一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのプライベートなワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、シンガーソングライターのアリアナ・グランデが選ぶ腕時計を紹介しよう!
アリアナ・グランデ
1993年生まれのアリアナ・グランデが選ぶ腕時計とは?
写真は2014年にロサンゼルス国際空港で撮られたものだ。彼女の手元に注目すると、ゴールドのベゼルに、見覚えのある刻みがある。ブルガリのアイコニックウォッチ「ブルガリ・ブルガリ」だ。
当時21歳のアリアナ・グランデはどのような基準で腕時計で選んだのだろう。彼女のことを調べると、過去のプロフィールに「イタリア系の血を引くアメリカ人である」と記していたことが分かった(実はこの写真を撮られる少し前のタイミングで「ほとんどギリシャ人だった」ことが判明したらしいのだが)。購入時点では、世界中の女性にとって憧れの対象となるいくつかのブランドの中でも、イタリア・ローマ発祥のこのブランドに、もしかしたら自分や家族のルーツを重ねて感じるものがあったのではないだろうか、などと筆者は好き勝手に想像している。
時計の歴史をたどってみよう。「ブルガリ・ブルガリ」の登場は1977年にさかのぼる。ローマコインをかたどったこの時計の誕生に大きく関わったひとりに、当時のCEO、ジャンニ・ブルガリがいた。彼が、超富裕層向けだったブランドの認知度をさらに拡大するために世界進出を図った際、その大きな原動力となったのがこの時計であると言えるだろう。ジャンニ・ブルガリは、この「ブルガリ・ブルガリ」に、当時のウォッチメーカーも顔負けするほどのサイズ展開を与えたほか、ハイジュエラーの選択肢としては斬新だったスティールケースを大胆にも組み合わせた。彼のこういった先見の明と、老舗ジュエラーの生み出す普遍的なデザインの融合が、現在まで続く名作の原点にあるのだ。
アリアナ・グランデに話を戻したい。彼女は2008年にブロードウェイミュージカルで女優デビューを果たし、13年には歌手としての活動を本格化させ、早い段階から才能を開花させてきた。来日コンサートを何度も行っており、親日家を公言する彼女は熊本地震の被災者に日本語のメッセージを送ったこともある。彼女の来歴を書き加えると、17年に行ったマンチェスターでのコンサート中に自爆テロが発生するという悲劇に巻き込まれた人物でもある。自身も大きな心の傷を負っただろうが、彼女は被害者を励まし、それ以降も歌うことをやめずにきた。
最近では、彼女がグラミー賞を辞退したことや、2019年1月の新曲「7 rings」にちなんで入れてしまった「七輪」というタトゥーに寄せられた日本人の批判など、彼女にとっては苦かろうニュースを耳にすることが続いた。しかし彼女の歌唱力は「ネクスト・マライア」と評されるほどに高い。これからも彼女の凛とした歌声や、同世代の女性からも支持を得るファッションで、ファンたちに元気を送り続けてほしいと願う。