創業160周年を迎えるゼニスは、Watches & Wonders Geneve2025で、4種の特別な新作モデルを発表した。目玉は伝説のムーブメントCal.135を復刻した「G.F.J.」だ。
「G.F.J.」Cal.135の復刻
20025年はゼニスの創業160周年にあたる。この記念すべき年を祝うべく、伝説的なムーブメントのCal.135が復刻され、新コレクション「G.F.J.」として登場する。では、オリジナルのCal.135が残した輝かしい経歴についておさらいしよう。

手巻き(Cal.135)。1万8000振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ptケース(直径39.15mm、厚さ10.5mm)。5気圧防水。695万2000円(税込み)。
1960年代以前、天文台が行うコンクールは非常に重要視され、多くのブランドや工房がエントリーしてその技術を競っていた。1865年創業のゼニスは1897年からコンクールへ参加しており、その活動の中で特に優れた結果を残したのがCal.135である。
Cal.135は1949年から1962年までの間、市販モデルのCal.135と、天文台のクロノメーター試験のためのCal.135-Oが製造された。「135」とは、ヌーテシャル天文台コンクールの腕時計部門で許される最大サイズの13リーニュ(=30mm)を意味しており、厚さ5mmであることを示す。一般的に大径のムーブメントの方が精度を安定して高精度を得やすいことから、Cal.135はコンクールへのエントリーを前提とした設計であったのだろう。コンクール用に製造、チューニングされたCal.135-Oは、計235ものクロノメトリー賞を受賞し、1950年から1954年までヌーテシャル天文台の腕時計部門において5年連続で1位を獲得する快挙を成し遂げたことから、Cal.135を「伝説的」と評して差し支えないだろう。

そして今年、Cal.135が復刻される。オリジナルのサイズ、外観、構造を踏襲しており、特にオフセットしたセンターホイールの採用によって、高精度を得るための大型テンプを収めるスペースを確保する設計は注目点である。また単なる復刻にとどまらず、輪列の歯型の、ジオメトリの最適化のような細やかな設計の改善や素材のアップデートにより、オリジナルではパワーリザーブが約40時間であったのに対して約72時間を実現している。また、ストップセコンドが追加され、日差も±2秒以内に調整されている。

Cal.135が搭載されるのが、新コレクションの「G.F.J.」で、その名はゼニス創業者のジョルジュ・ファーブル=ジャコに由来するものだ。全体のデザインは、Cal.135が活躍した1950年代のエッセンスを盛り込みつつ、モダンで洗練された印象に仕立てられている。スモールセコンドを備える文字盤は、直線を基調にシンプルにまとめられており、全体はゼニスのシグネチャーカラーであるブルーとなる。文字盤を囲む外周のリングには“ブリック”ギヨシェ模様とファセットカットのホワイトゴールド製インデックスがあしらわれ、中央部分はディープブルーのラピスラズリが用いられる。
「パイロット ビッグデイト フライバック 160th アニバーサリー エディション」
創業160周年を祝い、ゼニスの象徴的なコレクションである「パイロット」に記念モデル「パイロット ビッグデイト フライバック 160th アニバーサリー エディション」が追加される。ゼニスは航空機産業での時計の活用が広まることをいち早く察知し、1888年にフランス語でパイロットを意味する「Pilote」、1904年に英語の「Pilot」の商標を出願した歴史を持つ。それ以降、長きにわたってパイロットモデルがラインナップしてきた。

自動巻き(Cal.エル・プリメロ3652)。26石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。セラミックケース(直径42.5mm、厚さ14.25mm)。10気圧防水。世界限定160本。217万8000円(税込み)。
現在のパイロットコレクションは2023年に刷新されたもので、今回発表された記念モデルはこれをベースとし、ゼニスのシグネチャーカラーであるブルーのワントーンでまとめられている。ラウンドケースになだらかな直線を描くラグによってクラシックとモダンが調和したケースシェイプに、過去の航空機の外装に使われたメタルシートを思わせる水平方向の凹凸が文字盤に与えられている点がコレクションを通じたデザインコードだ。本作のケースはブルーセラミックス製で、マイクロブラスト仕上げによるマットな質感にまとめられている。
本作に搭載されるのは、ゼニスの象徴である高振動自動巻きクロノグラフムーブメントの進化形、Cal.エル・プリメロ3652である。6時位置には切り替わり時間が0.007秒以内と極めて短いことが特徴の、ダブルディスクによるビッグデイトが配され、センターのクロノグラフ秒針と3時位置の30分積算計によるライバッククロノグラフ機構を備える。

本作は創業160周年にちなんで世界限定160本となる。ストラップには、ワントーンのコーディネートとなるブルーのコーデュラ・エフェクト ラバーストラップと、爽やかな印象を加えるホワイトのコーデュラ・エフェクトストラップが付属する。
「デファイ スカイライン クロノグラフ 160th アニバーサリー エディション」
伝統と現代性が融合された「デファイ スカイライン クロノグラフ」にも創業160周年記念モデル「デファイ スカイライン クロノグラフ 160th アニバーサリー エディション」が用意される。本作も世界限定160本だ。現在の「デファイ スカイライン」コレクションは、1969年の「デファイ Ref. A3642」の8角形のフォルムから着想を得て、現代的に再解釈したモデル。建築的な立体感のあるケースと、多面のベゼルを組み合わせたシルエットが特徴のモデルである。

自動巻き(Cal.エル・プリメロ3600)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。セラミックケース(直径42mm、厚さ12.7mm)。10気圧防水。世界限定160本。324万5000円(税込み)。
創業160周年記念モデルに共通するブルーのワントーンに仕立てられた本作には、伝統的な自動巻き高振動クロノグラフムーブメントの現代版であるCal.エル・プリメロ3600を搭載する。その特徴は、センターのクロノグラフ秒針が10秒で1回転し、1/10秒単位で計測可能な点である。
ケースとブレスレットはブルーのセラミックス製で、特有の光沢感と、軽量かつ耐傷性に優れる仕上がりとなっている。また、ケースと一体化した操作しやすいクイックストラップチェンジシステムを採用しており、付属するブルーラバーストラップにも簡単に交換可能である。
「クロノマスター スポーツ 160th アニバーサリー エディション」
ゼニスのクロノグラフの伝統を引き継ぎつつ、モダンでスポーツシックな「クロノマスタースポーツ」にも、創業160周年記念モデル「クロノマスタースポーツ 160th アニバーサリーエディション」が追加される。本作も他のモデル同様に世界限定160本となる。

自動巻き(Cal.エル・プリメロ3600)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。セラミックケース(直径41mm、厚さ13.6mm)。10気圧防水。世界限定160本。310万2000円(税込み)。
クロノマスタースポーツは2021年、伝統的な「エル・プリメロ」を刷新したCal.エル・プリメロ3600と同時に発表されたモデルである。10秒で1回転するセンタークロノグラフ秒針による1/10秒を計測可能なクロノマスタースポーツは、自動巻き機械式クロノグラフムーブメントの技術革新に貢献してきたゼニスならではのモデルと言える。
本作は、クロノマスタースポーツとしては初となるブルーのセラミックス製モデルである。ケースにはブラッシュ仕上げとポリッシュ仕上げが使い分けられており、モダンなケースシェイプを際立たせている。3色で塗り分けられた3つのインダイアルは従来モデルから引き継がれており、本作では、ブルー、グレー、シルバーとして視認性を助けている。
