オメガの歴史に触れる、シーマスター 1948 リミテッドエディション

オメガのシーマスターは、2018年にその70周年を祝い、1948年製シーマスターをベースに1948本のリミテッドエディションとして、ふたつの記念モデルをバーゼルワールドで発表した。オメガはその周年記念をふたつのプラチナケースの追加モデルで祝うが、その希少性はたったの70本限定というもので、1本1本がこのアイコニックなモデルが刻んできた70年という歴史を表している。

「シーマスター 1948 プラチナ センターセコンド」

　モダンなシーマスターのダイバーズウォッチの長年のファンは、「シーマスター 1948 リミテッドエディション」の控えめな外観に驚くかもしれない。しかしそのデザインは、オマージュを捧げた初代モデルに忠実である。第2次世界大戦後に発表されたオメガのシーマスターは、採用された防水技術によって時計史にその名を刻むこととなった。この技術は大戦中にオメガが英国王立空軍に供給してきた軍事用の時計に採用されていたものであり、そこには革新的なラバー素材のOリング型ガスケットが含まれているのだが、それをすべてのドレスウォッチに採用したのである。（2017年に60周年記念を祝った1957年のシーマスター 300の誕生により、シーマスターは完全にスポーツウォッチのカテゴリーに入った）新作では、当時主流であった38mm径のステンレススティール製ケースの代わりにプラチナ950が使われ、オパーリンのドーム型文字盤が採用されている。ステンレススティール製ケースではホワイトゴールドであった、針とアプライドインデックスとギリシャ文字のオメガのロゴは、このプラチナモデルではオメガの18Kゴールドとなっている。

「シーマスター1948 プラチナ スモールセコンド」

　時計自体は、その兄弟でもあるステンレススティール製モデル同様、センターセコンドとスモールセコンド仕様があり、それぞれ詳細がわずかに異なる。はっきりとした違いは、ひとつは中央に組みつけられたセンターセコンドであり、もう一方は6時位置のサブダイアルに秒針が配されている点である。更に詳しく見てみると、センターセコンドモデルの針はドーフィンスタイルであり、秒針・分針ともに若干丸みを帯びた形状をしている。一方スモールセコンドモデルの方の針はリーフ状で、分針だけが丸みを帯びている。センターセコンドモデルはブラウンのレザーストラップが付属しており、スモールセコンドモデルはグリーンのレザーストラップを備えている。両モデルともヴィンテージオメガロゴが配された、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げが組み合わされたプラチナ950製のバックルが着けられている。

　それぞれの時計のケースには、サファイアクリスタル製ケースバックにレーザーエングレービングと手仕上げのラッカーで70周年記念ロゴと、英国王立空軍との関係性やオメガの最初の防水性を持った時計が使われた歴史的経緯に紐づけられた、クリスクラフト社のボートとジェット戦闘機であるグロスターミーティアが描かれ、内部にはオメガのマスタークロノメータームーブメントである、キャリバー8807（センターセコンド）またはキャリバー8805（スモールセコンド）が見て取れる。これらのムーブメントはC.O.S.C.クロノメーターとオメガ自社内のMETAS両方の基準をクリアした自動巻きであり、1万5000ガウスの耐磁性、毎時2万5200振動の高振動、高級時計にふさわしい仕上げ、しっかりとした約60時間のパワーリザーブを保持している。プラチナバージョンのムーブメントはステンレススティール製モデルから更に進化し、18Kセドナゴールド製のローターとテンプ受けが組み込まれている。

「シーマスター 1948」はセンターセコンドモデル、スモールセコンドモデルもでるのいずれもオメガの5年保証付きで、スペアストラップとストラップ交換ツール、ブラウンレザー製のコレクターズボックスが付随している。