2025年 ジャガー・ルクルトの新作時計を一挙紹介!

2025.04.03

ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブでジャガー・ルクルトが発表した、2025年の新作時計を紹介する。今年も同社を代表するコレクションである「レベルソ」が拡充され、さまざまな新型モデルがリリースされた。

ジャガー・ルクルト 2025年新作 レベルソ


2025年新作①「レベルソ・トリビュート・ジオグラフィーク」

 1931年に製造された「レベルソ」は、ポロの競技中に時計を守るために、ケースを反転させる仕様としたことが大きな特徴だ。1985年に復活し、以降、同社の代表的なコレクションとして人気を博している。

 レベルソ復活後の1991年、誕生60周年という節目を境に、ジャガー・ルクルトはこのアイコニックな腕時計に複雑機構を搭載させていった。そんな歴史を象徴するかのような新作モデルが「レベルソ・トリビュート・ジオグラフィーク」である。

ジャガー・ルクルト 2025年新作 レベルソ

ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・ジオグラフィーク」Ref.Q714256J
手巻き(Cal.834)。18石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KPGケース(縦49.4×横29.9mm、厚さ11.14mm)。3気圧防水。世界限定150本。545万6000円(税込み)。

ジャガー・ルクルト 2025年新作 レベルソ

ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・ジオグラフィーク」Ref.Q714845J
手巻き(Cal.834)。18石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(縦49.4×横29.9mm、厚さ11.14mm)。3気圧防水。330万円(税込み)。

 本作はレベルソの複雑機構の歴史を象徴するとともに、もうひとつの歴史的タイムピースと紐付けることができる。1998年、ジャガー・ルクルトは初めて同コレクションをトラベルウォッチとして解釈した「レベルソ・ジオグラフィーク」を、1990年代に500本の限定生産で発売された、6つの複雑機構搭載レベルソのひとつとして発表しているのだ。そして2025年、「レベルソ・トリビュート」シリーズに初めて複雑機構が搭載され、“ジオグラフィーク”の名が冠されることとなった。

 限定150本の18Kピンクゴールド製モデルとステンレススティール製モデルが用意されたこの新作タイムピースは、ジャガー・ルクルトの新開発ムーブメントCal.834を搭載している。一見するとミニマルな3針モデルにグランドデイトが配されたモデルと見て取れるが、ケースを反転させるとワールドタイムウォッチとなっており、24の主要都市のタイムゾーンを確認できるのだ。

ケースを反転させるとあらわになる世界地図と都市名、そして24時間表示のタイムゾーンディスク。海は手作業によってラッカーがあしらわれ、大陸はポリッシュ仕上げが与えられている。都市名はエングレービングされているため、判読性にも優れていると言える。

 このワールドタイムの操作がまたユニークだ。見た目に楽しいということもあるが、クレドールからスライドさせたケースの、12時側の側面に出てくるプッシュボタンによって操作するのだ。一般的なワールドタイムはケースサイドの見える部分にプッシュボタンが配されているが、アールデコ調のスタイルを崩すことなくこの機構を実現したのは、レベルソの仕組みならではと言えるだろう。

 プッシュボタンをクリックすると、ディスクが1時間単位で素早くジャンプする。この仕様も一般的なワールドタイムとは異なる。通常は、都市がディスクに記され、基準としたい都市を12時位置に合わせる。24時間表示は固定されており、知りたい都市の箇所で何時かを読み取る。しかしジャガー・ルクルトはその関係を“反転”させ、時間表示側をディスクとして動かす仕様としているのだ。これらの機構を実現する新型ムーブメントは、モジュール追加ではなく、完全一体型のムーブメントとなっている。

裏側のワールドタイム表示は、ステンレススティール製モデルはブルーが、18Kピンクゴールド製モデルはブラックが基調となっている。

 ワールドタイムのみならず、3針とグランドデイト側の文字盤も独創性にあふれている。深みのあるブルーまたはチョコレートカラーの文字盤はサンレイ仕上げが施されており、光の当たり具合によってその表情を微妙に変える。ブルー文字盤の方は、24層のブルーラッカーを重ねて製造している。

