3月20日のプレスデーで幕を開け、26日に閉幕したバーゼルワールド。100年以上の歴史を持つ世界最大規模の同展で、現地に足を運んだジャーナリストたちはなにを見て、なにを思ったのか。国内外の著名ジャーナリストにバーゼルワールドで発表された2019年新作からベスト5をそれぞれ選んでもらった。
『ヨーロッパスター』発行人/編集長のセルジュ・メイラードが選ぶ新作ベスト5
5位グッチ/グリップ
グッチのこの新しく大胆なユニセックスラインに、同社のクリエイティブディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレの典型的な作風を見ることができます。首尾一貫して理解しやすいスタイルの中に、強い個性と妥協のなさが伺えます。グッチはこのモデルによって、より若い世代にとって最も成功したグローバルファッションブランドのひとつになるでしょう。
クォーツ
直径35mm
3気圧防水
グッチショップにて2019年7月(グッチ ウォッチ取扱店では8月)より発売開始
SSブレスレットモデル、予価19万円(税別)
イエローPVD加工SSブレスレットモデル、予価22万円(税別)
SSカーフストラップモデル、予価17万5000円(税別)
イエローPVD加工SSカーフストラップモデル、19万円
4位グランドセイコー/エレガンスコレクション 限定モデル(SBGK002、SBGK004)
今年、メジャーな日本の時計ブランドはそれぞれ、非常に洗練された印象的なハイエンドモデルを発表しました。特にグランドセイコーの新しいエレガンスコレクションにおける漆塗りの文字盤(SBGK002、SBGK004)とザラツ研磨を用いた新しいケースに、それがよく表れています。
(左)SBGK002、(右)SBGK004 共に
手巻き(Cal.9S63)
33石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約72時間
18KPG(直径39mm、厚さ11.6mm)
日常生活気圧防水
世界限定150本
320万円(税別)
3位ブルガリ/オクト フィニッシモ クロノグラフGMT オートマティック
ジャン-クリストフ・ババンの素晴らしい指揮によってブランドが新たな世界記録を達成しました。ブルガリは誰もがヴィンテージウォッチや復刻モデルを求めているときに、あえてリスクを取って、21世紀の最も重要な時計のひとつであるオクト フィニッシモを作り出しました。そして今年は歴史上最も薄い自動巻きクロノグラフをリリースしました。
自動巻き(Cal.BVL 318)
37石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約55時間
サンドブラスト仕上げチタン(直径42mm、厚さ6.90mm)
30m防水
サンドブラスト仕上げチタンブレスレット
国内発売予定2019年6月
192万円(税別)
2位モーロン・ミュジー/Armure Mu 03
今回のバーゼルワールドでも、「レ・アトリエ」や気鋭の小メーカーが集まるスペースで、多くの新興ブランドから高品質な新しい時計が発表されました。見た目、技術の両面から最も魅力的な時計のひとつは、特に素晴らしいケース造形を持つモーロン・ミュジーの「Armure Mu 03」です。
自動巻き(Cal.MM01)
25石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約55時間
Ti(直径44mm)
300m防水
価格未定
1位パテック フィリップ/カラトラバ・ウィークリー・カレンダー Ref.5212A
非常に“人間らしく暖かい”この新作のリリースにあたっては、デザイナーが手描きで起こした文字盤のフォントが重要な役割を果たしています。さらに、パテック フィリップの長い歴史に、ウィークリーカレンダーという新しい機構をコンプリケーションコレクションに加えています。それは技術とスタイルの正しい結合と言えるでしょう。
自動巻き(Cal.26-330 S C J SE)
50石。
2万8800振動/時
パワーリザーブ約45時間
SS(直径40mm)
3気圧防水
365万円(税別)
選者のプロフィール
Serge Maillard/セルジュ・メイラード
1927年にスイスで創刊された時計専門誌『ヨーロッパスター』の発行人であり、編集長。『ヨーロッパスター』は家族経営がされている独立系メディアであり、メイラード氏は創立者のひ孫に当たる。