手元に個性を求めるならラドーの時計がひとつの答えになるだろう。ラドーは、革新的な素材使いと独創的なデザインで知られているブランドだ。特に注目すべきはハイテクセラミックス技術。スウォッチ グループに所属し、同グループ内のコマデュールで製造される高品質なセラミックスを採用しているため、高いクォリティを誇っている。それでいて、手の届きやすい価格を実現している点が魅力だ。そんなラドーから、「キャプテン クック」や「トゥルー スクエア」「セントリックス」など、多彩なコレクションを紹介する。
“マスター・オブ・マテリアル”。ラドーってどんな時計ブランド?
個性を重視する時計愛好家にとって、ラドーはひときわ魅力的な存在だ。スイスの名門ブランドでありながら、他のブランドとは一線を画す独自のスタイルを持っている。その最大の特徴が革新的な素材使いにある。特に注目すべきは、ブランドの象徴ともいえるハイテクセラミックスの技術だ。耐傷性と軽さ、快適な装着感を実現し、多くの時計ブランドの追随を許さない。
ラドーのブランド哲学と特徴
セラミックスで製造された角型ケースという強烈な個性を持つにとどまらず、さらに文字盤をオープンワークとした独創的な「トゥルー スクエア スケルトン」。2025年に発表された新作時計だ。自動巻き(Cal.R808)。ガンメタルカラーモデル。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。セラミックケース(縦44.2×横38.0mm、厚さ9.7mm)。5気圧防水。47万6300円(税込み)。
ラドーは、「マスター・オブ・マテリアル」として知られる通り、素材を追求し続けてきた歴史を持つ。1917年からムーブメントを製造してきたが、1957年に現在の社名となってより、他ブランドとの差別化を図るために素材研究に力を入れてきた。その結果、セラミックスやハイテクメタル、ダイヤモンドといった、これまで腕時計では決して一般的ではなかった素材の採用に成功し、特にハイテクセラミックスを使った時計で一躍注目を浴びた。
素材に注力する理由は明確だ。腕時計は日常使いされるアイテムであり、長期間にわたって美観を保つ必要がある。そこでラドーは、キズが付きにくく、なおかつ軽量であるセラミックスをいち早く導入。これによって快適な着け心地と高い耐久性を両立させた時計を生み出してきた。
セラミックス技術の革新とその魅力
ラドーの代名詞であるハイテクセラミックスは、スウォッチ グループの一員であるコマデュールが製造している。同社はオメガやブランパンといったハイブランドのセラミックスも手掛けている工房であり、セラミックスを取り扱うノウハウに長けていることは、言うまでもない。そんなコマデュールのセラミックスを用いつつも、ラドーの時計は手が届きやすい価格帯に設定されている点が大きな魅力だ。
ハイテクセラミックスはステンレススティールよりも約30%軽く、非常に硬度が高いため傷が付きにくい。また金属アレルギーを引き起こさない性質を持ち、肌に優しい。これらの特徴が組み合わさって日常使いにも適したモデルがそろっているのだ。ラドーは単にデザインを重視したブランドではなく、素材革新を通じて実用性と美しさを兼ね備えた時計を提供している。

なお、ラドーはセラミックスをはじめ、素材革新を続けている。たとえば、プラズマ ハイテクセラミックスという革新的な技術を取り入れ、メタリックな質感を持ちながらも軽量かつ傷に強い特性を実現した。このように伝統と革新を融合させた時計作りがラドーの魅力であり、他ブランドにはない独自性を確立しているのだ。
ラドーの代表的なコレクションを一挙紹介!
ラドーの時計は革新的な素材使いや独自のデザインで知られているが、その個性は各コレクションにも色濃く反映されている。用途やデザインの違いによって多彩なモデルが展開されており、手首を個性的に彩る時計を求める人々から高い支持を得ている。
冒険心をくすぐる「キャプテン クック」

