2025年の新作時計の中からレディースモデルの傑作5本を選ぶ

2025.04.20

2025年に発表されたレディースウォッチの中から、特に注目のモデルを厳選して紹介する。今回、手元を華やかに彩るジュエリーライクなモデルから、日常使いに役立つ多機能クォーツ、本格派の機械式モデルまで、個性豊かな5本をピックアップした。

新居賢人:文
Text by Kento Nii
[2025年4月20日公開記事]


押さえておきたい2025年新作レディースウォッチ5選

 ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025が閉幕した今、各ブランドから発表された多種多様な新作時計に注目が集まっている。時計市場というと男性ユーザーが多く、メンズ向けモデルがそのラインナップのほとんどといったイメージをお持ちかもしれない。しかし近年はレディースモデルが豊富であることはもちろん、男性にも女性にもフィットするサイズ・デザインの腕時計も多彩に登場しており、女性にとっても魅力的な選択肢が目白押しだ。

 当記事では、グランドセイコー、ブルガリ、オリス、シチズン、タグ・ホイヤーといった国内外のブランドから、女性の手元を彩る魅力的な新作モデルを5本厳選して紹介する。装いに華やかさを添えるだけでなく、そのデザインや機能性で日常に彩りを与えてくれる腕時計を、ぜひ一度チェックしてみてほしい。

グランドセイコー「ヘリテージコレクション 62GS メカニカル 30mm」Ref.STGK031

 ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025に唯一の国産腕時計ブランドとして出展し、グローバルな人気をますます高めているグランドセイコー。同ブランドからは、「ヘリテージコレクション」に属するRef.STGK031をピックアップした。ブランド史上初の自動巻モデル「62GS」を現代的に解釈したデザインを採用しつつ、女性の手元にしなやかにフィットするコンパクトなサイズ感を実現した1本だ。

グランドセイコー「ヘリテージ コレクション 62GS メカニカル 30mm」Ref.STGK031

グランドセイコー「ヘリテージ コレクション 62GS メカニカル 30mm」Ref.STGK031
自動巻き(Cal.9S27)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径30mm、厚さ10.5mm)。10気圧防水。88万円(税込み)。2025年4月25日発売予定。

 上品なピンクダイアルは、春の始まりの頃に見られる、雪が桜の花を覆い隠す“桜隠し”の情景から着想を得たものだ。ブランドが得意とする繊細な型打ち模様を施し、肌なじみの良いグレイッシュピンクに彩ることで、温かみのあるフェミニンな表情に仕上げられている。また、62GSから引き継がれたベゼルレスのデザインによって、この愛らしいダイアルを広々と楽しむことができる。

 ザラツ研磨によってシャープに仕上げられたケースは、直径30.0mm、厚さ10.5mmと、グランドセイコーの自動巻機械式モデルの中でも、とりわけコンパクトなサイズ感を実現している。小型でありながらも、優れた耐磁性能や10気圧防水といったスペックも備えているため、ビジネスからプライベートまで、幅広いシーンでの活躍が期待できるだろう。

 搭載するムーブメントは、Cal.9S27だ。小径ながら約50時間のパワーリザーブを実現しており、トランスパレントバックからは、その駆動やローターの動きが見られる。

ブルガリ「セルペンティ セドゥットーリ オートマティック」Ref.104060

 同名のジュエリーでも広く知られる、ブルガリのアイコンウォッチ「セルペンティ」。その最新のトピックは、自動巻きムーブメントを搭載したモデルの登場だろう。本記事ではその1種である、「セルペンティ セドゥットーリ」Ref.104060をピックアップした。

ブルガリ セルペンティ セドゥットーリ

ブルガリ「セルペンティ セドゥットーリ」Ref.104060
自動巻き(Cal.BVS100レディ ソロテンポ)。28石。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径34mm)。30m防水。157万3000円(税込み)。

 コレクションを象徴するドロップ型のウォッチヘッドはステンレススティール製で、優美かつモダンな仕上がりだ。ダイアルもホワイトオパーリンが上品で、それを囲むベゼルには36個のブリリアントカットダイヤモンドがセットされている。手元を動かすたびに、ラグジュアリーかつ繊細な輝きが目を楽しませてくれるだろう。

 ケース直径は34mmで、リュウズにあしらわれたカボションカットのピンクルベライトが、可愛らしくフェミニンなアクセントとなっている。

 手首に沿うようにフィットするヘキサゴナルブレスレットは、ヘビのうろこと優美なしなやかさを想起させるデザインだ。良好な着用性と美観とを兼ね備えた意匠であり、ジュエリーのような感覚で着用することができる。

 ムーブメントには自社製の自動巻ムーブメント、Cal.BVS100レディ ソロテンポが搭載される。極めて小型でありながらも、パワーリザーブは約50時間を備えた。トランスパレントバックからのぞくそのローターには、ブルガリのロゴとヘビのうろこ柄の装飾が施されており、細部の作り込みにも妥協のない仕上がりとなっている。

オリス「ビッグクラウン」Ref.531 7797 4056-07 8 17 06

 オリスのアイコンである「ビッグクラウン」が、2025年にリニューアル。多彩な新作モデルの登場によって、ケースサイズ、ムーブメント、カラーリングの拡充が行われた。その中からピックアップしたRef.531 7797 4056-07 8 17 06は、直径34mmという新サイズのケースを採用した、コンパクトなビッグクラウンである。