 また12時位置のグランドデイトも特筆すべき機構だ。このグランドデイト表示は2021年、同社のエンジニアが長方形のレベルソケースの限られたスペースに収められる、新しい形の日付ディスクを開発し、特許を取得したことで実現している。なお、2枚のディスクは重なっているのではなく隣り合っており、1桁の日付が終わる時、ディスクの小さなフックがもう1枚のディスクに引っかかって回転させることで2桁の数字へと送る。この構造によってディスク同士で高低差が出ず、視覚的な調和が生まれるのだ。

ジャガー・ルクルト レベルソ ワールドタイム

ポリッシュされたアプライドインデックスやドーフィン針によって、ドレッシーな装いでありながら、視認性は良好だ。

 この特別なレベルソ・トリビュート・ジオグラフィークのうち、150本限定の稀少な18Kゴールドモデルは、1991年の6つの「60周年記念モデル」を収めた「ノナンティエム・コレクターズボックス」からインスピレーションを得た、特別なボックスとともに発表される。6つに区切られた各コンパートメントは独特なレベルソモデル専用となっている。

 なお、SSモデルの方はカーサ・ファリアーノがデザインを手掛けたストラップが2本付属する。ブルーレザーまたはレザーとキャンバスのバイマテリアル製ブルーストラップが、交換可能なダブルフォールディングバックルとともに装着できる。18Kピンクゴールドモデルの方はゴールデンタン カーフレザーまたはブラックアリゲーターが付属し、交換可能なピンバックルとともに楽しめる。


2025年新作②「レベルソ・トリビュート・ミニッツリピーター」

 7つの特許取得発明を含む、完全一体型の新しいムーブメントCal.953を、メティエ・ラール™工房で製造したエナメル文字盤とともに手元で楽しめる新作モデルが「レベルソ・トリビュート・ミニッツリピーター」だ。

ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・ミニッツリピーター」Ref.Q7122480
手巻き(Cal.953)。72石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KPGケース(縦51.1×横31mm、厚さ12.6mm)。3気圧防水。世界限定30本。要価格問い合わせ。

 この新しいレベルソも一見するとシンプルな2針、それでいて反転させると複雑精緻なムーブメントが目に飛び込んでくるというモデルだ。ジャガー・ルクルトが「時計職人がマスターするのが最も困難で、最も挑戦のしがいがある複雑機構」とみなしているミニッツリピーターが収められている。

 ジャガー・ルクルトは1994年に「レベルソ・ミニッツリピーター」を発表している。以来、この小ぶりな長方形のケースにリピーター機構を搭載させるため、ゴングの形状を変え、そして生み出される音質を追求し、向上させる発明で数多くの特許を取得してきた。2005年のクリスタルゴングや2009年のトレヴュシェハンマーが、その代表例である。そんな豊かなチャイミング機構の伝統を持つ同社から打ち出される本作には、前述したクリスタルゴングやトレヴュシェハンマ、そしてサイレントインターバルを除去するサイレント・タイムラプス低減機構など、7つの既存特許が盛り込まれた。

 スペースを取る“鳴りもの”でありながら、ケースサイズは縦51.1×横31mm、厚さ12.6mmのサイズ感を実現し、かつパワーリザーブも実用的な約48時間となっている。

レベルソ・トリビュート・ミニッツリピーター

文字盤の特徴的なバーレイシードパターンは、ギヨシェ彫りによってあしらわれている。さらにグラン・フー エナメルが何層にもわたって施されるなど、匠の技が惜しげもなく使われている。

 美観が極限まで追求されている点も、ジャガー・ルクルトの卓越したウォッチメイキングの精神を感じさせる。本作の“表側”の文字盤は手作業でギヨシェ彫りしたバーレイシードパターンがあしらわれており、さらに新色となるティールブルーのグラン・フー エナメルが何層にも重ねられている。この文字盤は、ジャガー・ルクルトのメティエ・ラール™工房で行われ、ギヨシェ彫りには4時間、グラン・フー エナメルにはそこからさらに8時間が要されるのだという。

 ケースを反転させるとオープンワークとなっており、リピーター機構の複雑な動きが見えることはもちろん、手作業で面取りや装飾が施された、優美なムーブメントのパーツを観賞できる。5時〜7時位置まで、ムーブメントの全幅にわたってハンマーを支えるブリッジはブルーラッカーで装飾された。

