スモールメゾンであるからこそ独自路線を突き進み、創意工夫にあふれたタイムピースを製造してきたH.モーザー。目の超えた時計愛好家を中心に、例年このブランドの新作モデルを楽しみにしているユーザーは少なくないだろう。今年のウォッチズ&ワンダーズでも、良い意味で我々の期待を裏切るタイムピースの数々が並んだ。最も目を引くのが、「ポップ コレクション」だ。
H.モーザー 2025新作①「エンデバー・スモールセコンド コンセプト ポップ」6モデル
H.モーザーは、時代に左右されない魅力と価値を備える宝石にスポットを当てた新たなコレクション「ポップ コレクション」と、一挙に18種類の限定モデルを発表した。“宝石”といっても種類は非常に多く、魅力もさまざまである。現在のH.モーザーは、現状に疑問を投げかけるブランドというスタンスを貫いており、“宝石”と呼ばれる装飾用鉱物を再考して新たな魅力を見出し、本コレクションの文字盤を彩るものとしてエネルギーを吹き込んでいる。
近年のH.モーザーのデザインを表すキーワードは“ミニマリストの哲学”である。ロゴやインデックスまでを廃し、単色でありながらフュメダイアルとすることで独自の魅力を打ち出してきた。ポップ コレクションでは、人気の「エンデバー」をベースとして従来同様のミニマリストの哲学を踏襲しつつ、ふたつの素材を組み合わせてそれぞれの持つ色彩が化学反応するような大胆なコーディネートを生み出している。
ポップ コレクションは、2種類のカラー(素材)の組み合わせが3通り用意され、各組み合わせを反転させた6種類のカラーコーディネートで構成される。それぞれのカラーコーディネートについて、スモールセコンドモデル、フライングトゥールビヨンモデル、ミニッツリピーターモデルの3種の限定モデルが用意され、合計18種類のコレクションとなるのだ。

自動巻き(Cal.HMC 202)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径38.0mm、厚さ10.4mm)。世界限定28本。予価567万6000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 202)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径38.0mm、厚さ10.4mm)。世界限定28本。予価567万6000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 202)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径38.0mm、厚さ10.4mm)。世界限定28本。予価567万6000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 202)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径38.0mm、厚さ10.4mm)。世界限定28本。予価567万6000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 202)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径38.0mm、厚さ10.4mm)。世界限定28本。予価726万円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 202)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径38.0mm、厚さ10.4mm)。世界限定28本。予価726万円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。
3通りのカラー(素材)の組み合わせとは、“ビルマ翡翠 × ピンクオパール”、“ラピスラズリ × レモンクリソプレーズ”、“トルコ石 × 珊瑚”である。それぞれ自然由来の素材であるため、デザイン上の差異となる程度の個体差を生じるのが一般的であるが、H.モーザーは色の濃さや透明度の高さの両方について、最大限の厳格さをもって選別して本コレクションに用いている。
「エンデバー・スモールセコンド コンセプト ポップ」は、ステンレススティール製ケースに自動巻きムーブメントCal.HMC 202を搭載するモデルで、各宝石の文字盤をベースとした6モデルが用意される。スモールセコンド部には対となる素材が組み合わされている点が特徴であり、Ref.1202-1205では、ビルマ翡翠の柔らかなグリーンをベースに、補色の関係に近いピンクオパールのスモールセコンドダイアルを組み合わせ、ミニマムながらインパクトのあるコーディネートとなっている。
ケース径38.0mmのコンパクトな仕立てでありながら、インデックスを配したミニマムなデザインと広く取られた文字盤によって、文字盤に用いられた宝石の魅力が引き出されたデザインである。ケースバック側からはCal.HMC 202の18Kゴールド製ローターや、ムーブメントに施された極めて高いレベルの仕上げを鑑賞可能であり、ミニマムな本作のデザインにおける重要な構成要素となっている。各モデルは世界限定28本となる。
H.モーザー 2025新作②「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ポップ」6モデル
フライングトゥールビヨンモデルの「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ポップ」は、直径40.0mmのステンレススティール製ケースに自動巻きムーブメントCal.HMC 805を搭載し、6時位置にフライングトゥールビヨンを配するモデルである。
6モデルそれぞれに各宝石を文字盤のベースに用いて、対となるカラーの宝石をリング状に配している点が特徴となる。Ref.1805-1205では、ダークな色調のラピスラズリをベースに、リング状のレモンクリソプレーズを配し、落ち着いた印象の中に明るいグリーンの意外性を加えている。また、リング状のレモンクリソプレーズの上にフライングトゥールビヨンの回転軸が重なるデザインで、インデックスを配した文字盤デザインとの組み合わせによって、その作動に注目が集まる意匠となっている。また、このフライングトゥールビヨンは1分間に1回転するスモールセコンドとしても働き、本作が時を刻む様子を鑑賞可能となっている。各モデルは世界限定5本となる。

