丁寧に仕上げられた時計のムーブメントは、拡大した時にその命を感じることができる。ここで紹介する7つのムーブメントは、確実に接写に耐えうる仕上げを誇っている。
Text by Alexander Krupp
1.ウブロ/キャリバーHUB9005
手巻きキャリバーHUB9005は垂直方向に並べられた11個の香箱が約50日間ものパワーリザーブを与える。主ゼンマイを効率的に巻き上げるために、巻き上げ専用パワーツールを付属させている。時・分とパワーリザーブは円柱状に表示され、またトゥールビヨンも垂直に搭載される。
2.コルム/キャリバーCO313
1980年に独立時計師のヴィンセント・カラブレーゼによって作られていたゴールデンブリッジのムーブメントを、2011年にコルムが自動巻き機構へと更新して腕時計に搭載した。これには伝統的な巻き上げ用ローターは搭載されていない。代わりに、ふたつのレールに沿ってリニア式に動く重りによって、巻き上げられるのである。
3.モンブラン/キャリバーMB M68.40
モンブランの手巻きキャリバー、MB M68.40はふたつのタイムゾーンの時間表示を行う。またこのキャリバーは北半球と南半球のふたつの半球儀で世界の24の時間帯を表示する。もう一点見るべきポイントは、12時位置で回転する特許取得のシリンダー式バランススプリング搭載のトゥールビヨンだ。
4.ヴァシュロン・コンスタンタン/キャリバー2160
ブランド初の自動巻きトゥールビヨンを備えるキャリバー2160を搭載。ムーブメントの厚さはわずか5.65mmのみである。22Kゴールド製のペリフェラルローターに施されたエングレービングによる装飾も美しい。
5.パテック フィリップ/キャリバーCHR 27-525 PS
シングルプッシュボタンで、スプリット秒針クロノグラフを駆動させるパテック フィリップの手巻きキャリバーCHR 27-525 PSを搭載。このような複雑機構でありながらも、ひとつひとつ丁寧な仕上げが見て取れる。
6.ロジェ・デュブイ/キャリバーRD01SQ
スケルトン加工が施されたふたつのトゥールビヨンを備える手巻きキャリバーRD01SQを搭載する。ロジェ・デュブイによると、このモデルの製作には約1200時間を要するとのことだ。
7.A.ランゲ&ゾーネ/キャリバーL043.5
瞬時に回転する数字ディスクによって時刻をデジタル表示するA.ランゲ&ゾーネのツァイトヴェルクは、手巻きキャリバーL043.5の搭載によってミニッツリピーターとなった。10単位でチャイムを鳴らすリピーターは、他の一般的なクォーターで時を知らせるものと異なり10分ごとに音を鳴らす。