時計デザインの可能性を追求する。「あったらいいな、こんな腕時計!」を本気で創ってみた。セイコーのデザイナーたちが、夢の時計作りに取り組む恒例の「パワーデザインプロジェクト」。その最新版、原宿で開催中の「専用すぎる腕時計展2(ツー)」をお見逃しなく!
Photographs & Text by Yasuhito Shibuya
[2025年2月1日掲載記事]
セイコーのデザイナーが“欲しい腕時計”を創ってみた!
「必要は発明の母」という言葉があるが、人は必要に迫られると、良いアイデアを思いつくもの。 このwebChronosをご覧になっている時計好きのみなさんは、どんな仕事をしているのだろうか? そして自分の仕事のために「こんな機能やデザインの腕時計が欲しい!」と思ったことはないだろうか? もしかすると、それが特殊なものでも、他の人にとっては意外に魅力的なものかもしれない。
2024年12月20日から2025年2月16日まで、東京・JR山手線の原宿駅・表参道側の東口および東京メトロ千代田線・副都心線の明治神宮前駅・3番出口からすぐ近く、IKEAとユニクロの入っている商業施設「WITH HARAJUKU(ウイズ・ハラジュク)」の1階にあるイベントスペース「Seiko Seed(セイコーシード)」において開催中の「専用すぎる腕時計展2(ツー)」は、そんなアイデアをカタチにした、つまりデザインモックアップではなく、“実際に使える道具”として本気で作ってみた6作品が展示されている、とてもゼイタクな腕時計のデザイン展だ。
(右)会場の「Seiko Seed(セイコーシード)」は、原宿の商業施設「WITH HARAJUKU(ウイズ・ハラジュク)」の1階にある。
日本を代表する時計メーカーであるセイコーのデザイナーたちが、「特別な仕事をしている人の、特別な目的のための腕時計」を2次元ではなく3次元で創り上げた。しかもモノづくり、時計作りの面白さと可能性を実感できるので、時計好きはもちろん、子供たちも楽しめるはず。「これ欲しい!」という視点で観ても楽しめるのだ。
すでにこのwebChronosでは開催前日の2024年12月19日に記事がアップされているが、2025年2月16日に会期終了が迫っており、この貴重な機会を見逃してはモッタイナイので、改めて紹介する。ぜひ足を運んでいただきたい。
作品を展示している6人のデザイナーと作品
実は、今回作品を展示している6人のデザイナーさんたち、ひとりひとりにインタビューしたのだが、それは後日「時計デザインの今」のようなかたちで改めてご紹介したい。今ここで、作品の詳細を記してしまうと“ネタバレ”となって、「専用すぎる腕時計展2」を訪れた際の驚きと感動が減じてしまうので、ここでは6人のデザイナーさんとその作品、筆者の気になる点と感想を付けておくだけにとどめる。
※画像をクリックするとネタバレ写真を見ることができる。
忍びたるもの、針を見ずして時を読め!
① 忍者専用腕時計/Ninja Stealth Watch
菅沼佑哉(SUGANUMA Yuya)さん
その腕前と、その腕元で魅了する
② クラブDJ専用腕時計/Specialized Watch for Club DJs
伊藤絢人(ITO Kento)さん
見る者たちを魅了する夜の支配者に捧ぐ
③ ヴァンパイア専用腕時計/Vampire-Exclusive Watch
石原 悠(ISHIHARA Yu)さん
ゆで卵の腕前、半熟からの大脱出!
④ ゆで卵好き専用腕時計/Egg-Boiling Watch for Boiled Egg Lovers
酒井清隆(SAKAI Kiyotaka)さん
すべての子供たちの笑顔のために
⑤ サンタクロース専用腕時計/Santa Claus’ Specialized Watch
松本卓也(MATSUMOTO Takuya)さん
時間と、あの人の私への想いをはかる
⑥ 恋する乙女専用腕時計/A Watch for Girls in Love
廣瀬由羽(HIROSE Yu)さん
原案スケッチなど、企画・開発時の資料も展示されているから、作品とともに、その制作過程にも想いを寄せてみるのも楽しいだろう。
「専用すぎる腕時計展2」の開催は2月16日まで。まだ観ていない方は、想像の斜め上をカタチにした、思いもよらない腕時計の表現手法を楽しみに、ぜひ原宿へGO!