腕時計コレクターとしても知られる大御所コメディアン・加藤茶の腕時計の好みに変化が見られるようだ。過去にはロジェ・デュブイの腕時計やロレックスのスポーツモデルといった羨望アイテムを集めていたのだが、最近は国産時計を中心に愛用しているという。時計誌のインタビューコーナーにも登場した経験がある、筋金入りの愛好家が選ぶ国産時計とは?
Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
[2025年2月16日掲載記事]
羨望アイテムを多数コレクションしていた加藤茶
ロレックスのスポーツモデルやロジェ・デュブイの腕時計といった希少性の高いモデルを保有してきた加藤茶は、かつては時計専門誌のインタビューページにも出演したほどの腕時計コレクターだ。そんな加藤茶の最近のお気に入りは、どうやらセイコー「アストロン」のようである。
この画像が投稿された年、「徹子の部屋」に出演した夫妻は「つい最近『人工透析やんないとだめだね』ってお医者さんに言われた」と語っていた。その後に、美味しい減塩料理を加藤綾菜が研究し、自宅でできる工夫を重ねて、結果、人工透析をしなくて良くなったというエピソードを披露した。結婚当初は歳の差から批判されたこともあったという。
ふたりの間にはそんな世間の噂にも揺るがない絆が結ばれており、2025年で結婚14年目を迎えるおしどり夫婦である。そして、加藤茶の腕時計に対する趣向は、結婚後に変わっていったことが推測される。華やかなモデルを好んだ独身時代から、実用性や機能性を重視した選択になっていることが興味深い。
加藤綾菜とは、彼女が大学生時代にアルバイトとして働いていた東京の寿司店に加藤茶が来店したことがきっかけで、ふたりで会うことが増え、3年間の交際期間を経て結婚した。結婚2年後には動作障害を伴うパーキンソン症候群にかかったが、加藤綾菜の献身的なサポートもあり、現在に至る。
セイコー「アストロン」。機能美と実用性を兼ね備えた日本の誇り
セイコー アストロンが搭載するGPSソーラー機能とは、人工衛星通信による自動時刻修正と、太陽光などの光で発電するふたつの機能を指す。世界中のどこにいても、その場所の正確な時刻を、電池交換なしに刻み続ける非常に優れたモデルだ。
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GPSソーラー(Cal.8X82)。フル充電時約2年稼働(パワーセーブ時)。SSケース(直径44.6mm、厚さ13.3mm)。10気圧防水。終売。
また文字盤が雑多な印象にならないように、レイアウトに並々ならぬデザインが施されている点も、数々の高級時計を手にしてきた加藤茶の心をつかんだ一因かもしれない。
筋金入りの時計愛好家が愛用するセイコー「アストロン」は、2012年に誕生した世界初のGPSソーラー時計である。それは加藤茶と加藤綾菜が結婚した2011年の翌年という、思い出深い時期と重なることから、ことさら愛着が深いのかもしれない。
加藤茶、芸能界きってのマルチな才能の持ち主
コメディアンとしてのイメージが強い加藤茶だが、もともとはトロンボーン奏者を目指していた。トロンボーンが高額で容易に入手できないことが分かると、ドラマーに転向。その後、ドラマーとして「クレイジーウエスト」のメンバーに入り、仲本コージ(仲本工事)と出会ったのがドリフターズ加入への第一歩だったと言える。
“加藤茶”という芸名はハナ肇が名付け親であり、芸事で身を立てていくなら水に関係する名前の方がいい、「カトちゃん」と呼ばれているから加藤茶にしよう、と付けてもらった。
トロンボーンやドラムと次々に技を身につけていった加藤茶だが、クレー射撃というもうひとつの特技も持っている。こちらは本気で目指せばオリンピックに出場できるのではないか、と言われるほどの腕前だった。その頃はドリフターズが一番忙しい時期だったため、事務所からOKが出なかったのだが、もし出場していれば輝かしい成績を残していたかもしれない。
加藤茶と加藤綾菜、夫婦で着用ブランドをそろえている?
加藤綾菜の公式インスタグラムを見ていると、どうもここ最近は、夫婦で着用する腕時計のブランドをそろえているようだ。そのことがよく伝わる投稿は、加藤綾菜が介護実務者1級の試験に合格した時の投稿である。加藤茶から加藤綾菜にプレゼントされたセイコーの「ルキア」と、セイコー「アストロン」のRef.SBXC039をそろえた写真をあげているのだ。
また、加藤茶がロレックスの「デイトナ」を着用している投稿も見受けられる。それに対して、加藤綾菜もモデル名までは特定できないが、なんらかのロレックスを着用しているようである。
夫婦そろって同じブランドの腕時計を着用。なんと仲の睦まじいことだろう! ふたりの時計エピソードに、これからも期待したい。