伝統と革新が交差する独立系ブランド、アンジェラスが「ラ ファブリック」コレクションに新たなモデルを加えた。「クロノグラフ テレメーター」と名付けられた本作は、モノプッシャー機構とテレメータースケールを備えた本格機械式クロノグラフである。ケース径は37mmと控えめながら、ヴィンテージを想起させるディテールと現代の製造技術を融合させ、3つの異なるダイアルカラーで展開される限定モデルに仕上がっている。
アンジェラス、限定モデル「クロノグラフ テレメーター」を発表
アンジェラスは、直径37mmのケースとモノプッシャー機構を備えた「クロノグラフ テレメーター」を、ステンレススティール製25本、18Kイエローゴールド製15本という限定数で発表した。

歴史あるタイムピース
アンジェラスは、栄えある伝統と高度なクロノグラフ製造技術を象徴するこのモデルを通じて、名門コレクション「ラ ファブリック」に新たな1章を加えた。1891年、ル・ロックルでシュトルツ兄弟によって創業された同社は、創業当初からミニッツリピーターやクロノグラフといった革新的なタイムピースを手がけてきた。本作は、そうした伝説的モデルに着想を得て、ブランドの象徴的なデザインコードを受け継いでいる。
距離を測る精密なスケール
モデル名にもなっている「テレメーター」とは、クロノグラフ針に連動し、音速を基準として距離を測定するためのスケールである。たとえば、稲妻が見えた瞬間にクロノグラフをスタートし、雷鳴が聞こえた時点でストップすると、音速(およそ時速1240km)に基づき、出来事までの距離を算出できる。
隅々に宿るクラフツマンシップ

手巻き(Cal.A5000)。23石。パワーリザーブ約42時間。2万1600振動/時。18KYGケース(直径37mm、厚さ9.25mm)。世界限定15本。627万円(税込み)。
直径37mmの本モデルは、現行アンジェラスコレクションの中で最もコンパクトだ。ケースは柔らかな曲線を描き、ファセット加工を施したラグは、落ち着いたケースサイドとコントラストを成す。

手巻き(Cal.A5000)。23石。パワーリザーブ約42時間。2万1600振動/時。SSケース(直径37mm、厚さ9.25mm)。世界限定25本。352万円(税込み)。
ダイアルは3色展開で、ブロンズを帯びたピンク、チタングレー、そしてイエローゴールドモデル専用のニッケルホワイトが用意されている。サテン仕上げのフランジと、中心部のグレイン仕上げが奥行きを演出する。

手巻き(Cal.A5000)。23石。パワーリザーブ約42時間。2万1600振動/時。SSケース(直径37mm、厚さ9.25mm)。世界限定25本。352万円(税込み)。
サブダイアルの針にはアジュラージュが施されたものだ。インデックスはブラックロジウム仕上げまたは3Nゴールドプレート製であり、全体にラグジュアリーな印象を与える。
機構美と伝統の融合

心臓部には、自社製のCal.A5000を搭載。これは手巻きのモノプッシャー・クロノグラフムーブメントであり、プレートとブリッジには3Nゴールド仕上げ、クロノグラフ部品にはパラジウム仕上げが施されている。
パワーリザーブは約42時間、9時位置にスモールセコンド、3時位置に30分積算計を備える。機構はコラムホイールと水平クラッチによって駆動し、1940~70年代のクロノグラフを想起させる構造である。
上質な素材と快適な装着感
ケースはステンレススティールまたは18Kイエローゴールドから選べ、風防には両面無反射コーティングを施した、ボックス型サファイアクリスタルを採用。裏蓋にもサファイアクリスタルが使われ、精緻なムーブメントを鑑賞できる。
ストラップは、スチールブルー、アンスラサイトグレー、セージグリーンの上質なカーフレザーがそろい、バックルはモデルにもよるがゴールドまたはスティール製のピンバックルが用意されている。
限定本数と価格
本モデルは、18Kゴールド製が15本、ステンレススティール製が各色25本の限定生産であり、高級時計愛好家にとって真のコレクターズアイテムであろう。