今まであなたは、「自分にとって完璧な時計とは何だろうか」と考えたことがあるだろうか? おそらくそれは、「どの時計を購入すればいいのだろうか?」という質問に直結するであろう。ここでは自分にとって完璧な1本を見つけるための、10のステップをお届けする。
1.コミュニティサイトの活用
もし、時計の世界に足を踏み入れたばかりであるならば、オンラインのコミュニティを訪れ、そこで質問をしてみるのもいいだろう、ただし「どの時計を買えばいいか?」という質問形式ではなく。フォーラムの参加者は、あなたを知らないので核心をついたアドバイスを得ることができない可能性が高い。そうではなくて、自身の時計の知識を高めるような質問をしよう。その際には、どのようなオンラインコミュニティにおいても、得られる回答には何らかのバイアスがかかっていることに留意してほしい。フォーラムの常連の中には、ブランドについて非常にご執心なメンバーもいる。何かのブランドに特化したサイトは、そのブランドに心底ほれ込んでいるメンバーによって構成されているだろう。
webChronosのメンバーズサロンでも、時計が好きな会員の方たちが親切に教えてくれる。会員登録をすれば、誰でも質問などの書き込みをする事ができるので、登録をして欲しい。
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2.求める特徴や機能をリスト化する
時計に関して自分が求める特徴や機能をリスト化し、優先順位をつける、そしてそのリストに合致する時計を探してみることもできる。どのような特徴を求めているか熟考を要する。例えば水中で使用する可能性があるのか? 暗闇で表示を確認する必要があるのか? 特に必要な複雑機構があるのか? 視認性の高い日付表示を必要とするのか? ストラップを頻繁に変えたいのか? 一般的なラグを備えた時計を求めているのか? 視認性を犠牲にしても、デザイン性を優先するのか? アフターサービスのコストが気になるのか? ここに挙げた以上の点を参考に、リストを完成してみるといい。
3.時間をかけてしっかりと悩む
事前リサーチに時間をかければかけるほど、手にした時の幸福度は高い。衝動買いだけは避けたほうがよい。論理的に考えをまとめる必要がある。
4.自分自身の意見を大切に
どのような課題もクリアできるとしても、他の人に薦められたという理由だけで時計を購入するのは良い選択肢ではない。なぜならそれは誰かを喜ばせるという結果にしか終わらないからだ。誰かが時計を求めていると知れば、周りの人々は自分たちが好きな時計をラインナップして、それを購入するよう勧めてくるだろう。自分の幸福を人の手に委ねるのは、非常に危険である。批判を恐れてはいけない。自分の選択に自信を持とう。
5.画像を収集し、何日間か眺め続けてみる
自分が気になる時計の画像を見つけたら、その画像を保存するようにしよう。同じ時計でもさまざまなアングルの画像を集めるようにするといい。その際、プロの撮った美しさを優先した画像にとらわれてはいけない。実際に着用されたスナップ写真などが理想的である。毎日ぐらいの頻度で集めた画像を眺めてみよう。そして、自分のお気に入りのランキングリストを更新し続けしよう。もしある時計がしばらくの間リストのトップに君臨し続けるようであれば、その時計が自分の求める時計ということになる。逆に、見るたびに何かマイナスな気持ちを持つという時計があるとすると、おそらくその時計はリストから外れていくであろう。
6.自分の好みを明らかにする
自分の好みの時計から何か2、3か所、興味を引かれ続けているポイントを挙げてみよう。単純に「見た感じが好み」というだけでなく、何が良いのかを特定するのだ。その後で、他の時計を見て、同じポイントについて比較していくのが良いだろう。
7.好みの時計を徹底リサーチし、近いモデルと比較
事前のリサーチでは徹底的に調べ上げよう。良いと思って購入したはずなのに、次の週ぐらいに見付けた別の時計の方が気に入ってしまうことほど残念なことはない。(人によっては、人生とはそのようなものだと言う人もいる。そのような人たちは「フリッパー」や「キャッチ&リリース」コレクターと呼ばれ、彼らは気に入った時計を探すことに熱心なのであって、この記事はそういう人々を対象にはしていない)。気に入った時計が見付かったら時計のコミュニティサイトを訪れてみて、その時計に近い他の時計にはどのようなものがあるか尋ねてみるといい。4.では「自分自身の意見を大切に」と述べたが、この視点においては、他の人々からのアドバイスは有益であると言えよう。
8.試着のすすめ
購入を決める前に試着してみよう! できるだけ多くを試着するのが良い。手首に置いてみると、印象との違いに驚くこともあるだろう。大きすぎたり、小さすぎたり、厚みがありすぎたり、重たすぎたりする事実を情け容赦なく突きつけられる。オンラインで気に入りの時計を見付けたら、店で試着である。店頭にその時計の在庫が無い場合は、近いサイズの時計を探して試着しよう。遠方に住んでいて、試着せずに購入せざるを得ない場合は、理由がどうあれ返品ができるかどうかを確認してからの購入をお勧めする。
9.運命の1本かどうかを見極める
時計を試着した際には、どのような気持ちになるかということに着目してほしい。「呼びかけてくる」時計に出会えることが理想だ。その時計がおそらく購入すべき時計であり、長く付き合っていける時計なのだ。最初のデートの直後に(または最中に)、結婚を決めないように。
10.購入後の気持ちをイメージする
決心がついたら、何日か熟考するように。もうその時計を購入したかのように考え、時計探しの行程も終了したような気持ちになってみるのだ。他の候補として考えていた時計は、もう手に入らないというようにも思ってみてほしい。決断に満足しているかどうか? とイメージするのである。
自分にとって完璧な1本を見つけるというのは、挑戦である。ただ時計探しも楽しみのひとつだ。自分にとって最高の1本に出会えるということは、以後何年も続く喜びを手に入れられるということにもなる。