ワクワクするストーリー、魅力的なキャラクターが特徴の「名探偵コナン」。本作品は、緻密な推理ミステリーを軸としながらも、アクションやラブコメ要素がふんだんに盛り込まれ、子どもから大人まで家族全員で楽しめる娯楽作品となっている。今では海外人気も高まり、世界が注目する大ヒットコンテンツとなっているが、その作者が漫画家・青山剛昌(あおやまごうしょう)だ。今回は青山剛昌がツール・ド・フランス観戦の相棒に選んだ時計に着目した。
Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
[2025年3月30日掲載記事]
シリーズ最新作は、過去最高だった昨年の興行成績を更新するのか?
劇場版「名探偵コナン」は、毎年春に公開されるのが恒例となっている。その最新作「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」は、2025年4月18日に封切りとなる予定だ。劇場版「名探偵コナン」は1997年から2020年を除いて毎年公開されてきたため、今年も家族全員で映画館に出向く予定を立てている人は多いのではないだろうか? 前作、前々作ともに興行収入は130億円を超え、好成績を残していることからも、改めて多くの人々から愛されている作品であることがわかる。
「名探偵コナン」の誕生は1994年に遡る。小学館の雑誌『週刊少年サンデー』で連載が開始され、その後、1996年にテレビアニメの放送がスタート。その翌年から、劇場版映画が公開されている。現在、原作漫画は25の国と地域で翻訳され、アニメはなんと約40ヵ国で放送されているというから驚きだ。
小学生の姿になった高校生探偵! 複雑なキャラクター設定が生み出す唯一無二の魅力
「名探偵コナン」は、そのキャラクター設定にも個性が光る。推理作家の父と元女優の母を持ち、シャーロック・ホームズを敬愛する高校生探偵の工藤新一が、謎の組織により小学1年生の身体となってしまう。彼は自身の正体を隠しながら、“江戸川コナン”という別人格として日常の中で起こる事件を解決し、謎の組織や登場人物の過去を紐解いていくのだ。
そんな大人気漫画を描くのが青山剛昌である。彼の出身地、鳥取県北栄町では「青山剛昌ふるさと館」が開館。故郷において、彼はまさに英雄的存在だ。
兄弟の専門知識を結集! 青山剛昌が描くリアルな事件と科学の世界
ちなみに名探偵コナン作品の奥深さには、親族による協力がある。青山剛昌は4人兄弟の次男で、兄は科学者、1つ下の弟はエンジニア、一番下の弟は医師という家族構成。死亡推定時刻などは医師である弟に、クルマ関係のことはもう一人の弟に相談するそうだ。また科学的なことは兄に相談、この兄はアニメにも詳しいことから、登場人物の声優は誰がいいのかなど、助言をことも与えることもあるという。また、漫画アシスタントの義父は県警の警視である。こうしたことも、作品にリアリティと面白さを与える要因となっていると考えられる。
小学生時代の卒業文集には「私立探偵専門の漫画家になりたい」と記した青山剛昌。そのことを本人は覚えていなかったと後に発言しているが、当時の夢を実現したことは間違いない。多趣味で、サッカー観戦、野球観戦をはじめ、学生時代には剣道を長く続けていた。「あしたのジョー」のちばてつや、「タッチ」のあだち充のファンであることも公言しているため、青山剛昌はスポーツ好きなのだろう。
G-SHOCK MT-Gを相棒に! 青山剛昌が選んだ機能美あふれる時計の魅力
2010年のツール・ド・フランスで撮影された青山剛昌が着用していたのは、「G-SHOCK MTG-1500B-1A1JF」だ。MT-Gシリーズは1999年に誕生し、名称にあるMTとは「Metal Twisted(編み込まれたメタル)」に由来する。メタルと樹脂の複合素材外装は大きな話題を呼び、20周年の節目となった2019年には新たな耐衝撃構造も打ち出された。
また該当モデルは、アナログとデジタル表示の組み合わせが特徴的である。1/100秒ストップウォッチ機能を搭載、3時位置の小針は最初の1秒間は1/20秒で針が進み、その後1分間までは1秒ごと、1分経過後は60分計となり、モードを切り替えても計測中は常に計測時間を表示する。こうした機能性の高さと洗練されたデザインは、ガジェット好きにはたまらない。
外装に目を向けると、メタルパーツにはブラックIPが施され、反転液晶を採用していることから精悍なルックスにまとまっている。ベゼル部分のロゴや文字もオールブラックで統一され、大人のコーディネイトにはまるデザインとなっている
ムーブメントは電波修正機能を持ち、常に正確な時刻を刻む点も、締切との戦いを日々繰り広げている人気漫画家にとって重要なポイントだと考えられる。世界の標準電波を受信し、時刻修正をネット環境に頼らずスタンドアローンで達成する。フランスでの観戦で、青山剛昌はさぞかし頼もしい思いをしたのではないか。
実は、青山剛昌の胸の中で、連載最終話のあらすじは決まっているという。その結末は、ファンでなくても非常に気になるところだ。もちろん、ストーリーはいつまでも続いてほしい。名探偵コナンの末永い連載を願うと同時に、最終的にコナンは工藤新一に戻ることができるのか……。その結末を、固唾(かたず)を飲んで見守りたい。

クォーツ。メタル×樹脂ケース(直径47.0mm)。20気圧防水。