ティソ「PRC 100 Solar」は新開発技術でソーラーウォッチ市場に挑む!

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2025.04.11
PR:TISSOT

新開発技術である「ライトマスター ソーラー テクノロジー」を搭載した画期的なソーラーウォッチとして登場した、ティソ「PRC 100 Solar」。その革新性と、アイコニックな外装に秘められた魅力に迫る。

ティソ PCR 100 Solar

ティソ「PRC 100 Solar」
新開発のソーラーセルを搭載した、ティソの2025年新作モデル。ソーラーウォッチでありながらも、金属製のダイアルを採用した画期的なモデルだ。光発電クォーツ(Cal.F06.615)。フル充電時約14カ月。SSケース(直径39mm、厚さ9.22mm)。100m防水。(左)7万9200円(税込み)。(中央、右)7万2050円(税込み)。
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吉江正倫:写真
Photographs by Masanori Yoshie
野島翼:取材・文
Text by Tsubasa Nojima
[2025年4月4日公開記事]


ティソから新作ソーラーウォッチ「PRC 100 Solar」が登場!

 世界初と言われる耐磁腕時計やタッチ式スクリーン搭載の腕時計など、革新的な製品を次々に発表し、時計界の発展をリードしてきたティソ。現在ではスウォッチ グループを代表するブランドとして、手の届きやすい価格帯でありながらも高品質な時計を世に送り出している。そんな同社から今回、新たな技術を取り入れた新作モデル「PRC 100 Solar」が発表された。

「PRC 100」は、2005年に登場したコレクションだ。精密(Precise)、堅牢(Robust)、クラシック(Classic)の頭文字を取ったコレクション名の通り、必要十分な機能性とシンプルなデザインを有するPRC 100は、いくつかの派生モデルを生み出しながら幅広い層に親しまれてきた。今回発表された新作「PRC 100 Solar」は、十二角形のベゼルをはじめとするPRC 100のデザインコードを踏襲しつつ、光発電機能を搭載したクォーツウォッチである。

 ソーラーウォッチを手掛けるブランドはいくつか存在するが、特に幅を利かせているのは日本のブランドだ。その中にティソが打って出たことで、ユーザーには新しい選択肢がもたらされることとなった。同社がPRC 100 Solarに搭載した画期的な機構の詳細を交えながら、そう言える理由を解き明かしていきたい。

2005年発表の「PRC 100」。なお、PRC 100の意匠のルーツは1980年代にティソが製造していた「PR100」にさかのぼることができる。“PRC”は、それぞれ精密(Precise)、堅牢(Robust)、クラシック(Classic)の頭文字を取ったもの。“100”は、100m防水であることを意味する。


注目はサファイアクリスタル風防に圧着されたソーラーセル

 ソーラーウォッチは一般的に、ダイアル面から取り入れた光をソーラーセルに当てることで発電し、その電力を二次電池に蓄える仕組みを持つ。つまり、ソーラーセルを露出させるか、あるいはダイアルの下にソーラーセルを配し、ダイアルそのものに光を透過させる素材を使用する必要がある。金属製のダイアルを持つソーラーウォッチが少ないのは、この仕組みのためである。各社がプラスティック製のダイアルに高級感を与えるため、さまざまな工夫を凝らしてきたことからも分かるように、ソーラーセルへの光の透過はソーラーウォッチにおける大きな制約であった。

 この制約を逆転の発想によって克服したのが、PRC 100 Solarである。本作では、サファイアクリスタル風防の直下にソーラーセルを配した、「ライトマスター ソーラー テクノロジー」を搭載し、ダイアルへの制約を排除することに成功したのだ。このテクノロジーの肝となるのが、ニヴァクロンの合金素材の研究なども手掛けたCSEM社によって開発された特殊なソーラーセルだ。透明で微細なソーラーセルをハニカム構造に配置した層を構成することによって、視認性を損ねることなく発電することを可能としている。

ティソ PCR 100 Solar

サファイアクリスタル風防の直下に配された、新開発のソーラーセル。ほぼ透明で小さなソーラーセルが、ハニカム構造に並んでいる。発電効率をはじめとするスペックや信頼性は、ティソのフィールドテストによって確認済み。

