君はラドーの世界の真髄に触れたことはあるか? ラドーはセラミックスという素材を自在に操り、腕時計界の中でもユニークなデザインのモデルを多数ラインナップするブランドだ。そんなワン・アンド・オンリーなラドーらしさがあふれたモデルが「トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション」なのだ。『ウォッチタイム』アメリカ版に携わる編集者兼ライターのマーティン・グリーンがこのモデルの魅力を解説する。
ラドー以外考えつかない!? チェス盤のような腕時計
ラドーは明らかに独特の世界観を持つ腕時計ブランドだ。セラミックスを腕時計の世界に導入したパイオニアであるこのブランドは、我が道を突き進んでいる。ラドーは他のブランドに惑わされ、道を踏み外すことはない。この独自路線は、オリジナリティあふれるユニークな腕時計を生み出す原動力となっているのだ。「トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション」は、そんなラドーのどんな腕時計よりも、輪を掛けてユニークである。
まるでチェス盤のように、ブラックとホワイトのセラミックスを組み合わせた文字盤とケースが特徴的なこのモデル。ブレスレットも同様に、ブラックとホワイトのセラミックスを組み合わせたものだ。なおブラックがメインになるモデルと、ホワイトがメインになるモデル、2タイプがラインナップされている。
百聞は一見に如かず! セラミックスの素晴らしさ
セラミックス製ブレスレットを着用したことがあれば、この素材の着用感の素晴らしさを知っていることだろう。感触はソフトなうえに、体温ですぐ温かくなり、そして非常に軽量な素材なのである。また、優れた耐傷性もこの素材のポイントだ。ラドーは腕時計業界における、セラミックスのパイオニアである。それゆえ、豊富な経験や特別な技術、そして専用の生産設備を有しており、特筆に値するブランドだ。
スケルトン仕様のチェス盤という、超個性派仕様
もし一般的なブラック、もしくはホワイトの文字盤だったならば、本作は普通の腕時計となってしまっただろう。だが、ラドーはそんなことをしない。チェス盤のように、ブラックとホワイトで文字盤を分割したのだ。アワーインデックスには、ブリリアントカットが施されたダイヤモンドが採用されている。豪華に思えるかもしれないが、この腕時計の他の要素があまりにも派手なため、ダイヤモンドであっても驚くほどさりげなく見えてしまう。
ラドーはこの腕時計がより映えるものにするために、文字盤にはスケルトンを採用した。文字盤から透けて見える機械式ムーブメントのテンプや輪列、香箱といったさまざまな要素とその仕上げは、独特なデザインの本作を、より引き立てていると言えるだろう。
市松模様×スケルトン。それが導き出すものは超個性派腕時計である。個性的なデザインのために、正直なところ針がどこを指しているのかは分かりづらく、視認性に優れているとは言えない。だが、本作は計時装置というよりもラドーの世界を体験する腕時計なのである。視認性よりも重要なものはあるのだ。
丁寧な仕上げが見どころのCal.R734
搭載するムーブメントはラドーのCal.R734。ETAのCal.C07.111をベースとした、1時間に2万1600振動するムーブメントだ。パワーリザーブは約80時間保持。文字盤側、裏蓋側、どちらからもムーブメントを眺めることができ、コート・ド・ジュネーブや、ペルラージュといった装飾が施されている。
男性にだって持ってこいの腕時計
トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディションは女性向けモデルとして市場に投入されているように見受けられる。だが、ケースの横幅は38mmであり、サイズ的に男性が使用する分にはまったく問題はない。その作りはとても良く、ラドー独自の技術が活かされているうえに、ラドーが持つ世界観を十二分に表現したモデルだ。各仕様はそれぞれ世界限定888本であり、販売価格は49万3900円(税込み)だ。
![トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション](https://www.webchronos.net/wp-content/uploads/2024/09/2-21.jpg)
自動巻き(Cal.R734)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。セラミックケース(縦44.2×横38mm、厚さ9.7mm)。5気圧防水。49万3900円(税込み)。
![トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション](https://www.webchronos.net/wp-content/uploads/2024/09/3-19.jpg)
自動巻き(Cal.R734)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。セラミックケース(縦44.2×横38mm、厚さ9.7mm)。5気圧防水。49万3900円(税込み)。