40代以上の男性におすすめしたいヴァシュロン・コンスタンタン5選

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2025.04.28

ヴァシュロン・コンスタンタンの腕時計より、5つのおすすめモデルを紹介する。選定にあたって想定したユーザーは、40代以上の男性だ。歴史の重みを認識し、職人への敬意を忘れない大人の男性だからこそ、同社の腕時計に対して、より深い魅力を感じ取ることができるだろう。

野島翼:文
Text by Tsubasa Nojima
[2025年4月28日公開記事]


豊かな歴史と卓抜した技術力を誇るジュネーブの老舗

 1755年の創業以来、一度もその歴史を途切れさせることなく存続する世界最古の時計ブランドが、ヴァシュロン・コンスタンタンである。その長い歴史の中で育まれてきた伝統と技術、そして革新性が宿る同社のタイムピースは、時計愛好家にとって憧れの存在だ。

 1950年代のデザインを受け継ぐ「パトリモニー」や「フィフティーシックス」、1977年に誕生した「222」を発展させた「オーヴァーシーズ」など、タイムレスかつアイコニックなデザインを持つ魅力的なコレクションの数々は、どれも上品な佇まいを見せる。

 多くのモデルでジュネーブ・シールを取得していることも、同社の特徴である。精度や原産地、そして伝統的な手法による卓越した仕上げが施されていることを証明するジュネーブ・シールは、高品質な高級時計であることを示す、栄誉ある証だ。

 由緒正しい歴史に裏打ちされた、優れたデザインと品質を誇るヴァシュロン・コンスタンタンの時計。酸いも甘いも嚙み分けた、本質を分かる大人の男性にこそ、是非とも手に取っていただきたい。薄型ドレスウォッチからハイコンプリケーションウォッチまで、豊富なラインナップの中から、5つのおすすめを紹介する。

「オーヴァーシーズ オートマティック」Ref. 4520V/210A-B126

 ヴァシュロン・コンスタンタンのラグジュアリースポーツウォッチとして高い人気を誇るオーヴァーシーズコレクション。その中でも「オーヴァーシーズ オートマティック」Ref. 4520V/210A-B126は、直径41mmの程よい存在感にシンプルなダイアル、機械式自動巻きムーブメントを備えたスタンダードなメンズモデルだ。

 使い勝手の良いシルバーダイアルには、蓄光塗料が塗布されたインデックスと針が組み合わされ、3時位置の日付表示と相まって優れた使い勝手を発揮する。一方、一目でオーヴァーシーズであることが分かるアイコニックなケースデザインも魅力だ。ベルトへとシームレスにつながる一体型デザインのケースには、ブランドを象徴するマルタ十字に着想を得たシャープなベゼルが取り付けられている。ねじ込み式のリュウズとケースバックを採用し、15気圧防水を達成している点にも注目だ。

 シースルーバックからは、ジュネーブ・シールを取得したCal.5100の22Kゴールド製ローターやブリッジのストライプ装飾を楽しむことができる。

 本作の汎用性を高めているのが、ベルトに搭載されたインターチェンジャブルシステムだ。ステンレススティールブレスレット、レザーストラップ、ラバーストラップの3本のベルトが付属し、ワンタッチで簡単に交換することができる。

ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ オートマティック」Ref. 4520V/210A-B126
汎用性の高いデザインにジュネーブ・シールを取得したムーブメントを組み合わせた、ラグジュアリースポーツウォッチの代表作。ケース素材やダイアルカラーなど、豊富なバリエーションを展開していることも魅力。自動巻き(Cal.5100)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ10.69mm)。15気圧防水。371万8000円(税込み)。

「オーヴァーシーズ ムーンフェイズ・レトログラード・デイト」Ref. 4000V/210A-B911

 スポーティーなオーヴァーシーズに詩的な要素を加えたコンプリケーションウォッチが、「オーヴァーシーズ ムーンフェイズ・レトログラード・デイト」だ。9時位置から3時位置にかけて指針式のデイト表示が配され、31日が終わると瞬時に針が9時側にジャンプするレトログラード機構が搭載されている。6時側の小窓によって表示されているのが、122年に一度しか調整する必要のない高精度なムーンフェイズだ。星がちりばめられたブルーのディスクには、立体的な18Kゴールド製の月が輝き、満点の夜空を演出している。

 ベルト一体型のステンレススティール製ケースは、コンプリケーションムーブメントを搭載しながらも、厚さ10.48mmに抑えられ、優れた取り回しやすさを実現している。ステンレススティールブレスレット、ラバーストラップ、レザーストラップが付属し、気分に合わせて付け替えることも可能だ。

 搭載するムーブメントは、ジュネーブ・シールを取得したCal.2460 R31L/2。その仕上げは、シースルーバックから鑑賞することが可能だ。

ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ ムーンフェイズ・レトログラード・デイト」Ref. 4000V/210A-B911
レトログラード式のデイト表示と高精度ムーンフェイズを搭載したコンプリケーションウォッチ。ダイアルは、サーキュラーサテン、ラッカー、サンバーストサテンなど、複数の仕上げを加えた豊かな表情を持つ。自動巻き(Cal.2460 R31L/2)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径41mm、厚さ10.48mm)。5気圧防水。651万2000円(税込み)。

