創業25周年を迎えるジェラルド・チャールズが、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2025で周年記念モデルを発表した。その「マエストロGC39 25周年記念モデル」を紹介する。
ジェラルド・チャールズの2025年新作時計「マエストロGC39 25周年記念モデル」
ジェラルド・チャールズは、2000年にジェラルド・ジェンタのふたつのファーストネームを冠して誕生したブランドである。ジェンタは2003年までブランドを率いた後、親交の深かったイタリアの時計業の名家、ジヴィアーニ家に会社を譲り、逝去する2011年までチーフデザイナーとして精力的に活動を行っていた。現在のジェラルド・チャールズのラインナップは、2004年にジェンタによって生み出されたオリジナルデザインをベースとしているため、ジェラルド・チャールズは、時計デザインに多大なる影響を与えたジェンタ最晩年のデザインを形にしていると言えるだろう。
2025年のウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブで発表された「マエストロGC39 25周年記念モデル」も、そのひとつである。本作はブランド創立25周年を記念するモデルだ。ベースとなった「マエストロGC39」を含むジェラルド・チャールズの各モデルの基本デザインは共通しており、17世紀の建築家であるフランチェスコ・ボッローニ設計によるバロック様式のモニュメントから着想を得たものである。ベゼルとケースのアウトラインは八角形をベースに相似形を成して階段状に連なっており、6時位置には特徴的なふくらみの「スマイル」が加えられている。

自動巻き(マニュファクチュール4.0キャリバー)。38石。パワーリザーブ約50時間。Tiケース(縦42×横41mm)。100m防水。世界限定100本。775万7750円(税込み)。
時刻の表示形式はクラシカルな“モントレ・ア・ギシェ(窓掛け時計)”から着想を得たもので、2005年のオリジナルモデルではアントワーヌ・プレジウソが開発した「スライディング・アワー」によって12時位置の文字盤開口部に時間を示し、センターに分針を備えていた。
マエストロGC39 25周年記念モデルはこの特徴的な時刻表示形式を、自社開発ムーブメントのマニュファクチュール4.0キャリバーによって実現する。このムーブメントはジャンピングアワーを採用しており、ジェンタは晩年にジャンピングアワーを採用したモデルを多くデザインしていることから、ジェンタへのリスペクトが表れていると言えるだろう。
文字盤デザインはオリジナルをベースとしつつ、文字盤中央部にラピスラズリを配し、そこから光が放たれたような放射状の凹凸が設けられる。また、外周にはミニッツトラックを配してクラシカルな印象を強めている。本作のケースはグレード5チタン製で、ポリッシュ仕上げによって外観品質を高めつつ、着用感の向上を図っている。