、フロステッドカーボンを組み合わせた新たなる「メカ-10」をリリースした。
手巻き(Cal.HUB1201)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約10日間。18Kキングゴールドケース(直径42mm、厚さ13.9mm)。100m防水。586万3000円(税込み)。
手巻き(Cal.HUB1201)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約10日間。Tiケース(直径42mm、厚さ13.9mm)。100m防水。315万7000円(税込み)。
手巻き(Cal.HUB1201)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約10日間。カーボンブラックケース(直径42mm、厚さ13.9mm)。100m防水。376万2000円(税込み)。
2016年に発表されたオリジナルの「メカ-10」は、リング状のベースプレートにブリッジを取り付けるというユニークなフォルムで、それまでの時計業界における常識を覆したと言える。この革新によって、視覚的な魅力と構造的な完全性が実現。そして今年、ウブロはスケルトナイズした手巻きムーブメントのユニークなテイストを、洗練された仕上げと装飾で格上げされた特徴的な構造を維持しながら、さらに改良されたオープンで一貫性のあるディスプレイで再現したのだ。
ウブロの挑戦
ウブロのエンジニアと時計職人にとって、「メカ-10」の独創性を維持しながら、その性能を損なうことなく「ビッグ・バン」の径42mmのケースに収まるようサイズを縮小することが課題だった。
数々の進化を遂げた新型「メカ-10」は、地板に取り付けられた 3つの直線的なブリッジで構成され、先代モデルとは明らかに異なっている。ブリッジはサテン仕上げの表面と手作業で磨き上げられた面取りで装飾され、この前衛的で珍しいムーブメントを、オートオルロジュリーとしての存在を一層高めている。キングゴールド、チタニウム、フロステッドカーボンの 3つの異なるバージョンでは、ムーブメントがそれぞれ 18Kゴールド、メタリックグレー、ブラックのケースに合わせてガルバニック仕上げでカラーリングされている。
特徴的なパワーリザーブ表示
その名の通り、「メカ-10」は約10日間という驚異的なパワーリザーブを備えている。しかし、このモデルを際立たせているのはパワーリザーブの表示形式にもある。
ふたつの主ゼンマイ香箱によって駆動するムーブメントのエネルギーレベルは、パワーリザーブの残日数を示すデジタル表示によって読み取ることができる。これらの表示は、機械式時計ではめったに見られない「クレマイユ」と呼ばれるラックシステムによって駆動され、直線的に動く歯車と円形の歯車が噛み合っている。
この機構を詳しく見てみると、見た目以上に繊細なメカニズムであることが理解できる。ふたつの円盤が重なり合って反対方向に回転し、香箱バネのように中心で巻き上がる渦巻きバネによって接続されている。その結果、直感的に読み取ることのできる、非常に驚くべき差動表示が実現した。実際のところ、「メカ-10」のパワーリザーブは10日間を超えるが、その表示は、クロノメーターとして最適な性能の範囲である10日間を上限としており、その精度の高さを証明している。この新しい、独創的な手巻き機構は、パワーリザーブ表示と香箱ゼンマイの最適な巻き上げレベルとの完璧な同期を保証する。
ムーブメントCal.HUB1201
テンプはムーブメントのダイアル側に配置され、全体が見えるようになっている。それにより、表示面に絶え間ない動きを与えるだけでなく、特許取得済のウブロ独自の微調整機構を際立たせている。調速機構には、潤滑油フリーのシリコン製ガンギ車が採用されています。正確な時刻合わせのために、新しい「メカ-10」は秒停止機能を備えている。
人間工学に基づいたプロポーション
「ビッグ・バン メカ-10」の 42mm径ケースは、人間工学に基づいたプロポーションを持ちながら、親しみやすいシルエットを維持している。キングゴールドとチタニウムのバージョンには、「ビッグ・バン」の特徴である、サテン仕上げのとポリッシュ仕上げの面取りが施されている。フロステッドカーボンのモデルは、「ビッグ・バン」で初めてコアコレクションに加わった。何層にも重ねたカーボンファイバーシートとは異なり、フロステッドカーボンには決まったパターンがないため、ひとつひとつのケースの柄が異なるユニークな外観となっている。
また、「ビッグ・バン メカ-10」42mm には、特許取得済の「ワンクリック」システムがケースに組み込まれており、ストラップを簡単に交換することが可能だ。
ウブロ2025年新作②「ビッグ・バン トゥールビヨン オートマティック グリーン SAXEM」
画期的な素材革新のパイオニアでもあるウブロとそのマニュファクチュールの冶金&素材研究所は、サファイアクリスタルなどの透明な素材に関する複雑な技術をマスターしてきた。常に新たな創造性を追求するウブロは、サファイアに似た素材でありながら、より高い輝度と色彩の可能性を持つ SAXEM (サクセム)を採用した最初で唯一の時計ブランドとなっている。今回、ウブロが発表する「ビッグ・バン トゥール ビヨン オートマティック グリーン SAXEM」は、濃いエメラルドグリーンのトランスペアレントケースと自動巻きトゥールビヨンムーブメントを組み合わせた、世界でわずか18本のリミテッドエディションである。
自動巻き(Cal.HUB6035)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。グリーンSAXEMケース(直径44mm、厚さ14.4mm)。スモーク ブラック サファイアクリスタルのダイアル。30m防水。世界限定18本。3164万7000円(税込み)。
SAXEMとは、硬度や透明度など、サファイアクリスタルと同じ特性を多く持つが、分子レベルでは異なっている。どちらも酸化アルミニウム製だが、SAXEMは希土類元素と結合している。また、サファイアは三方晶(3面体)であるのに対し、SAXEM は立方晶(4面体)であるため、構造的にも異なっている。この微妙でありながら重要な違いにより、SAXEMは強い色を帯び、貴石のように燦然と輝くのだ。