 見た目の観点だけでなく、優れた性能を備えている点も特徴だ。明るい自然光だけではなく、室内のわずかな照明によっても発電することができる。5000ルクス(曇りの屋外など)程度の光に10分間当てるだけで、24時間分の電力を蓄えられる高効率性も魅力だ。もちろん、こういった性能が理論値ではなく実際のスペックであるということは、研究開発施設内での検証をはじめ、スイス国内の各都市や山間部を含むさまざまな場所でのフィールドテストを通じて確認済み。なお、充電量が少なくなった際には、秒針が4秒おきにジャンプすることで、そのことを視覚的に知らせてくれるEOE(End of Energy)インジケーター付き。知らぬ間に時計が停止していた、ということにならないよう、配慮がなされているのだ。

 定期的な電池交換の不要なソーラーウォッチ。しかしあくまで“定期的”であり、二次電池にも寿命は存在する。一般的にその寿命は7〜8年と言われているが、本作が搭載する二次電池・コバルト-チタニウムリチウムアキュムレーターは、通常の日常的な受光頻度であれば、10〜15年は稼働するとのこと。より長期にわたって使用可能であることは、ユーザーにとっても環境にとってもやさしい。


「PRC 100 Solar」が実現したこと

 画期的なソーラーセルの導入によって、これまでのソーラーウォッチの常識を覆したPRC 100 Solar。金属製のダイアルからティソらしい上質な外装、そして豊富に用意されたバリエーションまで、本作が備える魅力をひとつひとつ解説していきたい。

従来製品と変わらない文字盤

ティソ PCR 100 Solar

「ライトマスター ソーラー テクノロジー」が可能とした金属製のダイアル。深みのあるブルーを基調に、光の当たり具合によってさまざまに表情を変えるサンレイ仕上げが与えられている点が魅力だ。なお、従来のソーラーウォッチでは、質感の高いシルバーダイアルを与えることが困難であったが、PRC 100 Solarにはこのシルバーダイアルもバリエーションとして用意されている。

 ソーラーウォッチにおける、デザイン上の大きな制約から解き放たれたPRC 100 Solar。その結果として本作が獲得したものが、従来製品と変わらない真鍮製のダイアルである。中心から放射状に広がるサンレイ仕上げは、光の当たり具合によってさまざまに表情を変え、シンプルなダイアルに躍動感を与える。要素の限られたシンプルな3針表示のモデルであるからこそ、ダイアルの高級感は、そのまま所有に対する満足感へとつながるというものだ。

 立体的なアプライドインデックスにも注目だ。シャープなエッジが精悍な印象を生み出すとともに、天面に設けられた凸型の段差と蓄光塗料が高い視認性を発揮している。3、6、9、12時位置のみインデックスをダブルとすることで、ダイアルを煩雑にすることなく判読性を高めていることもポイントだ。

ティソ PCR 100 Solar

エッジの効いたアプライドインデックス。天面に塗布された蓄光塗料と相まって、視認性は良好。多くの実用時計を生み出してきたティソらしいディティールだ。

ティソ PRC 100 ソーラー

インデックスだけではなく、時分針にも蓄光塗料が塗布されている。3、6、9、12時位置のインデックスをダブルに、時針と分針の長さに明確な違いを設けることで、暗所での判読性を確保している。

 時分針はドーフィン型。先端を断ち切った形状とすることで、ほのかに力強さを感じさせる。注目すべきは、各針がしっかりとインデックスや目盛りに届いていることだろう。一般的に、機械式に比べてトルクの弱いクォーツ式は、太く大きい針を回すことが難しい。本作のような針を備えながらも、それをしっかりと回すことができるのは、目の肥えた高級時計愛好家にとっても満足できるポイントとなるはずだ。

 3時位置には、日付表示を搭載。デイリーウォッチとしてふさわしいデザインとスペックを持つ本作であるからこそ重宝する、実用的な機能だ。

腕時計として高い品質

 これまでのティソの腕時計と同じく、本作にも優れた外装が与えられている。

 基本的なデザインは、2005年に登場したモデルと、そのルーツにもなった1980年代の「PR100」の特徴を受け継いでいる。オーソドックスなデザインながら、十二角形のベゼルがPRC 100らしい個性を発揮する。全体的にヘアラインを基調とした仕上げや、短く切り詰めたラグがスポーティーな印象だ。曲面を取り入れたケースフォルムに、弓カンやベゼルの力強い直線が同居したスタイルは、まさに堅牢(Robust)さとクラシック(Classic)さを体現したものだ。ベゼルの斜面にはポリッシュを加え、スーツスタイルにもマッチするエレガントさを添える。