自動巻き(Cal.R808)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。ハイテクセラミックケース(直径43mm、厚さ14.6mm)。30気圧防水。69万6300円(税込み)。
「キャプテン クック」はラドーが誇る、冒険心を象徴するコレクションであり、1960年代に登場したオリジナルモデルを復刻したことで話題となった。クラシカルなデザインに現代的な技術を融合させ、ヴィンテージ感とモダンな魅力が見事に調和している。注目すべきはハイテクセラミックス製の回転ベゼルだ。耐傷性に優れ、長期にわたって美しさを保つことが大きな特徴である。
ケースは直径42mmと43mmを中心としたラインナップで、手首にしっかりと馴染むサイズ感が人気だ。風防にはドーム型サファイアクリスタルを採用し、優れた耐傷性とともにレトロな趣が漂う。また300mの防水性能を備えているため、ダイバーズウォッチとしての性能も申し分ない。
掲載モデルのムーブメントは自動巻Cal.R808搭載しており、約80時間のパワーリザーブを備えている。また、針やインデックスにはスーパールミノバが使用されており、暗所での視認性も確保されている。
なお、キャプテン クックはブロンズケースモデルやセラミックスベゼルのモデルがラインナップされるなど、素材やカラーの選択肢が幅広い点も魅力だ。クラシカルでありながらも現代的な装いを持つ本コレクションは、冒険心と上品さを併せ持つ腕時計と言えるだろう。
個性派デザインが魅力の「トゥルー スクエア」

自動巻き(Cal.763)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。ハイテクセラミックケース(直径38mm、厚さ9.6mm)。5気圧防水。32万6700円(税込み)。
「トゥルー スクエア」は、その名の通りスクエア型のケースが特徴のモデルであり、ラドーのコレクションの中でも異彩を放つ存在だ。角張ったフォルムながらもハイテクセラミックスを採用することで滑らかな質感が生まれ、快適な装着感を実現している。スクエア型でありながら手首に自然に馴染むのは、セラミックス特有の滑らかな質感と軽さのおかげだ。
モノブロックケース構造を採用しているため、ケースとブレスレットが一体化しているような、継ぎ目のない滑らかなデザインが際立ち、他の時計ブランドではなかなか見られない個性が強調されている。
ダイアルデザインも非常にシンプルでありながら、バーインデックスやミニマルな針が洗練された印象を与える。バリエーションも豊富でブラックやホワイトだけでなく、ブルーやブラウンといったカラー、さらにはオープンワークを取り入れたモデルも展開されているため、ファッション性が高い点もポイントだ。
ムーブメントには自動巻きに加えてクォーツもラインナップされている。クォーツは扱いやすく、いつも正確な時刻表示が可能であるため、初めて高級腕時計を購入するユーザーにとっても良い選択となる。都会的でモダンなデザインが特徴の「トゥルー スクエア」は、個性的な時計を求める人々に支持されている。
ラグジュアリーと実用性の融合「セントリックス」

自動巻き(Cal.763)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ11.3mm)。5気圧防水。30万300円(税込み)。
「セントリックス」はエレガントさと実用性を兼ね備えたラドーの代表的なシリーズである。特徴は、ブレスレット部分にハイテクセラミックスとステンレススティールを組み合わせたリンク構造を採用している点だ。これによって軽さと耐久性を両立するのみならず、腕に心地よくフィットする滑らかな肌触りを実現した。
もちろんブレスレットだけではなく、ケースデザインも洗練されている。ポリッシュ仕上げのステンレススティール製ケースは高級感があり、セラミックス特有の艶をより一層際立たせている。ケースは30.5mmから40mmまで小ぶりなサイズが揃っており、性別を問わず着用しやすいサイズ展開が魅力だ。
ムーブメントにはクォーツモデルと、自動巻きの両方が用意されている。扱いやすいクォーツも良いが、自動巻きモデルはパワーリザーブが約80時間と実用的なスペックで、忙しい社会人にとって、時刻合わせの手間が少ないのはうれしいポイントとなるだろう。なお、ブラック、ホワイト、ゴールドなどの落ち着いたカラーも人気を集めている。
セントリックスはビジネススタイルからカジュアルまで幅広く対応する万能モデルだ。ラグジュアリー感を求めつつも実用性を重視する人々におすすめの1本である。
シンプルでエレガントな「トゥルー ラウンド」

