【お(た)くの細道】ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025日記 前夜祭 by ヒロタ

2025.04.02

 やあみんなこんにちは!『クロノス日本版』とwebChronos編集長の広田だよ!今年も世界最大の時計見本市、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2025が開催されるので、強制的に動員されることになった。「広田さん、またジュネーブ日記書くんですよね?」「おおん?」というわけで、今年も会場の様子、新作の超雑感などをお届けします!

今回宿泊するスイス・モルジュのホテルの、部屋からの眺め。仕事っすよ、仕事。プライベートできたらさぞ良い場所ではないかと思う。無念。
昨年のレポートはこちらから!
「『クロノス日本版』編集長の広田雅将による、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2024日記」


https://www.webchronos.net/blog/113426/
広田雅将(クロノス日本版):写真・文
Text by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)
[2025年4月2日公開記事]


ケツが16分割されそうになりながら、いざジュネーブへ!

 3月30日 17時40分。エティハド航空でアラブ首長国連邦・アブダビに向かう。みんな大好きエコノミークラス。サービスは良かったがシートが柔らかくてケツが16分割されそうだ。約12時間後、どうにかアブダビに着く。そこでスイス・ジュネーブ行きに乗り換えて約6時間、どうにかジュネーブに至る。おケツがソフティーになりすぎる。夜までやることがないので、空港のカフェに寄り、慌ててウォッチズ&ワンダーズの紹介文を書く。4.5CHF。

成田空港の出発ゲート近くにはセブンイレブンがあった。おやつ買おうと思ったけどめちゃくちゃ混んでいるので断念。

今回のスイス行きはアブダビ経由。エティハド航空の便に乗った。アブダビまでの所要時間は11時間34分。ケツ割れた。

エティハドの機内食。エコノミーだけど、味自体は日系のビジネスクラスより良いかもしれない。ただしケツが割れる。

アブダビ空港着。エミレーツと張り合ってるだけあって豪華。ただし店の数は多くない。

アブダビに着いたのは夜中の1時40分。仕方ないので、空港のマックでチキンなんとかを食べる。普通に美味しかったです。日本でも売ってほしいぐらい。

さらにEY145に乗り継ぎ、ジュネーブ着。飛行時間は6時間22分。スイス時間の7時15分に到着。着いた瞬間、時計メーカーの広告がお出迎え。


到着後、早速ブライトリングの取材へ

 今回の宿は、ジュネーブから電車で30分ほど行ったモルジュという場所にある。ホテルは昔の商人宿。ジュネーブの冗談みたいなホテルに大枚をはたくなら、今後はここでいいんじゃないかと思う。会場までは遠そうだけど。部屋で残りの仕事を片付けて、ジュネーブに移動。

今回の宿はジュネーブから40分のHotel de la Couronne。ホテル自体はかなりちゃんとしてる。ただしジュネーブまでの交通費に卒倒。

 ジュネーブでは「Cine 17」という映画館で、ブライトリングの新作を見る。

ブライトリングの新作発表はジュネーブ市内のCine 17という映画館で行われた。著名なジャーナリストたちがぞろぞろ勢ぞろい。

今回のブライトリングの新作時計に関係あるのが、この車というかカラー。スリックタイヤを履いた、ガチのデルタエボ。かっこよすぎて卒倒しそうです。

新作のプレゼンテーションを行うジョージ・カーン氏。冗談出まくり、良い人オーラ出まくりで、何があったのかと思う。会社儲かると、経営者はこうなるのねー。

 Cal.B31を載せた「トップタイム」は、ジョージ・カーンの言う「レトロモダン」がコードとして貫かれていて、時計としてのまとまりがある。感心させられたのはブレスレットのつくり。ケース側20mm、おそらくブレスレット側17mmと強いテーパーがかかっているが(ブライトリングは20の18と述べたが、多分間違いだ)、時計が軽く、バックルが適度に重いため装着感は悪くなさそうだ。また、プレゼンで明言した通り、短く切ったラグは、直径38mmのこの時計を、より軽快に感じさせる。

ブライトリングの会場では、新作時計の展示が行われていた。開発関係者から直接話を聞ける良いチャンス。

Cal.B31を載せたトップタイムの3針モデル。ラグが短く、取り回しは良好だ。コンペティターは新しいタグ・ホイヤー「カレラ」あたりだろうか?