自動巻き(Cal.HMC 805)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.0mm、厚さ13.5mm)。世界限定5本。予価1394万8000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 805)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.0mm、厚さ13.5mm)。世界限定5本。予価1394万8000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 805)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.0mm、厚さ13.5mm)。世界限定5本。予価1394万8000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 805)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.0mm、厚さ13.5mm)。世界限定5本。予価1394万8000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 805)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.0mm、厚さ13.5mm)。世界限定5本。予価1469万6000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 805)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.0mm、厚さ13.5mm)。世界限定5本。予価1469万6000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。
H.モーザー 2025新作③「エンデバー・ミニッツリピーター トゥールビヨン コンセプト ポップ」
ミニッツリピーターモデルの「エンデバー・ミニッツリピーター トゥールビヨン コンセプト ポップ」は、直径40.0mmの18Kレッドゴールド製ケースに、手巻きムーブメントCal.HMC 904を搭載するモデルだ。エンデバー・ミニッツリピーター トゥールビヨン コンセプト ポップのみ、各宝石をベースにして、ラッカーによって対となるカラーを載せてポップ コレクションのカラーコーディネートを生み出しており、6モデルが用意される。
Ref.1904-0405では、トルコ石をベースにして6時位置にフライングトゥールビヨンを配し、10時位置にミニッツリピーターのハンマーを配する。ハンマーの周囲とゴングが配された文字盤の外周には、トルコ石のブルーと対を成すオレンジラッカーが載せられ、ミニッツリピーターの作動にフォーカスするようなデザインとなっている。本作のミニッツリピーターは、1時間、15分、1分単位をチャイムで告げるものとなっており、インデックスを配した本作では、正確な時刻を音によって知ることができる。時計技術の中でも特別な機構であるミニッツリピーターの魅力にフォーカスしたコンセプトと言えるだろう。各モデルはユニークピース(世界限定1本)となる。

手巻き(Cal.904)。35石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約90時間。18KRGケース(直径40.0mm、厚さ13.5mm)。ユニークピース。予価5688万1000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。
H.モーザー 2025新作④「ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック フローズン」
「ストリームライナー」コレクションに、手作業で施した凹凸によるフロスト仕上げの文字盤が特徴的な「ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック フローズン」が追加された。2020年初出のストリームライナーは、高速鉄道のストリームラインから着想を得たスポーティーなコレクションで、有機的なケースシェイプと、そこから繋がるブレスレットのシルエットが特徴である。
本作の見どころは文字盤である。真鍮板に手彫りでエングレービングを施し、スタンピングによって凹凸感を強調。その上にラッカーを塗布して、H.モーザーの代名詞にもなっているグラデーションの“フュメ”に仕立てている。このような仕上げにより、文字盤は鉱石の結晶のようなテクスチャーを持ち、有機的なシェイプのケースと組み合わさることで本作特有の魅力を打ち出している。

自動巻き(Cal.HMC 907)。55石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KRGケース(直径42.3mm、厚さ14.2mm)。12気圧防水。予価1108万8000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。