鮮やかでクリスタルのようなグリーンのSAXEMケースに収められた、ウブロの自動巻きトゥールビヨンCal.HUB6035は、完全に自社内で開発・製造されたものだ。現代的な構造で、22Kゴールド製マイクロローターが、ムーブメントのダイアル側に配置されている。また、セラミックス製ボールベアリングを採用し、スムーズで効率的な巻き上げを実現していることも特筆すべき点だ。
パワーリザーブは約72時間、高精度を保つパワーリザーブを備えている。12時位置のマイクロローターの運動性は、6時位置の60秒トゥールビヨンキャリッジによって補われている。香箱受け、自動巻きの歯車受け、トゥールビヨン バレットの 3 つの機能的なサファイア製部品が、この開放的な構造を際立たせている。「ビッグ・バン トゥールビヨン オートマティック グリーン SAXEM」では、ダイアルはさらに濃く着色されている。
オープンダイアルから見えるムーブメント本体は、ブラックを基調とした仕上げで、SAXEM製ケースとのコントラストをより際立たせ、リュウズともマッチしている。視認性を高めるため、「ビッグ・バン」の特徴であるアラビア数字とバトンインデックスには、スーパールミノバを用いた鮮やかなグリーンのペイントが施され、針も同様の仕上げが採用された。サンドブラスト加工と手作業によるポリッシュ仕上げの面取り、サンレイ仕上げが、このモダンでユニークな時計を、真のオートオルロジュリーへと昇華させている。
ケースにマッチする完璧な仕上げとして、「ビッグ・バン トゥールビヨン オートマティック グリーン SAXEM」は、シースルーのグリーンラバーストラップと、ブラックのフォールディングクラスプを備えている。
ウブロ2025年新作③「スピリット オブ ビッグ・バン クロノグラフ」
ウブロは発表から12年目を迎えた特別なコレクション「スピリット オブ ビッグ・バン クロノグラフ」に、これまで「ビッグ・バン」のみで展開していた3つのカラーセラミックスを素材に採用したモデルを、新たに追加した。サンドベージュ、ダークグリーン、スカイブルーの3色で、それぞれ世界限定200本だ。カラフルでアレルギーを起こしにくく、軽量で耐傷性を備え、さらに男女問わずに使える魅力を持つ3本の新作は、最先端の素材や、これまでにない色調のセラミックウォッチの開発における、ウブロの比類なき実力を証明している。
自動巻き(Cal.HUB4700)。31石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約50時間。ベージュセラミックケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。100m防水。世界限定200本。376万2000円(税込み)。
自動巻き(Cal.HUB4700)。31石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約50時間。スカイブルーセラミックケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。100m防水。世界限定200本。376万2000円(税込み)。
自動巻き(Cal.HUB4700)。31石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約50時間。ダークグリーンセラミックケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。100m防水。世界限定200本。376万2000円(税込み)。
スピリット オブ ビッグ・バン クロノグラフ」のダイアルは、アワーマーカー、クロノグラフカウンター、針がそれぞれのカラーセラミックケースと同色になっている。ストラップはブラックラバーをベースに、中央にカラーインレイが施されており、セラミックケースの色とパーフェクトにコーディネートされている。
エル・プリメロをモダナイズしたCal.HUB4700にも注目したい
「スピリット オブ ビッグ・バン クロノグラフ」は、自動巻きクロノグラフムーブメントCal.HUB4700を搭載している。このムーブメントは、世界初の自動巻きクロノグラフムーブメントのひとつとして歴史と高い評価を持つ、エル・プリメロをモダナイズしたものだ。オープンダイアルとサファイアケースバックの両面から見ることのできるこのムーブメントは、1969年製のオリジナルと比較して、摩擦の少ないシリコン製ガンギ車など、いくつかの技術的革新と、進化が見られる。
注目すべき腕時計のディテール
ウブロ2025年新作④「スピリット オブ ビッグ・バン イヤー オブ スネーク」
知恵、魅力、変身を象徴するスネークは、干支の動物の中でも特別な存在だ。2016年以来、ウブロはチャイニーズ・ニューイヤーを祝うために、「スピリット オブ ビッグ・バン」の芸術的な特別モデルを発表してきた。そして2025年、象徴的な動物を現代的かつ意外な方法で再解釈し、文字盤からケース、そしてストラップにまでスネークをあしらった世界限定88 本の「スピリット オブ ビッグ・バン イヤー オブ スネーク」が誕生した。
自動巻き(Cal.HUB4700)。31石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約50時間。ブラックセラミックケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。100m防水。世界限定88本。481万8000円(税込み)。
トノー型のブラックセラミックス製ケースには、ウブロの特許取得済みストラップ交換システム「ワンクリック システム」が搭載され、その上にはスネークパターンがエングレービングされたセラミック製ベゼルが配されている。この模様はブラックのラバーストラップにも施されている。1枚のラバーから作られているにもかかわらず、革新的なエンボス加工と、わずかな輝きを放つ独特のベルベット仕上げが施されている。
「スピリット オブ ビッグ・バン イヤー オブ スネーク」は、ウブロの自動巻きスケルトン クロノグラフ キャリバー HUB4700 を搭載している。このキャリバーは、スイス初の高振動クロノグラフキャリバーとして歴史と高い評価を持つ、エル・プリメロをモダナイズしたものだ。オープンダイアルとサファイアケースバックの両面から見ることのできるこのムーブメントは、1969 年製のオリジナルと比較して、摩擦の少ないシリコン製ガンギ車など、いくつかの技術的革新と、進化が見られる。
「スピリット オブ ビッグ・バン イヤー オブ スネーク」は、世界限定88本。世界中のウブロブティックおよび正規販売店で販売される。