ティソ PCR 100 Solar

一見してシンプルなデザインのケースだが、十二角形のベゼルや切り詰めたラグなど、モダンかつスポーティーな意匠がちりばめられることで、アイコニックに仕上げられている。

 ごく一部を除くほとんどのクォーツウォッチがそうであるように、ケースバックはクローズド仕様。肌と触れ合う面にはヘアライン仕上げが施されているため、汗をかいた場合でもべたつきを感じにくいはずだ。

 ステンレススティール製のブレスレットは、スポーティーなH型タイプ。プッシュボタンによって開閉する両開き式のバックルが搭載され、さらに工具を用いることなくケースから脱着可能なクイックリリース機構が備わっている。シンプルなデザインのモデルであるからこそ、ベルトの付け替えで見た目に変化を加える楽しさが感じられるというものだ。

ティソ PRC 100 ソーラー

存在感と取り回しやすさを両立させる直径39mmのケース。ラグが短いため、手首への収まりも良好だ。シーンを問わず着用しやすい汎用性の高いデザインも魅力。

豊富なバリエーション

 PRC 100 Solarは、5種類のモデルが同時リリースされた。直径39mmのステンレススティールケースを共通として、ダイアルカラーは、シルバー、ブラック、ブルーの3種類。そのうち、シルバーダイアルとブラックダイアルのモデルには、ステンレススティールブレスレットとレザーストラップの各2タイプが存在する。ブラックダイアルのモデルは、外装のステンレススティールにブラックPVDが施され、精悍な印象だ。腕時計が個性を表現するアイテムとして認識されている昨今において、自身の好みに合わせて選択できるのはうれしい。

ティソ PRC 100 ソーラー

ティソ「PRC 100 Solar」
レザーストラップ仕様のモデルもラインナップ。こちらにもクイックリリース機構が備わっている。光発電クォーツ(Cal.F06.615)。フル充電時約14カ月。SSケース(直径39mm、厚さ9.22mm)。100m防水。シルバーダイアルモデル:6万5450円(税込み)。ブラックダイアルモデル:6万8750円(税込み)。

 さらに、小ぶりな腕時計を好む男性や、女性にも朗報だ。2025年内には、直径34mmのコンパクトなケースを採用したモデルも発売される予定とのこと。ダイアルは、シルバー、アイスブルー、マザー・オブ・パール、ゴールドの4種類。マザー・オブ・パールダイアルには、一部にピンクゴールドPVDを施した外装、ゴールドダイアルには、全体にイエローゴールドPVDを施した外装が組み合わされている。これらのより華やかなモデルたちは、PRC 100 Solarの新たな魅力を引き出してくれることだろう。

ティソ PRC 100 ソーラー

2025年中に直径34mmケースモデルも展開される予定。直径39mmケースモデルとは一味違ったカラーリングに仕上がっている。いずれも価格未定。


ティソ「PRC 100 Solar」が実現した、新しいソーラーウォッチ

 多くのブランドが頭を悩ませてきた課題に対し、驚くような解決法を編み出したティソ。「PRC 100 Solar」は、ソーラーウォッチの新たな世界を切り開いたマイルストーンとして、同社の歴史に名を残していくことだろう。その背景にあるのは、創業以来、研究開発を重ね、時計界の進歩に貢献してきた同社の姿勢だ。そしてその熱意は、これからも我々に驚きを与え続けてくれるに違いない。PRC 100 Solarを見て触って、そして着用するということは、その最前線を堪能するということなのだ。

 そして本作の魅力は、これら技術面だけにとどまらない。過去のモデルから受け継いだアイコニックなデザインを採用しつつ、現代の加工技術を用いることで、その外装には高級時計愛好家をもうならせる上質さが宿っている。その上、価格は6万円台半ばからと、手の届きやすい範囲に収められているのだ。

 あまり手のかからないソーラーウォッチは、これまで腕時計にあまりなじみのなかった人にとっては扱いやすく、逆に機械式腕時計を愛用している人にとっては、サッと使えるデイリーウォッチにぴったりな選択肢だ。高級感と利便性を高度に両立させた、新しいソーラーウォッチ。それが、PRC 100 Solarなのである。



Contact info: ティソ Tel.03-6254-5321
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ソーラーセルを風防内側に配置した画期的な構造を持つティソ「PRC 100 ソーラー」が登場

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