素敵な時計を着用するなら、手指のケアも気を抜きたくない。簡単に指先に潤いを与えられて、しかも気分の上がる香りをまとえるウカ(uka)のネイルオイルは、乾燥するこの季節、健やかな手元の維持に重宝するだろう。長年女性誌に携わってきた敏腕編集者であり、エッセイストでもある麻生綾氏が、時計愛好家に、そんな「手元の改革」を提案する。
Text by Aya Aso
村山千太:写真
Photograph by Senta Murayama
[クロノス日本版 2025年3月号掲載記事]
香りも愉しめるネイルオイルで手元の改革を

2009年の発売以来、ロング&ベストセラーを続けるネイルオイル。使いやすさを重視した手のひらサイズのロールオンタイプで、ベースとなるオイルは浸透性の高いアルガンオイル、スイートアーモンド、ウィートジャム。オーガニック栽培の植物に信念を持ち、国際認証エコサートも取得。(上から〉ウカネイル オイル 7:15(ナナイチゴ)、13:00(イチサンゼロゼロ)、18:30(イチハチサンゼロ)、24:45(ニイヨンヨンゴ)。各5ml、各3630円(7:15と13:00)、各3960円(18:30と24:45)。
まずは失礼を承知でちょっと厳しめの問い掛けを。
「あなたの手元はその素敵な時計に見合う格を備えているだろうか?」
「もちろん! 常に清潔を心掛けているし、ネイルサロンにも通っているし」と憤慨&即答できる方にはひどい言い様でごめんなさい。ただ、中にはドキリとされた方もいらしたのでは? 今号ではそんな、いまひとつ自信を持てないでいる後者のような手元に潤いと香りを提案したいと思う。
ウカ(uka)のネイルオイルをご存じだろうか? 美容業界的には昨年販売15周年を迎えた、押しも押されもせぬベストセラーである。お洒落女子御用達のみならず、実は男性の愛用者も多い。
手軽なロールオンタイプのオイルで、爪や甘皮部分にコロコロと転がして使う。指先ケアの製品ではあるけれど、実は高品質のオイルを取り扱うことで知られる南仏・シリウス社代表のジル・バートゥミュウ氏が手掛ける調香にも定評があり、なじませると何とも気分の上がる香りがこれみよがしでなしに漂う。フレグランスを付けるよりハードルが低く、自分用はもとより気の張らないジェンダーフリーの贈り物としてもうってつけだ。かくいう私も、かつて爪が商売道具であるプロのギタリストにプレゼントし、喜んでいただいたことがある。
定番の4製品は「1日に何度も付けてほしい」という思いから、1日の想定タイムテーブルと香りがリンク。時刻がそのまま製品名になっている。たとえば男性人気の高い「7:15」はユズ、ヒノキ、サンダルウッドの芳香が次々と鼻腔に押し寄せる、朝一番の日本旅館のお風呂のイメージ。続く「13:00」は午後の仕事を始めるのにふさわしい、爽やかでクリアなレモン~ミントの香りで、指先はもちろん首筋やこめかみなどにもひと塗りすることでリフレッシュがかなう。
「18:30」はアフターファイブの解放感にぴったりのローズ&ジャスミン、「24:45」は鎮静効果のあるすっきりとしたラベンダーと甘いバニラの組み合わせ。シーンごとに使い分けてもいいし、これと思った1本を常に携帯するのもありだ。香りで癒やされるだけでなく、こまめに塗り続けるほどに爪は丈夫に、指先はしなやかに。乾燥が気になる今のような季節でも、いつどこに晒しても恥ずかしくない健やかな手元でいることができる。
女性の立場からすると、男性の手や指はその人の日常生活や気配りの象徴。実は何気によーく観察されている。指先は運気のアンテナとも言われるようだし、この春は手元の改革からどうぞ。
著者プロフィール
麻生綾
美容編集者/エッセイスト&コピーライター。東京育ち。女性誌の美容ページ担当歴30余年、『25ans』『婦人画報』(ともにハースト婦人画報社)、『VOGUE JAPAN』(コンデナスト・ジャパン)各誌で副編集長、『etRouge』(日経BP)で編集長も務めた。趣味も美容、そして美味しいもの探し、鬱アニメ鑑賞、馬の骨活動。