オメガから、ゴールド素材の外装をまとった贅沢なモデルを5本選んで紹介する。“金無垢”腕時計はずっしりとした重厚感があり、ワンランク上の装いを求める紳士にはうってつけの存在だ。「特別な1本」として、オメガの18Kゴールドモデルを選択肢に入れてみよう。

オメガの腕時計を買うなら、金無垢はいかが?
オメガの腕時計を選ぶなら、“金無垢”モデルという選択も一度は検討してみたい。18Kゴールドは純度75%のゴールドに別素材を加えることで強度や耐久性を高めた合金であり、日常使いの腕時計に適した、バランスの取れた素材とされている。なお、一般的に「金無垢」と聞くと24Kゴールドを思い浮かべるかもしれないが、時計業界では慣習として18Kゴールドのケースやブレスレットも金無垢と表現されることがある。
その18Kゴールドは、配合する金属によって色味や質感が変化するのが大きな特徴だ。オメガではその特性を生かし、独自に開発した18K合金をいくつかのモデルに採用している。たとえば「セドナ™ ゴールド」は18Kレッドゴールド系の独自素材で、銅とパラジウムを加えることで温かみのある色合いと高い耐変色性を両立させている。一般的なレッドゴールドに比べて赤みが強すぎず、長期間の使用でも色あせにくいのが特長だ。
一方、「ムーンシャイン™ ゴールド」は、ダークブルーの空に輝く月の光からインスピレーションを得たという、なんともロマンチックな18Kゴールドだ。18Kイエローゴールドのトーンを持っているが、一般的なイエローゴールドよりも淡い色合いとなっている。そのほか、「カノープス™ ゴールド」や18Kムーンシャイン™ゴールドとセドナ™ゴールドの間の色彩を持つ「9Kブロンズゴールド」などを展開している。
18Kセドナ™ ゴールドをケースとブレスレットにまとった、華やかな「スピードマスター ムーンウォッチ」。手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18Kセドナ™ ゴールドケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。50m防水。657万8000円(税込み)。
なお、本記事でセレクトしたオメガの18Kゴールドモデルは、いずれも機械式時計で、マスター クロノメーターによって高い耐磁性や精度が保証されていることもポイントだ。金無垢であっても、せっかく買った腕時計なら日常使いしたいというユーザーは少なくないだろう。その点、オメガは18Kゴールド製モデルであっても優れた実用性を備えており、毎日の仕事やプライベートの用事の際に、手元を輝かせつつ、腕時計としての機能を存分に発揮してくれる。
今買いたい、オメガの金無垢腕時計5選
18Kゴールド製モデルとなると、価格も存在感も一気に跳ね上がり、購入時の選び方に迷いが出るのも自然なことだ。
ここでは、オメガのラインアップから18Kゴールドをまとった注目モデルを厳選して紹介する。素材の違いだけでなく、それぞれの個性や魅力も併せて解説する。
「スピードマスター ムーンウォッチ」Ref.310.60.42.50.10.001

手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18Kムーンシャイン™ ゴールドケース(直径42.00mm、厚さ13.18mm)。5気圧防水。657万8000円(税込み)。
最初にお勧めとして挙げるのは、「スピードマスター ムーンウォッチ」のうち、18Kムーンシャイン™ ゴールドケースをまとった特別な1本だ。
前述の通り、18Kムーンシャイン™ ゴールドは月の光をイメージした柔らかな輝きを放っており、手元に落ち着きと品格をもたらす。派手すぎず、沈みすぎない絶妙なトーンは、他のイエローゴールドとは一風変わった印象をもたらす。
ダイアルはサンブラッシュ仕上げのグリーンPVDがベースとなっており、インデックスや針にケース・ブレスレットと同カラーを与えることで、シックなデザインにまとめ上げられている。このダイアルは段差が設けられているため、立体感が強まっていることも特徴だ。
ムーブメントには手巻きのCal.3861を搭載する。マスター クロノメーター認定を受けており、高い耐磁性と精度、そして信頼性を備えている。過酷な環境下でも安定して動作するこのムーブメントは、NASA公式採用モデルの名に恥じない性能だ。
特別なシーンにはもちろん、毎日の相棒としても機能を発揮しつつ、ゴールドウォッチならではの存在感を楽しませてくれる1本と言える。
「スピードマスター ムーンウォッチ」Ref.310.60.42.50.02.001