 搭載するCal.B31は、直径28mm、厚さ4.8mmでパワーリザーブ約78時間。ローター音はやや気になるが、リュウズの感触も滑らかで、カレンダーの切り替わりもかなり正確だった(11時55分から12時にかけて切り替わる)。しかもこのムーブメントは、なんと緩急針がなくてフリースプラングテンプだ。関係者いわく「Cal.B19とテンワは共用している」とのこと。であれば、パフォーマンスは悪くないだろう。また、フリースプラングテンプは、将来的に、シリコン製ヒゲゼンマイの布石になるだろう。プレゼンテーションをするジョージ・カーンさんは、なんだか憑き物が落ちた顔をしていて、いい経営者になったじゃないの。

ブライトリングB31の展開図。「この価格でコンペティターはいないと思う」とカーン氏は豪語していた。確かによく熟成されたムーブメントだ。

トップタイムの3針は装着感がかなり良い。ブレスレットのテーパーは強めだが、頭が軽い上、バックルの微調整機構が効いている。いいんじゃないの、かなり。


ブライトリングからエルメスへ

 その後、歩いて市内に移動。エルメスのイベントがあるため、某所に来いとのこと。場所は内緒、駐車場に来ると連れていってやるという。黒塗りの車で移動すると、場所はジュネーブの美術館だった。入り口でたむろってると、BMWに乗ったアフリカ系の男性が声をかけてきた。「何やるの?」「エルメスが時計のイベントをやるみたいですよ?」「そりゃいいねえ、招待のみ?」「そうなんすよ」。

エルメスのイベントに向かう。指定された場所に着くと、黒塗りの車がずらっと並んでいた。どこに行くのかは全く不明。

到着したのはジュネーヴ美術・歴史博物館。普段借りられない場所でイベントができるのは、さすがみんな大好きオレンジの箱のメゾンである。

 会場内は、エルメスらしい(謎な)インスタレーションだった。光るチューブをたどって美術館を回ると、「タンシュスポンデュ」と銘打った謎のショートムービーが流れている。ヴィム・ヴェンダース風だが、景色はどう見ても日本であり、地元の情景じゃねえか。脱力してさらに光るチューブを追いかけると、そこがディナー会場だった。めちゃくちゃ歩いた。わがままボディを持て余してそうなヨーロッパのジャーナリストは「マジで死ぬ」とぼやいていた。

館内には謎の光るチューブが張り巡らされていた。これに従って館内を回るという趣向。エルメスらしくて面白い。ただしめっちゃ歩いた。

歩いた先にあったのが、「タンシュスポンデュ」という謎のショートムービーだった。映る景色は、間違いなく日本の雪国だ。ジュネーブでいきなり脱力する。

チューブの終点で立食のディナーが行われていた。どれも美味しそうだったが、会食があるので手を付けず。ここでも食ったら太るだろ。

今回の取材行を暗示するような展示があった。潰れた車、しかもピンク色。帰国までにこうなっちゃうんじゃないかという謎の不安をかき立てられた。


ロジェ・デュブイのフレンズディナーへ

 で、本来はエルメスのディナーに行くはずなんだが、すでに先約あり。黒塗りの車でジュネーブの秘密クラブに向かう。世界中のジャーナリストを集めてロジェ・デュブイのフレンズディナー。それに先だって、新作がふたつお披露目された。「エクスカリバー ダブルレトログラード」と、「エクスカリバー グランドコンプリケーション」だ。個人的に萌えたのは前者。直径40mm、厚さ11.2mmというケースサイズのおかげで、長いラグにもかかわらず装着感はかなり良い。しかも文字盤の出来は、スケルトンばっかり作ってきたロジェとは思えないほど冴えている。これは良いんじゃないか。

ジュネーブの某所で開催されたロジェ・デュブイのフレンズディナー。スピーチをするのはCEOのデヴィット・ショーメ氏。カルロス・ディアスの名前が出てきたのには驚いた。

時計業界3関口のひとりが、時計Begin編集長の関口さん。ロジェのディナーで疲労を語り合うw

これは刺さった。ロジェの新作は、エクスカリバーのダブルレトログラード。お家芸たる機構が、創業30周年目にして復活したのはナイスです。薄くて付けやすいのも◎

こちらはエクスカリバーのグランドコンプリ-ション。パーぺ鳴り物トゥールビヨンの全部載せ。仕上げが良いのはもちろんだけど、ロジェってこんなに文字盤良かったっけ?

グランドコンプリケーションのムーブメント。マイクロローターだが、巻き上げ音はかなり静かだった。高価だから当然かもしれないが、仕上げは文句なし。

ロジェのディナ-にて。謎のマジシャンが現れて大盛り上がりだった。しかしみんな体力あるよねー。

 ディナーが終わったのは22時半。車で送られて、ホテルに戻ったのは11時半過ぎ。着いたらクロノスチームが玄関前にたむろっている。チェックインしたくとも閉まっているのだという。そりゃご愁傷様としか言い様がない。どうにもならないので部屋に戻り、レオピンロイヤルなどを飲んで寝る。

スイスでの栄養補給はこれ、レオピンロイヤルとミラグレーン。個人的には大好きだけど、評判はすこぶる芳しくない。

今回のカバンはロジェールとTumi。Protex持っていきたかったけどサイズが小さかった。でもロジェール悪くないっすよ。


世界経済の逆風やいかに? 「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025」始まるってよ!

FEATURES

【2025年新作を早速ディープに解説!】オーデマ ピゲの150周年記念モデルは一見地味だが、史上空前の永久カレンダーだ!

FEATURES

2025年の新作時計、見るべきは〇〇!? 時計専門誌『クロノス日本版』編集長がYouTubeで解説!

FEATURES