自動巻き(Cal.HMC 907)。55石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42.3mm、厚さ14.2mm)。12気圧防水。予価840万4000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。
搭載される自動巻きフライバッククロノグラフムーブメントのCal.HMC 907は、センターの時分針に加え、センタークロノグラフ秒針および分針を備えるムーブメントで、クロノグラフの作動によりクロノグラフ秒針が回転し、60秒経過後にクロノグラフ分針が1分進む表示形式となる。また、フライバッククロノグラフを実現しており、プッシャー操作によって瞬時に帰零して時間の再計測が始まるものとなっている。インダイアルを持たずにクロノグラフを実現するこれらの機構は、H.モーザーのミニマリズムを反映したものと言えるだろう。
今般用意されるのは2モデルで、ミッドナイトブルー文字盤に18Kレッドゴールド製ケース、ラバーストラップの組み合わせと、マトリックスグリーン文字盤にステンレススチール製ケース、ブレスレットの組み合わせとなる。
H.モーザー 2025新作⑤「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ターコイズエナメル」
H.モーザーの代名詞であるフュメダイアルの魅力をさらに高める、新たな技法を盛り込んだ「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ターコイズエナメル」が発表された。H.モーザーのミニマリストの哲学を反映する、ロゴおよびインデックスさえも廃した文字盤には、グラデーションによる柔らかな色調のターコイズカラーと、細やかな凹凸により生じる表情の変化が魅力の1本だ。

自動巻き(Cal.HMC 805)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KRGケース(直径40.0mm、厚さ11.2mm)。予価1342万円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。
この文字盤は、ホワイトゴールドのベースに半透明のエナメルを何層にもわたって塗布し、高温で焼成するグラン・フー エナメル加工を行うことで作られる。その過程で、3種類の顔料によって新色となるターコイズカラーの濃淡が与えられ、焼成によって特有の深みと透明感のあるフュメダイアルとして仕立てられている。そして本作の注目点は、ベースに槌目(つちめ)仕上げを施している点である。これにより、槌目の凹凸でエナメルの厚さが変わり、細かな濃淡が散りばめられ、本作特有の表情を生み出している。
この優美な文字版と組み合わされるのは自動巻きのフライングトゥールビヨンムーブメント、Cal.HMC 805である。1分間に1回転するフライングトゥールビヨンを6時位置に配し、有機的で不規則な文字盤の中で、トゥールビヨンのメカニカルな魅力が引き立つ仕上がりとなっている。
H.モーザー 2025新作⑥「エンデバー・センターセコンド コンセプト パープルエナメル」
グラン・フー エナメルの魅力をさらに高める手法を取り入れたパープルフュメ文字盤の新作「エンデバー・センターセコンド コンセプト パープルエナメル」が発表された。本作の文字盤も、ホワイトゴールドのベースに槌目の凹凸を与えたうえで、グラン・フーエナメル加工を施している。H.モーザーが“パープルヘイズ”と呼ぶ本作のカラーは紫の煙を意味し、“フュメ”が煙を意味するフランス語であることから想起したものである。

自動巻き(Cal.HMC 201)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.0mm、厚さ11.2mm)。予価482万9000円(税込み)。2025年6月 日本入荷予定。
深みのあるパープルヘイズを実現するため、6色のエナメル顔料を調合し、均一に、そして特有のグラデーションを成すように繰り返し塗布して、高温で焼成して仕上げている。その仕上がりには透明感があり、ホワイトゴールドのベース上の凹凸が透けて見え、凹凸で生じるエナメル層の厚さの変化が色彩の濃淡を作り出して、本作の表情となっている。
本作は自動巻きの3針ムーブメントであるCal.HMC 201を搭載し、ロゴもインデックスさえも廃したレイアウトを持つ。そのため、本作のパープルヘイズの文字盤の魅力が最大限に引き立てられており、H.モーザーのミニマリストの哲学を色濃く反映したモデルと言えるだろう。