"WatchTimeロサンゼルス"でデビューした、ローマン・ゴティエ「インサイト マイクロローター」ホワイトゴールドモデル

FEATUREWatchTime
2019.05.28

アメリカの時計情報誌WatchTimeは、2019年5月3日よりアメリカ西海岸最大の時計コレクターの祭典である「WatchTimeロサンゼルス」を主催した。
出展ブランドのひとつにローマン・ゴティエがあり、この開催に合わせて同ブランドは「インサイト マイクロローター」にローズゴールド、プラチナ、チタンモデルに続くホワイトゴールドモデルを発表した。ローマン・ゴティエで名高いモデルの筆頭に「ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ 2013」でベスト・メンズ・コンプリケーション賞に輝いた「ロジカル・ワン」が挙げられるだろうが、このインサイト マイクロローターもそれに比肩するタイムピースである。WatchTime編集部から届いた新作レポートをお届けする。

Originally published on watchtime.com
Text by Logan R. Baker



インサイト マイクロローター

「インサイト マイクロローター」。自動巻き。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。18Kホワイトゴールド(直径39.5mm、厚さ12.9mm)。970万円(税別)。


 文字盤とケースバックのどちらからも見て取れる両方向回転式マイクロローターが特徴の「インサイト マイクロローター」は、ローマン・ゴティエが自社初の自動巻きモデルとして2017年初めに発表したコレクションである。マイクロローターはブリッジにより表側と裏側から挟まれていて、静かに、かつ滑らかに動く。その巻き上げはふたつの主ゼンマイへとつながり、約80時間のパワーリザーブを保持する。この香箱が直結したダブルバレルにより、調速機構への安定した動力供給が確保されている。
 時間表示は、12時位置に時と分、そして中央にスモールセコンドの文字盤が、重なり合うように配されている。6時位置に見えるのは、毎時2万8800振動を生み出さす脱進機だ。円を描くように切り抜かれた9時位置の地板には、ブランドロゴがあしらわれた22Kゴールド製の両方向回転式マイクロローターが内蔵されている。ホワイトゴールド製ケースとの調和を考えて、追加されたディテールもいくつかある。手仕上げでフロスト加工が施された地板には、パラジウム加工のブリッジ(受け)が合わせられた。



インサイト マイクロローター

「インサイト マイクロローター」新作のホワイトゴールドモデル、写真はブルーエナメル文字盤とブラックエナメル文字盤の2モデル。世界限定各10本。


 ケースバック側のデザインもダイナミックだ。両方向巻き上げ機構を制御する逆転歯車から、マイクロローターが輪列につながる様を見て取れる。他にも目を引くところがある。歯車やラチェットのアームは面取りが施されて曲線を描く。ローマン・ゴティエの特徴であるS字型の溝を持つネジにより留められたムーブメント上の穴石用の穴や、曲線から成るブリッジを引き立てるパーツもまた美しい。そして他のコレクション同様、ローマン・ゴティエらしい精緻な手仕上げを見ることができる。ポリッシュ、グレイン加工、そしてスネイル仕上げなどがその恒例だ。特に切断面がカーブを描くブリッジの面取りは必見である。

インサイト マイクロローター

「インサイト マイクロローター」のケースバック側。


 ホワイトゴールド製モデルでも、直径39.5mm、厚さ12.9mmのケースは従来と同サイズが踏襲されている。筆者は直径40mm以下のケースサイズの着用感を好むため、インサイト マイクロローターの着け心地も気に入っている。総合的に判断して、インサイト マイクロローターは堪能すべき魅力を多く備え、それがホワイトゴールドによって一層引き立てられているモデルと言えよう。

 ローマン・ゴティエの「インサイト マイクロローター」ホワイトゴールドモデルは世界限定限定30本で、そのうち10本がホワイトエナメル文字盤に青焼きのスティール針、10本がブルーエナメル文字盤に18Kホワイトゴールド製針、残りの10本がブラックエナメル文字盤に18Kホワイトゴールド製針という仕様となっている。

インサイト マイクロローター

ホワイトエナメル文字盤に青焼きのスティール針を合わせたモデル。世界限定10本。




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