クォーツ。ハイテクセラミックケース(直径40mm、厚さ8.9mm)。5気圧防水。23万8700円(税込み)。
「トゥルー ラウンド」はシンプルさとエレガントさを追求したデザインが特徴のモデルだ。無駄を省き、洗練されたフォルムが上品さを引き立てる。ケースにはラドーが得意とするハイテクセラミックスを採用しており、薄型ながらも耐傷性が高く、長期間にわたって美しさを保てるのが魅力である。
ダイアルはバーインデックスと細身の針がシンプルに配置されたミニマルなデザインのモデルをベースに、近年ではスケルトンデザインもラインナップされている。特にブラックやホワイトのシンプルなカラーが多く、あらゆるファッションに合わせやすい点もポイントとなっている。
薄型ケースの採用によってジャケットやシャツの袖口にも引っかかりにくく、ビジネスシーンでも活躍する。スーツスタイルでも違和感なく使えるトゥルー ラウンドは、シンプルさを求める人々から高い評価を受けている。シーンを問わず活躍できるこのモデルは、機能性とスマートなデザインの両方を兼ね備えた万能なタイムピースだ。
薄さを極めた「トゥルー シンライン」

クォーツ。プラズマ ハイテクセラミックケース(直径39mm、厚さ5mm)。3気圧防水。36万1900円(税込み)。
「トゥルー シンライン」はラドーが誇る超薄型モデルであり、厚さわずか5mmという驚異的な薄さを実現している。ビジネスシーンでも活躍するデザインが魅力で、シャツやジャケットの袖口に引っかかりにくい点が特徴だ。
ケースにはハイテクセラミックスを採用しており、軽量かつ耐傷性に優れているため、長時間の着用でも疲れにくい。セラミックス独自の滑らかな質感が腕にフィットし、快適な着け心地を実現しているのもポイントだ。
ダイアルデザインはミニマルで、シンプルなバーインデックスと細身の針が整然と配置されている。視認性を確保しながらも無駄のない美しさを追求している点が印象的だ。カラーバリエーションにはブラックやホワイト、グレーに加え、限定モデルではブルーやオレンジ、イエローといったビビッドな色調も展開されている。
伝統と先進が融合した「ダイヤスター オリジナル」

自動巻き(Cal.R764)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SS×セラモスケース(直径38mm、厚さ11.9mm)。10気圧防水。28万2700円(税込み)。
「ダイヤスター オリジナル」はラドーの代表的なコレクションであり、1962年に世界初の耐傷性腕時計として登場した。独自のデザインと高い耐久性が特徴であり、その革新的な技術が時計界に大きなインパクトを与えた。ブランド創業当初から続くこのモデルは、ラドーの革新を追求する精神を体現している。
特筆すべきはケースの大部分を覆うセラモス製のベゼルだ。これによって非常に硬度が高く、長年の使用にも耐えうる優れた耐傷性を実現している。またオーバル型のケースはアイコニックなデザインとなっており、他の時計にはない独特な存在感を放つ。
搭載されているのは自動巻きのムーブメント。80時間のパワーリザーブを誇るため、実用性も申し分ない。サファイアクリスタル風防には直線的なカッティングが施され、レトロでありながらも現代的な美しさを持つ。ダイアルカラーはシルバーやゴールドが多く、高級感が際立つ。
ダイヤスター オリジナルはその歴史的意義と独特のデザインが融合し、時計愛好家から根強い支持を得ている。伝統を守りつつも現代の素材技術を取り入れた革新モデルであり、ラドーの象徴として時代を超えて愛され続けている。
エレガンスが際立つ「フローレンス」

クォーツ。SSケース(直径38mm、厚さ8.7mm)。5気圧防水。15万9500円(税込み)。
「フローレンス」はクラシカルなデザインを持つラドーの代表的なモデルだ。シンプルで上品な佇まいが魅力であり、どのようなシーンにも合わせやすいユニバーサルなデザインが特徴だ。
ケースにはポリッシュ仕上げが施され、光を反射する美しい輝きが手首を華やかに彩る。ステンレススティールケースと滑らかなブレスレットが一体となり、流れるようなフォルムが特徴的だ。ケースサイズはやや控えめで、男女問わずフィットするサイズ感が魅力だ。
ダイアルにはホワイトやブラックが主に採用され、クラシカルなローマ数字インデックスが配置されている。シンプルでありながらも気品が漂うデザインが、どの角度から見てもエレガントさを感じさせる。風防にはサファイアクリスタルが使われており、耐傷性が高く長く美しさを維持できる。
多くのモデルがクォーツを採用しており、メンテナンスが容易で正確な時間表示が可能だ。スーツやジャケットスタイルでも違和感なく使用できるため、オンオフ問わず幅広いシーンで活躍する。伝統的な美しさと現代的な素材技術が融合したフローレンスは、シンプルながらも確かな存在感を放つ。
モダンでアクティブな「ハイパークローム」

