3月20日のプレスデーで幕を開け、26日に閉幕したバーゼルワールド。100年以上の歴史を持つ世界最大規模の同展で、現地に足を運んだジャーナリストたちはなにを見て、なにを思ったのか。国内外の著名ジャーナリストにバーゼルワールドで発表された2019年新作からベスト5をそれぞれ選んでもらった。
ライター/編集者の渋谷ヤスヒトが選ぶ新作ベスト5
5位ショパール/L.U.C フライング T ツイン
エレガントな薄型ドレスウォッチとしてスタートした「L.U.C」。フライングトゥールビヨンを初めて搭載しながら超薄型を実現したこの新作からは、L.U.Cの原点、そして生みの親、カール-フリードリッヒ・ショイフレ共同社長の美学が伝わってくる。
自動巻き(Cal.L.U.C 96.24-L)
25石
2万5200振動/時
パワーリザーブ約65時間
18Kローズゴールド(直径40mm、厚さ7.2mm)
30m防水
世界限定50本
価格未定
4位タグ・ホイヤー/オータヴィア キャリバー5 COSC(WBE5111.FC8267)
脱進調速機の素材革命。その本命間違いナシの自社開発製造のカーボンコンポジットヒゲゼンマイを、普通の人に手が届く価格帯で初めて導入。ダイバーズのアクアレーサーとも違う精悍で味のある、しかも視認性に優れたスタイルも魅力。
自動巻き(新イソグラフヒゲゼンマイ搭載Cal.5)
25石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約38時間
SS(直径42mm)
100m防水
ブルー、ブラックダイアルモデル/2019年6月発売予定
SSブレスレット各42万5000円(税別)
レザーストラップ各38万5000円(税別)
3位シャネル/J12 ファントム
外装に加え、自社開発キャリバーの搭載で、内装にまでシャネルのセンスと美学が貫かれた「正常進化した名作」。その中でもインデックスを文字盤と同色にした限定版の「ファントム」は、最もシャネルらしい逸品だと思います。
自動巻き(Cal.12.1)
27石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約70時間
ハイテク セラミック(直径38mm)
200m防水
ハイテク セラミックブレスレット
世界限定各1200本
2019年8月発売予定
65万5000円(税別)
2位ウブロ/クラシック・フュージョン フェラーリGT
F1と共にエレガントなGTカーもフェラーリの本質。フェラーリとのコラボモデルの中で、初めてそのことを語ってくれたのがこのモデル。「隠れた贅沢さ」を追求したと語るフラビオ・マンツォーニの言葉も印象的で忘れられない。
自動巻き(Cal.HUB1280 UNICO)
2万8800振動/時
パワーリザーブ約72時間
直径45mm
10気圧防水
チタニウムモデル/世界限定1000本、予価233万円(税別)
キングゴールドモデル/世界限定500本、予価412万円(税別)
3Dカーボンモデル/世界限定500本、予価289万円(税別)
1位グランドセイコー/エレガンスコレクション スプリングドライブ20周年モデル SBGZ001
「最もセイコーらしい」メカニズムを最高峰に位置付けて良いのでは。この想いを、現実にしてくれたのがこの新作。セイコースタイルのプラチナケースに吹雪目の彫刻加工を手作業で施した外装も、GS&セイコーの王道をいく。
手巻きスプリングドライブ(Cal.9R02A)
39石
パワーリザーブ約84時間
Pt(直径38.5mm、厚さ9.8mm)
日常生活防水
世界限定30本
800万円(税別)
選者のプロフィール
渋谷ヤスヒト/しぶややすひと
モノ情報誌の編集者として1995年からジュネーブ&バーゼル取材を開始。編集者兼ライターとして駆け回り、気が付くと2019年がまさかの25回目。スマートウォッチはもちろん、時計以外のあらゆるモノやコトも企画・取材・編集・執筆中。