手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18Kカノープス™ ゴールドケース(直径42.00mm、厚さ13.2mm)。5気圧防水。856万9000円(税込み)。
2015年から使われている18Kカノープス™ ゴールドもまたオメガの独自ゴールドで、プラチナ、ロジウム、パラジウムが加えられた18Kホワイトゴールドだ。まばゆい輝きや白さを有することに加えて、耐久性や安定性にも優れることを特徴とする。明るい恒星「カノープス」が名前の由来になっているように、控え目ながら確かな輝きを手元から放ってくれる。
ダイアルはシルバーのトーンにまとめられており、ロゴやスケールのブラックとの組み合わせが極めて上品だ。過剰なギラつきや派手さはなく、金無垢時計にありがちな“盛りすぎ感”を排除した、落ち着きのある佇まいが印象的となっている。金を使いながらも、どこか硬派な雰囲気が漂うのは、ムーンウォッチという道具の持つ背景が色濃く反映されているからだろう。
スタイルはクラシカルなスピードマスター ムーンウォッチだが、性能は現代的にアップデートされている。ムーブメントはマスター クロノメーター認定の手巻きCal.3861が搭載されており、また、ブレスレットにはコンフォートセッティング付きフォールディングクラスプが備わっているため、コマを外すことなく微調整が可能だ。
ムーンウォッチの持つストーリー性をそのままに、素材で別格の存在へと昇華させたこのモデルは、金無垢時計としての魅力とツールウォッチとしての精神を両立させた稀有な存在である。
「シーマスター300」Ref.234.92.41.21.10.001

自動巻き(Cal.8912)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。9Kブロンズゴールドケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。30気圧防水。209万円(税込み)。
「シーマスター300」は、1957年に誕生したオメガの本格ダイバーズウォッチのデザインを踏襲したコレクションだ。ヴィンテージダイバーズのテイストが人気のこのシーマスター300からは、9Kブロンズゴールドをケースにまとったモデルを紹介する。
9Kブロンズゴールドはその名の通り、ブロンズとの合金である。オメガでは37.5%のゴールドとパラジウム、シルバーも合金とすることで、18Kムーンシャイン™ ゴールドと18Kセドナ™ ゴールドのちょうど中間にあたる独特の色合いとなっている。また、貴金属を含むためブロンズでありながらも耐食性を備え、酸化による緑青が抑えられる一方で、時間をかけながらゆっくりと経年変化を楽しむことができるのだ。
ダイアルもブロンズで、ブラウンセラミック製ベゼルリングと調和して全体に柔らかな統一感が生まれている。ダイアル、ベゼルのスケールにあしらわれたスーパールミノバもヴィンテージ調のカラーとなっており、審美性と暗所での視認性が両立されている。ストラップのブラウンレザーと相まって、ジャケットの袖口にエレガンスを添えてくれる1本だ。
搭載されるムーブメントは、マスター クロノメーター認定の自動巻きCal.8912だ。1万5000ガウス以上の高磁場下でも優れた精度を発揮することに加えて、約60時間のパワーリザーブなど、実用的なムーブメントとなっている。
ブロンズとゴールドの長所を融合したブロンズゴールドという選択が、ただのラグジュアリーにとどまらない個性と深みを与えている。金無垢の魅力を感じながらも、日常的に使いこなせる一本を求めるなら、このモデルはまさに今選ぶべきオメガである。
「シーマスター ダイバー300M ブロンズゴールド&バーガンディ」Ref.210.90.42.20.01.003

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。ブロンズゴールドケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。300m防水。431万2000円(税込み)。
同じくブロンズゴールドをまとった「シーマスター ダイバー300M ブロンズゴールド&バーガンディ」も紹介したい。
「シーマスター ダイバー300M」は逆回転防止ベゼルや視認性の高いダイアル、ヘリウムエスケープバルブなどといったダイバーズウォッチに必要な機能を備えたコレクションだ。バリエーションが非常に豊富なことでも知られており、本作は今年そのバリエーションに加わった最新作となっている。
ブロンズゴールドにブラックのアルミダイアル、そしてバーガンディーカラーに彩られたアルミ製ベゼルリングが特徴的だが、本作は2020年公開の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のために発表された「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」をインスパイアしたモデルである。クラシカルな印象のメッシュブレスレットと相まって、他のバリエーションとは一味違ったスタイルに仕上がった特別なモデルと言える。

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。ブロンズゴールドケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。300m防水。214万5000円(税込み)。
なお、ラバーストラップモデルも同時リリースされている。好みによって好きな1本を選んでほしい。
「コンステレーション」Ref.131.63.41.21.01.001

自動巻き(Cal.8901)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KYGケース(直径41mm、厚さ13.5mm)。389万4000円(税込み)。
「コンステレーション」は、1950年代から続くコレクション。星座を意味するこの名前は、精度を競う天文台コンクールでオメガが輝かしい成績を残したシンボルであることを示している。コンステレーションにも豊富なバリエーションが用意されており、中でも本作は18Kイエローゴールド製ケースを持った、華やかな1本である。
ダイアル、レザーストラップはブラックとなっており、18Kイエローゴールドの豪華さを備えつつ、オンオフ問わず使いやすいカラーリングと言える。なお、ダイアルはサンブラッシュ仕上げであるため、光の角度によって表情を変える。6時位置の日付表示はダイアルと同様にブラックディスクとなっており、デザインの調和に配慮されている一方で、判読性にも優れている。ローマ数字が刻まれたセラミック製ベゼルや、ケースサイドに備えられた4本の“爪”といったコンステレーションの象徴的な意匠も、金無垢によって一層引き立つ。
搭載するムーブメントは、マスター クロノメーター認定のCal.8901。シースルーバックからは、アラベスク調ジュネーブウェーブが施された、18Kセドナ™ゴールド製のローターとブリッジを観賞することができるのも、大きな魅力となっている。