豪華俳優陣のキャスティングで期待が高まる、次のNHK朝の連続テレビ小説ヒロインに決定している今田美桜。撮影の合間の様子やプライベートショットが投稿されている彼女のインスタグラムは多くのファンが注目している。その清々しい笑顔が溢れる投稿の中から、時計着用シーンのショットを紹介したい。
Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
[2025年3月16日掲載記事]
ミスタードーナツ55周年スペシャルアンバサダー就任、朝の連ドラヒロインと多忙極まる今田美桜の腕時計が気になる
意外な組み合わせ、というのはいつの時代も目を引くものだ。
今をときめく今田美桜のインスタグラムで、1970年代のラドーと思われる腕時計を着用した投稿を発見した(写真下)。撮影場所はビストロだろうか。店内で頬に手をあてる、その手首にはヴィンテージの腕時計を確認できる。小振りの文字盤とブレスレットの繊細さが印象的なモデルだ。20代前半にして、このシブいチョイスには心底驚かされる。
今田美桜のデビューのきっかけは福岡・天神でのスカウトだ。国内における複数の映画祭で高く評価された短編映画「カランコエの花」の主演を務め、注目を集めた。そして2018年に放映されたドラマ「花のち晴れ~花男Next Season~」に出演して、一躍ブレイク。その後も「わたしの幸せな結婚」「東京リベンジャーズ」といった話題作に出演を重ねている。
こうした実力を買われ、ついに2025年3月31日からスタートするNHKの朝の連続テレビ小説「あんぱん」のヒロインに抜擢。ミスタードーナツの55周年スペシャルアンバサダーにも就任し、まさに大忙しの日々を送っている様子だ。
今田美桜のSNSに垣間見る素顔と、その洗練されたその手首
今田美桜のインスタグラムへの投稿は、ドラマや映画の撮影やイベントの合間のオフショットが中心だが、ファンの心を和ませるプライベートな雰囲気の画像なども投稿されている。今回、着目した投稿も、今田美桜の日常の雰囲気が伝わってくる画像だ。
2025年2月5日の投稿。ブレスレットからケースにかけての、2本の溝、そしてケースの上部と下部がカマボコ型に面取りされていることから、ラドーがかつて発売していたカクテルウォッチの可能性が高い。モデル名までは残念ながら特定することはできなかった。
柔らかな照明の下、黒いトップスにシンプルなアクセサリーを身につけた彼女の腕元には、小振りで繊細なデザインのヴィンテージ時計が存在感を放っている。いわゆるカクテルウォッチと呼ばれるモデルだ。その輝きは彼女の白い肌に映え、クラシカルな雰囲気と現代的なスタイルの調和が実に自然である。
若手女優が魅せるヴィンテージという意外な選択と深い美意識
この時代のラドーには「エルフ」「ジェイド」「カラヤ」といった女性向けのモデルがあった。これらのコレクションは、地に足を付けて新たな時代を切り拓いていく女性たちをターゲットにしたモデルだ。
20代という若い世代を代表する人気女優、今田美桜が選んだ時計が、現行品のレディースウォッチではなく、メンズライクな機械式時計でもなく、自分の年齢よりもはるか上のヴィンテージウォッチだったことに驚きを感じるのは筆者だけではないはずだ。彼女の古いアイテムを大切にする姿勢や、自分の価値基準を持つ芯の強さ、機械式時計を愛でる態度に共感したファンも多いのではないだろうか。
カクテルウォッチに見る女性の時代と装いの変遷
カクテルウォッチという言葉に明確な定義はないものの、高価な素材を用いた装飾的な腕時計を指し、パーティーで女性がカクテルグラスを持った腕元に映えるようにデザインされた繊細なモデルを一般的には表している。またベルトやケースにダイヤモンドやルビーなどの宝石が装飾され、無垢の貴金属が使われることが多い。
とはいえ、そうした特徴はアール・デコ全盛期の「華麗なるギャッツビー」時代のカクテルウォッチの流行である。今田美桜が選んだのは、さらに時代が下った1960年代以降のより実用性を求められた手巻き式腕時計に見える。1960年代から1970年代にかけて、アメリカでは女性解放運動「ウーマンリブ」が勃興、日本、フランス、ドイツなど世界中の多くの地域においても、この運動が起きた時代だ。
パリの蚤の市が大好きという今田美桜なので、ヴィンテージウォッチのコレクションがこれからも増えていくのかもしれない。