さまざまなジャンルの有名人が愛用する時計に着目して紹介する「セレブウォッチ・ハンティング」。今回はミュージシャンとしてだけでなく、2023年からはルイ・ヴィトンのメンズクリエイティブディレクターに就任し、驚異的にマルチな活躍が注目されているファレル・ウィリアムスが愛用するリシャール・ミルの「RM UP-01 フェラーリ」に注目した。
Text by Yukaco Numamoto
[2024年4月21日掲載記事]
ミュージシャンからルイ・ヴィトンのメンズクリエイティブディレクターまで、マルチに活躍するファレル・ウィリアムス
日本でも「happy」の爆発的なヒットにより、ファレル・ウィリアムスの名前を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。音楽プロデューサーであり、歌手、MC、グラミー賞受賞アーティストというイメージが広く浸透しているファレル・ウィリアムス。2023年からは急逝したヴァージル・アブローの後を継いでルイ・ヴィトンのメンズクリエイティブディレクターに就任している。「デザイナーを目指して専門学校で経験を積んだ者よりも、億万長者のセレブリティを選んだ」とルイ・ヴィトンによるこの抜擢には懐疑的な考え方を示すファッションエディターもいたということだが、ファレル・ウィリアムスもビリオネアボーイズクラブ / アイスクリームというストリートウェアブランドを創業して成功を収め、アディダスやユニクロ、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションの経験もある。そのため、ヴァージル・アブローなきあとのルイ・ヴィトンが目指すところに最も近い人選だという意見もあった。
リシャール・ミルの時計が大好きなファレル・ウィリアムス
24年3月1日にパリで撮影されたファレル・ウィリアムスの手元を見ると、そこにはリシャール・ミルの「RM UP-01 フェラーリ」が見られた。ファレル・ウィリアムスは筋金入りのリシャール・ミルのファンだということが改めて分かった。
18年の「フジロックフェスティバル’18」では「RM 70-01 トゥールビヨン アラン・プロスト」を着用して出演していたことが確認されており、それから5年以上経った今も、リシャール・ミルのコレクションは増えていっているようだ。
「RM UP-01 フェラーリ」は、フェラーリとリシャール・ミルの異なる分野で誇る高い技術力のコラボレーションによって誕生した手巻き時計である。特筆すべきポイントはそのケース厚の薄さである。わずか1.75mmのケースに収められたのはフェラーリチームとリシャール・ミルチームによる叡智の結晶である。何年もかけて何十ものプロトタイプが作られ、開発とテストには6000時間以上が費やされたという。
従来のムーブメントは到底このケースに入れることはできないため、ムーブメントを広い面積に分散させることでこの極薄手巻き時計が作られた。また、日常生活における耐衝撃性を確保するため、裏蓋が地板を兼ねる構造ではなく、ムーブメントがケースに組み込まれた伝統的な構造を維持することにこだわって作られている。モノブロック構造により、1気圧の防水を確保しながら剛性を高めている。
ケース同様に、地板とブリッジはグレード5のチタン製で、ムーブメントの厚さは1.18mm、パワーリザーブは約45時間を備えている。
手巻き(Cal.RMUP-01)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。チタニウム製ケース(縦39mm、横51mm、厚さ1.75mm)。1気圧防水。世界限定150本。
2018年のファレルもリシャール・ミルを着用!
セレブウォッチ・ハンティングでは、2018年にもファレル・ウィリアムスを取り上げていた。18年の「フジロックフェスティバル’18」で「RM 70-01 トゥールビヨン アラン・プロスト」を着用して出演していたことが確認されている。18年8月3日に掲載した記事はここから!
セレブウォッチ・ハンティング/ファレル・ウィリアムス
国内最大級の野外ロック・フェスティバル「フジロックフェスティバル’18(以下、フジロック'18)」が7月27日から29日の3日間にわたり新潟県湯沢町苗場スキー場で開催された。1997年夏に誕生し今年で22回目の開催を迎えた同フェスティバルでは、国内外から総勢200組を超えるアーティストがライブやDJを披露。今回の「セレブウォッチ・ハンティング」は、フジロック'18の会場から、2014年に「ハッピー」が日本でも大ヒットしたファレル・ウィリアムスの腕時計をハンティング!
ファレル・ウィリアムス
リシャール・ミル「RM 70-01 トゥールビヨン アラン・プロスト」
ヒップホップグループN.E.R.Dを率いる歌手のファレル・ウィリアムス。腕に着けられているのは、リシャール・ミルの「RM 70-01 トゥールビヨン アラン・プロスト」だ。写真は、2018年7月14日にロンドンで行われた音楽フェスティバル「ラブボックスフェスティバル」に登場した際のものであるが、フジロック'18でも同じ衣装を着用していた。腕時計の鮮やかなレッドカラーがステージ上でも大きく存在感を放っている。
手巻き(Cal.RM70-01)。32石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約70時間。カーボンTPT®(縦54.88×横49.48mm、厚さ17.65mm)。50m防水。数量限定30本。9400万円(税別)※2018年8月現在。
「RM 70-01 トゥールビヨン アラン・プロスト」は、リシャール・ミルと、4度のF1世界チャンピオンに輝いたドライバー、アラン・プロストのコラボレーションモデルだ。同時計は両者の自転車愛から生まれたものだと言い、その最大の特徴は9万9999kmまでの通算走行距離を記録できるオドメーター(走行距離計)を搭載することにある。文字盤の上部にある5つのローラーがオドメーター表示であり、ダイアルを囲む非対称の形状のケースもユニークだ。軽量かつ頑丈なカーボンTPT®の素材も、ステージ上でファレルが思うままにパフォーマンスすることに貢献したのだろう。
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