高級機らしく仕上げや深い面取りが施されているのが、写真からも伝わってくる。ブリッジはツヤ消しが基調となっており、ポリッシュの針やインデックス、ケースとコントラストをつくり出し、奥行きを生み出している。

 一方でこういったオープンワークは判読性が低くなる傾向にあるが、本作はミニッツトラックがあしらわれたブルーラッカーの外周やファセットカットされたインデックス、そして力強い針によって、時刻確認に難はなさそうだ。

 ケース側面に取り付けられたリピーターを作動させるスライダーは、レベルソのアールデコ調のスタイルの邪魔をしていない。

 本作にはブラックのアリゲーターストラップが付いている。なお、18Kピンクゴールド製のフォールディングクラスプは、驚くべきことに微調整機構付きだ。0.5ミリ単位での微調整が可能なダブルホイール機構を新たに備えたのだ。

 本作も、ノナンティエム コレクターズボックスとともに発表される。限定30本とさらに稀少なモデルであるが、ジャガー・ルクルトのウォッチメイキングの現在地がよく分かる新作モデルと言えるだろう。


2025年新作時計③「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」

 ミラネーゼリンクブレスレットを備えた「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」も要注目だ。

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド

ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」Ref.Q713216J
手巻き(Cal.822)。19石。2万1600振動/時。18KPGケース(縦45.6×横27.4mm、厚さ7.56mm)。3気圧防水。642万4000円(税込み)。

 ヴィンテージウォッチに見られる、メッシュタイプのミラネーゼブレスレット。しなやかで優美なこのブレスレットは、腕時計に独創性をもたらしてくれる。本作はこのミラネーゼブレスレットとグレイン仕上げが施されたゴールドカラーの文字盤を組み合わせることで、ヴィンテージ感と現代的なエレガンスを両立させている。

 ケースは7.56mmと薄く、わずかにアップデートされたラグアタッチメントがブレスレットと一体化しているように見せているため、優美なラインを描いている。ケースにボリュームはないものの、18Kピンクゴールドの重みが心地よく感じられるだろう。

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド

数回のプレス加工によって施した繊細なパターンの文字盤がゴールドという華やかな色合いを、落ち着いた印象にしている。なお、ケースバックはソリッド式。この面にエングレービングのパーソナライズができるため、自分だけの1本をつくることが可能だ。

 この優美なブレスレットには、スライド式クラスプが搭載されており、微調整可能だ。

 搭載されるムーブメントは、レベルソの中でもベーシックな手巻きCal.822。パワーリザーブは約42時間となっている。


2025年新作④「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」

「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」からは、2種の新しい文字盤が発表された。

レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド

ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」Ref.Q398847J
手巻き(Cal.854)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(縦47×横28.3mm、厚さ10.34mm)。3気圧防水。212万9600円(税込み)。

レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド

ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」Ref.Q3988481
手巻き(Cal.854)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(縦47×横28.3mm、厚さ10.34mm)。3気圧防水。212万9600円(税込み)。

 ブラックまたはブルーの文字盤がモダンな本作。ケースを反転させるとシックなシルバーグレー文字盤があらわになる。さらに表面が3針表示のみであったことに対し、裏面は時分針のほか、デイ・ナイト表示と24時間表示が備わった。つまり、裏面で第2時間帯表示をさせることができる。“デュオ”と名の付く通り、違った顔を表裏で見せてくれる腕時計となっている。なお、操作もシンプルで、クレドールからスライドさせたケース12時位置のプッシュボタンで1時間ずつ時針を進ませるだけだ。

 どちらもステンレススティール製ケースで、ムーブメントは手巻きCal.854を搭載している。パワーリザーブは約42時間。2本のストラップが付属しており、文字盤に合わせたカラーのレザー、またはレザーとキャンバスのバイマテリアル製ストラップが楽しめる。



Contact info:ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833


ジャガー・ルクルトのメティエ・ラール工房が伝統技法を「レベルソ」で継承

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ジャガー・ルクルト。新しいふたつの「レベルソ・トリビュート」は、クラシカルを強調する

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「レベルソ」再興直後のジャガー・ルクルトを、バーゼル94と本社工場取材から知る【スイス時間旅行−追想の90年代】

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