オリス「ビッグクラウン」Ref.531 7797 4056-07 8 17 06

オリス「ビッグクラウン」Ref.531 7797 4056-07 8 17 06
自動巻き(Cal.Oris531)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径34mm、厚さ11.10mm)。50m防水。32万3400円(税込み)。

 テクスチャー加工が施されたモダンなブラウンダイアルは、落ち着いた大人の女性らしさの演出にふさわしく、また、さまざまな装いにも合わせやすい。さらに、シンプルなバーインデックスとスケルトン仕様の時分針との組み合わせによって、パイロットウォッチのルーツを持つビッグクラウン特有のツール感が抑えられ、エレガントな印象が表情に生まれている。

 直径34mm、厚さ11.1mmのコンパクトなケースはシグネチャーである大きなリュウズが際立っており、操作性を高めるとともに、デザイン上のアクセントとして効いている。

 H型リンクを持つブレスレットは、コレクションのリニューアルに合わせて新たに開発されたものだ。その表面は、サテンとポリッシュ仕上げのコンビネーションによってメリハリが効いており、洗練されたスポーティーテイストを手元に演出する。また、組み合わされるバタフライクラスプは、人間工学に基づいて設計されており、優れた装着感に寄与している。

 搭載されるムーブメントは、Cal.Oris531である。パワーリザーブは約42時間を備えており、トランスパレント仕様のケースバックからはオリスのトレードマークであるレッドローターを見ることができる。

シチズン「クロスシー ヒカリ コレクション エコ・ドライブ電波時計 ティタニア ハッピーフライト」Ref.ES9492-57D

 日常使いに役立つ多機能性と、上品なデザイン性を魅力とするシチズン「クロスシー」からは、人気シリーズ「ヒカリ コレクション」の新作モデルをピックアップした。

シチズン クロスシー「ヒカリ コレクション エコ・ドライブ電波時計 ティタニア ハッピーフライト」Ref.ES9492-57D

シチズン クロスシー「ヒカリ コレクション エコ・ドライブ電波時計 ティタニア ハッピーフライト」Ref.ES9492-57D
光発電クォーツ(Cal.H060)。フル充電時約3年稼働(パワーセーブ作動時)。スーパーチタニウム™️ケース(直径27mm、厚さ8.2mm)。5気圧防水。10万2300円(税込み)。

 本作は、独自の表面硬化技術「デュラテクト」の新色である「アンバーイエロー」をケース、ブレスレットに施し、マザー・オブ・パールのダイアルと組み合わせたエレガントなモデルだ。この新色はイエローゴールドよりも温かみがあり、ピンクゴールドよりも甘すぎないトーンが特徴であり、肌になじむ落ち着いた色合いが大人の女性のエレガンスを引き立てる。

 艶のあるマザー・オブ・パールのダイアルは、6時、9時、12時位置に、差し込む光をイメージしたカットパーツが配置されており、シンプルながら華やぎを感じられる仕上がりだ。さらにガラスの縁には、光の粒をイメージしたミルグレインリングが配されるなど、細部に至るまで上品な個性が宿っている。

 ムーブメントには、わずかな光も動力に変える光発電システム、エコ・ドライブを搭載している。定期的な電池交換が不要なうえ、一度フル充電すれば光のない場所でも最大で3年間もの連続駆動が可能だ。さらに、世界4エリア対応の電波受信機能やパーペチュアルカレンダー、磁気や衝撃による針ズレを防ぐ「パーフェックス」なども搭載しており、忙しい現代の女性に役立つ時計となっている。

 ケースサイズは直径27.0mm、厚さ8.2mmとコンパクトなサイズ感を実現しており、さらにスーパーチタニウム™️の採用によって、重量はわずか35gにまで抑えられた。

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2215.FC6568

 タグ・ホイヤーとモータースポーツとの、深い関わりを象徴する「タグ・ホイヤー カレラ」コレクション。その新作として加わったRef.CBS2215.FC6568は、女性らしさとレーシングスピリットとの融合を図った、エレガントでスポーティーな1本である。

タグ・ホイヤー カレラ レディース

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2215.FC6568
自動巻き(Cal.TH20-00)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm、厚さ13.9mm)。100m防水。128万7000円(税込み)。

 目を引くダイアルには、フェミニンな印象を持つパウダーピンクカラーを採用。シルバーで縁取られたふたつのインダイアルとミニマルなスモールセコンドを配置した横3つ目のレイアウトは、視認性を確保しつつ、シンプルな印象にまとめられている。一方でアワーマーカーとして配されたダイヤモンドに加え、フランジ部にもダイヤモンドが贅沢に並べられており、アクセサリーのような華やかな魅力も備えた。

 ケースサイズは直径39mm、厚さ13.9mmを採用。現代的なベゼルレス構造とクラシカルなグラスボックス サファイアクリスタルとの組み合わせが、存在感がありながらも手元にすっきりと収まるデザインを実現している。

 搭載されるムーブメントは、自社製のCal.TH20-00だ。パワーリザーブは約80時間と、実用的だ。また、その駆動やブランドロゴを模したオープンワークを持つローターを、トランスパレントバックから見ることができる。


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