自動巻き(Cal.R650)。SS×ハイテクセラミックケース(直径45mm、厚さ13mm)。10気圧防水。74万9100円(税込み)。
「ハイパークローム」はラドーの中でも特にスポーティーでモダンなデザインが特徴のシリーズだ。アクティブなライフスタイルを持つ人々に向けて作られたこのモデルは、スポーツウォッチでありながらもエレガントさを忘れない絶妙なバランスが魅力である。ケースにはラドー独自のハイテクセラミックスとステンレススティールを融合させた構造を採用している。これによって軽量でありながらも耐久性が高く、手首にしっかりとフィットする快適さを実現している。特にケースサイドにセラミックスを使用することで、キズがつきにくく美しさを長く保つことができる。
ハイパークロームはクロノグラフ機能を備えたモデルも多く、インダイアルをレイアウトした、よりスポーティーでメカニカルなルックスのモデルを選ぶことも可能だ。約80時間のパワーリザーブを備えた自動巻きムーブメントのほか、クォーツを搭載したモデルもラインナップされている
カラーはブラック、ブルー、シルバーなど多彩であり、ファッション性が高い点も人気の理由だ。特にブラックセラミックスモデルはスポーティーな雰囲気と高級感を両立し、男性ユーザーに支持されている。ラドーならではの技術革新とモダンなデザインが融合したハイパークロームは、アクティブな生活を彩る相棒としてふさわしい。
人間工学に基づいた造形が光る「アナトム」

自動巻き(Cal.R766)。21石。パワーリザーブ約72時間。ハイテクセラミック×SSケース(縦46.3×横32.5mm、厚さ11.3mm)。5気圧防水。70万5100円(税込み)。
「アナトム」は1983年にリリースされたタイムピースで、手首に沿うようにカーブを描く、人間工学的なデザインを取り入れたスクエア型のケースが特徴だ。デビュー当時はクォーツムーブメントを搭載していたが、90年代には自動巻きムーブメントを採用。2023年に復活を遂げてからも、象徴的なケースデザインに自動巻きムーブメントを乗せたスタイルが踏襲されている。
ケースにはラドーが得意とするハイテクセラミックスとステンレススティールを組み合わせ、耐傷性に加えて、軽く滑らかな着用感も確保。さらにブラックのマット仕上げ、またはポリッシュ仕上げが施され、高級感が漂うモダンなルックスに仕上げている。
ダイアルは6時位置にデイト表示を備えたデザインになっており、シンプルで判読性も高い。そのうえで、23年の復活第1弾ではダイアルにグラデーションカラーを用いていたが、最新作では1983年のオリジナルモデルを想起させる水平方向のパターンを刻んでおり、クールな表情が楽しめるのも魅力だ。
搭載するムーブメントは自動巻きのCal.R766。約72時間のパワーリザーブを実現するのみならず、ニバクロンのヒゲゼンマイを備えて耐磁性も確保するなど、実用性が向上している。質実を兼備した、革新性を追求するラドーらしいコレクションである。
ハイテクセラミック技術に注目のラドーを装う
ラドーはスイスの名門時計ブランドとして革新的な素材使いと洗練されたデザインで時計界を牽引している。最大の特徴は、ハイテクセラミックスを中心とした、素材を追求する姿勢だ。スウォッチ グループの一員であり、同グループ内のコマデュールで製造されるセラミックスは、オメガやブレゲといったハイブランドと同等の品質を持ちながら、手に届きやすい価格で提供されている。
特に注目すべきは、セラミックスを単なる装飾としてではなく、耐傷性や軽量性、快適な装着感を追求するための技術として活用している点だ。その結果、日常使いでも美しさを保てる時計が多くのファンを魅了している。
ラドーの時計は、単なる時を刻む道具ではなく、個性やスタイルを象徴するアクセサリーとしても愛されている。高品質な素材と革新的なデザインが融合し、長く愛用できる時計を提供するラドーは、個性を重視する時計愛好家にとって理想のブランドだ。時計選びに迷った際には、ぜひラドーを候補に加え、日常を彩る1本を見つけてほしい