ハイビートムーブメントCal.9S85を搭載した、「62GS」のデザインコードを踏襲したモデルがリニューアルされた。大きな変更点は、ケースにエバーブリリアントスチールを用いた点である。24節気の「立夏」と「秋分」 をテーマとした、ふたつのカラーの文字盤での展開となる。
自動巻き(Cal.9S85)。37石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約55時間。エバーブリリアントスチールケース(直径40mm、厚さ12.9mm)。10気圧防水。99万円(税込み)。
「62GS」の輝きを失わないアイコニックな新作
グランドセイコーのヘリテージコレクションには、「62GS」のデザインコードを踏襲した人気モデルがラインナップされている。62GSは、1967年に初めてグランドセイコーの自動巻き腕時計として登場したモデルであり、セイコーにおけるマイルストーン的な存在だ。なお、新作にもザラツ仕上げが施されており、この仕上げはブランドのアイディンティとも呼ぶべきものであろう。
二十四節気は、古くから日本人に馴染みのある季節の分け方だ。62GSからインスパイアされたグランドセイコーの腕時計には、二十四節気をテーマとしたモデルがすでにラインナップされている。2025年に入り、そのうちの立夏と秋分モデルをリニューアルして発表。その大きな変更点はセイコー独自の合金である、エバーブリリアントスチールをケースに採用したことだ。
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自動巻き(Cal.9S85)。37石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約55時間。エバーブリリアントスチールケース(直径40mm、厚さ12.9mm)。10気圧防水。99万円(税込み)。
エバーブリリアントスチールは耐腐食性に優れ、なおかつ白く輝く素材である。ケースへの採用にあたっては、グランドセイコーらしいザラツ研磨で仕上げた。そのおかげか、直径40mm、厚さ12.9mmのケースが持つエッジと表面は、より引き立てられた印象を覚える。なお、本作の防水性は100m防水、耐磁性は4800A/以上を備えている。
2つの季節をイメージした魅惑的な文字盤
グランドセイコーらしく、本作に採用された文字盤は凝ったものだ。日本らしさを感じるデザインである。Ref.SBGH351は、春から夏への移ろいを意味する立夏をテーマとしている。繊細な質感の濃いグリーンが、夏を迎えようとする日本の景色を映し出しているように感じられるのだ。
もうひとつのRef.SBGH353は秋分をイメージしたものである。濃いブルーが夜空を象徴している。GSのロゴマークと、秒針に採用されたゴールドは月光を連想させるものだ。なお、Ref.SBGH351と同様に、3時位置にはデイト表示が備えられている。
高振動の自社製ムーブメント
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本作に搭載されるムーブメントは約55時間のパワーリザーブを誇り、静体精度で日差+5〜-3秒を保つ高振動ムーブメント、Cal.9S85だ。ムーブメントに施されたハイクォリティな仕上げを、シースルー仕様の裏蓋から鑑賞できるのだ。