「パトリモニー・オートマティック」Ref.85180/000R-9248

 1950年代のデザインコードを受け継ぐクラシックなドレスウォッチコレクションが、パトリモニーである。40代以上ともなれば、会食やパーティなど、かしこまった場に出席する機会も多くなることだろう。上品なパトリモニーであれば、そんな時でも安心だ。

 シルバートーンのダイアルは、オパーリン仕上げを施すことによって柔らかな雰囲気に仕上がっている。細身のインデックスと針を組み合わせたシンプルな構成ながら、ダイアルをボンベ状に湾曲させ、パール状のミニッツトラックを与えることで立体的に仕上げられている。

 直径40mmのケースは、18Kピンクゴールド製。クラシカルなラウンド型でありつつ、現代的なサイズと短いラグを採用することで、モダンに仕上げている。シースルーバックを採用し、内部に搭載されたCal.2450 Q6/3を堪能することができる点も魅力。

 Cal.2450 Q6/3は、シンプルな機械式自動巻きムーブメントだ。22Kゴールド製ローターには、ブランドを象徴するマルタ十字にインスピレーションを受けたデザインが与えられ、ブリッジにはストライプ装飾と面取りが施されている。

「パトリモニー・オートマティック」Ref.85180/000R-9248
1950年代のデザインコードを踏襲した華やかなドレスウォッチ。適度な余白を設けたダイアルや18Kピンクゴールド製のケースが、優雅な印象をもたらす。自動巻き(Cal.2450 Q6/3)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KPGケース(直径40mm、厚さ8.55mm)。3気圧防水。475万2000円(税込み)。

「パトリモニー・マニュアルワインディング」Ref. 81180/000G-9117

「パトリモニー・マニュアルワインディング」は、パトリモニーコレクションの中で最もシンプルな手巻きムーブメントを搭載した2針モデルだ。基本的なデザインコードはパトリモニー・オートマティックと同じだが、秒針や日付表示のないダイアルは、狭義のドレスウォッチとしても通用するシンプルなデザイン。シルバーダイアルと同色のインデックス、針を組み合わせたモノトーンのカラーリングであることも特徴だ。

 18Kホワイトゴールド製のケースは、直径40mmという現代的なサイズ感。薄型の手巻きムーブメントを搭載しているため、ケース自体の厚みも6.79mmに抑えられている。タキシードやスーツを着用した袖口にもスッと収まってくれることだろう。

 搭載するムーブメントは、厚さわずか2.6mmのCal.1400。ケースがソリッドバック仕様のため、直接その姿を見ることはできないが、ジュネーブ・シールの基準を満たす優れた装飾が与えられている。

 汎用性の高さに関しては、今回紹介した18Kホワイトゴールドケースモデルに軍配が上がるが、華やかさを重視する場合は、18Kピンクゴールドケースモデルも魅力的な選択肢となることだろう。

ヴァシュロン・コンスタンタン「パトリモニー・マニュアルワインディング」Ref. 81180/000G-9117
シンプルな2針のダイアルに18Kホワイトゴールド製の薄型ケースを組み合わせた、正統派ドレスウォッチ。手で主ゼンマイを巻き上げるという、手巻きムーブメントならではの操作も楽しむことができる。手巻き(Cal.1400)。20石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ6.80mm)。3気圧防水。327万8000円(税込み)。

「フィフティーシックス・オートマティック」Ref.4600E/000R-H101

 2018年に誕生し、今ではヴァシュロン・コンスタンタンの人気コレクションのひとつとなっているのが、フィフティーシックスだ。その名の通り1956年に発表された「Ref.6073」をモチーフとしたデザインが特徴であり、マルタ十字に着想を得たラグに、共通点を見出すことができる。

「フィフティーシックス・オートマティック」は、時分秒針と日付表示を搭載したデイリーユースにぴったりのモデルだ。アラビア数字とバーを組み合わせたインデックスが程よいカジュアル感を出しつつ、シンプルなデザインはスーツスタイルにも相応しい。

 いくつかのバリエーションが存在するフィフティーシックス・オートマティックだが、Ref.4600E/000R-H101では、中央をオパーリン仕上げ、外周をサンバーストサテン仕上げに分けたブラックダイアルと、18Kピンクゴールド製ケースを組み合わせている。引き締まったブラックと華やかなピンクゴールドが、大人にこそ相応しい上品さを醸し出す。

 シースルーバックからは、マルタ十字をかたどった22Kピンクゴールド製ローターを備えた機械式自動巻きムーブメント、Cal.1326を鑑賞することが可能だ。

ヴァシュロン・コンスタンタン「フィフティーシックス・オートマティック」Ref.4600E/000R-H101
1956年に誕生したブランド初の自動巻きウォッチに着想を得た「フィフティーシックス」。オンオフどちらでも使いやいデザインが魅力の人気コレクションだ。自動巻き(Cal.1326)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KPGケース(直径40mm、厚さ9.6mm)。3気圧防水。378万4000円(税込み)。



Contact info:ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755


2025年 ヴァシュロン・コンスタンタンの新作時計を一気読み!

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ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ」を知る。その歴史や特徴、現行モデルとは?

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