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Chronos 5月号(vol.75) 4月3日発売
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近年、年を追うごとに規模を拡大するSIHH、そして同時期にジュネーブで開催される高級時計ブランドの展示会。2018年は、バーゼルワールドから新たにエルメスがSIHHに加わったほか、独立系ブランドや独立時計師たちのブースを集約した「カレ・デ・オルロジェ」もさらに数を増やした。かように、なぜジュネーブは、これほど多くの高級時計ブランドを惹きつけるのだろうか?現地の詳細な取材を通して、その〝引力の秘密〟に迫る。
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プロフェッショナル向けにもかかわらず、多くの人に支持される。そういった時計は、時計史の中でも決して多くない。1952年に発表されたパイロット向けのツール、ナビタイマーは、なぜ時計業界におけるアイコンとなったのか。半世紀以上にわたる歴史と、その新しい歩みを見ることにしたい。
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マーケットの変化、新素材の普及、そしてスマートウォッチの台頭。時計業界を取り巻く環境は、5年前とは大きく変わりつつある。そんな中、各社はどのような方向を目指し、どこに着地点を見出そうとしているのか。クロノス編集部が選んだ10のトピックスから、時計業界激動の時代とそれに対する処方箋を、巨視的に見ることにしたい。
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時計理論の大家、小牧昭一郎氏を囲む、挑戦、進化、継承を学ぶ“時計理論サロン”。そのサロンに集う若者たちの情熱に迫る。
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『クロノスドイツ語版』の翻訳記事とテスト。今回取り上げるのは、オメガ「スピードマスター レーシング マスター クロノメーター」及びブライトリング「ナビタイマー ラトラパンテ」。
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今年、創業150周年を迎えたIWC。注目を集める「ジュビリーコレクション」の中にあって、一見地味だが、いかにもIWCらしいモデルがある。直径30mmのサイズにペラトン自動巻きを備えた新基幹ムーブメント、Cal.82200系を搭載する「ダ・ヴィンチ オートマティック“150 イヤーズ”」だ。
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シャネルという会社を見ていると、今なおガブリエル シャネルが生きているのではないか、と思うことがある。パッケージングの妙、ディテールに対する執念、そして、それを感じさせない軽やかさ。ガブリエル シャネルが自らの人生を短く語ったように、シャネルも自らを語るために言葉を費やそうとしない。しかし、待っていると僥倖もある。ある日、筆者のもとにメールが届いた。曰く「お時間があるなら、シャネルのウォッチメイキングをご覧になりませんか」。