ジャケ・ドロー(JAQUET DROZ)2019新作一挙公開!

2019.05.21

スウォッチ グループにあって、孤高とも言えるスタンスを貫くのがジャケ・ドローだ。主にブランパンでジャケ・ドロー専用に開発製造されるムーブメントに、同じくスウォッチ グループ製のケースや文字盤を組み合わせて、極めてユニークな時計を作っている。また2010年以降は、工房を大幅に拡充。メティエ・ダールに力を入れるほか、魅力的なオートマタをリリースするようになった。2019年はヒット作のグラン・セコンドにクロノグラフを追加。また、オートマタには水面が4分間回転する「マジック・ロータス・オートマトン」を加えたほか、プリカジュールエナメルを用いた「プティ・ウール ミニット スマルタ クララ ハミングバード」を発表した。

マジック・ロータス・オートマトン


自動巻き(Cal. Jaquet Droz 2653 AT2)。56石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。18KWG(直径43mm、厚さ16.96mm)。3気圧防水。世界限定28本。予価2283万円(税別)。

輪廻転生をモチーフにした、ジャケ・ドロー空前の大作にして史上空前のオートマタ。文字盤には1回で4分間回転し続けるディスクが内蔵されており、その上に置かれた蓮(ロータス)が、春夏秋冬を表す。春は蓮のつぼみ、夏は開花、秋は水に落ちた状態、そして冬は種として表現される。またディスク上に取り付けられたコイは、尾びれを振るのみならず、上下動する。加えて、蓮の中心に埋め込まれたレッドルビー、ブルーサファイア、そしてイエローサファイアは、回転により色をさまざまに変えていく。文字盤の製造に要するのは約210時間。オートマタ用のふたつの香箱でこの重いディスクを回す。同機構用のパワーリザーブ表示はトンボで示されており、ゼンマイの残量がなくなると蓮の葉の上でトンボが休む。なお、同モデルは限定モデル。写真の18KWGモデルのほかに18KRGモデルもあり、それぞれ28本が販売される。



プティ・ウール ミニット スマルタ クララ ハミングバード


自動巻き(Cal. Jaquet Droz 6150)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約38時間。18KRG(直径35mm)。3気圧防水。世界限定8本。予価594万円(税別)。

ブランパンと極めて強いつながりを持つジャケ・ドロー。ブランパンの持つ女性用の“レディバード”自動巻きムーブメントをジャケ・ドロー専用に改良し搭載したのが本作である。文字盤全体をスケルトンに出来るため、裏打ちを持たないプリカジュールエナメルを文字盤全体に採用した。なお、このプリカジュールは、ジャケ・ドローの完全自社製。基本的には2018年に発表されたモデルの文字盤違いだが、完成度はより上がった。また、プリカジュールの透明度はかなり高く、表面も過剰になりすぎない程度に磨かれている。なお、同作は8本の限定モデル。ほかに18KWGモデルもあり、こちらも世界限定8本だ。


グラン・セコンド・クロノグラフ


自動巻き(Cal. Jaquet Droz 26M5R)。34石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KRG(直径43mm)。3気圧防水。世界限定88本。予価337万円(税別)。

グラン・セコンドに加わった初のクロノグラフ。ベースとなったのはブランパン(旧フレデリック・ピゲ)のCal.1185。6時位置に30分積算計を備えるほか、その外周に、レトログラード式のポインターデイトを持つ。また、ジャケ・ドローのスタイルに合わせるべく、ワンプッシュに変更されている。なお18KRGモデルは88本限定の販売となる。ジャケ・ドローらしい、研ぎ上げたエナメル文字盤を持つ。なお、非限定のSSモデルもあり、こちらはオフセットしたレイアウトとなっている。内容を考えれば、価格もかなり戦略的である。