風通しの良いアウトドアでの活動が一層増える季節を迎える。アウトドアは、普段の仕事や日々のストレスから解放され、日常を忘れさせてくれるものだ。アウトドアな遊びには、時計に耐傷性や耐衝撃性を求めたい。今回の特集では、アウトドアにも向くタフな時計4選をお届けする。
ボール ウォッチ
「エンジニア ハイドロカーボン デブグル」
オフロード仕様の車のハンドルを握って、でこぼこ道や岩だらけのスロープを運転するならば、時計には振動や衝撃への耐久性が求められる。ボール ウォッチの「エンジニア ハイドロカーボン デブグル」は、ケース内外装にさまざまなプロテクション機構を装備している。まずは「耐衝撃クラウンプロテクション」だ。リュウズへの衝撃は、巻き真を伝って直結するムーブメントまで至ることで大きなダメージを引き起こす。このリュウズガードは、リュウズ外周に備えることで衝撃を分散させる役割を持っている。続いて内部に収められたムーブメントの調速機構を見ると、衝撃時にヒゲゼンマイが大きく動いて乱れることを防ぐ「スプリングロック」や、緩急針の動きを規制する「スプリングシール」が設けられている。ボール ウォッチはこの「スプリングロック」と「スプリングシール」において特許を取得している。これらに加えて、ムーブメント全体は緩衝材のエラストマーで覆われた。特許取得の耐衝撃性を持った脱進機構を採用し、ヒゲゼンマイにはそれを保護する金属製のリングが設けられている。サファイアクリスタル製風防とブラック文字盤も保護の対象だ。ステンレススティール製ケースにセットされたベゼルはわずかにサファイアクリスタル上にかかり、破損から風防を守っている。ケースは高さ1.5mからの落下にも耐えうるようになっており、これは通常の耐衝撃性を試す高さの1.5倍である。防水性は100mを保持しており、水に潜ることもできる。
ジン
「EZM12」
ジンはミッションタイマーと呼ぶのにふさわしいシリーズを生み出した、「EZM」(ミッションタイマーを意味するドイツ語Einsatz Zeit Messer=出撃用計測機器の略)だ。そのうちの1モデル「EZM12」は、ドクターヘリの救命医のためにデザインされた時計である。文字盤の目盛りには、救助・救命活動において行動を定義づける「プラチナの10分」と「黄金の1時間」が示されており、またその内側には脈拍を測るためのパルスメーターが設けられている。アウトドア向けとして勧めるのはその堅牢な作りゆえだ。テギメント加工が施されたステンレススティールケースはセラミックス以上の硬度を誇る耐傷性を持つ。200mを誇る防水性も頼りになる。付属する特殊ツールの使用によってベゼルの取り外しが可能なのは、少しでも隙間なく時計を洗浄・消毒するためだ。またジンは-45°から+80°の温度範囲で機能の動作確認を保証している。これが夏場にも、凍てつく山頂への登山にも適する根拠である。
タグ・ホイヤー
「アクアレーサー キャリバー5」
アースカラーを多用することが多いアウトドアファッションにコーディネートしやすいのが、全体的にカーキカラーで統一されたタグ・ホイヤーの「アクアレーサー キャリバー5」である。独自のダブルセーフティーバックルと300mの防水性により、水辺や水中での活動にも最適だ。ファブリックストラップは手首への着用感に優れる。ケースは軽量かつ堅牢で弾性のあるブラックPVD加工を施したチタン製だ。このケースに、硬度が高く傷に強い陽極酸化処理を施したグリーンの逆回転防止機能付きアルミニウムベゼルが組み合わされている。
オリス
「ビッグクラウン プロパイロット クロノグラフ」
自然の中での散策では、天候が気になるところだ。雷にも十分な注意が必要となる。このようなシチュエーションで役立つ時計の機能にテレメーターが挙げられる。テレメーターとは、光と音の伝達速度の差を利用して、離れた2地点間の距離を算出するクロノグラフ機能のことだ。この機能を応用すれば、雷までのおおよその距離を、雷の光と音によって知ることができる。プロパイロットのために開発されたオリスの「ビッグクラウン プロパイロット クロノグラフ」のインナーベゼルにもテレメーターが配されている。本機に搭載されているクロノグラフムーブメントはセリタSW 500をベースにしたものだ。通常よりも大きく作られたリュウズはパイロットが手袋をしたままでも操作しやすいようにデザインされたものだが、これもアウトドアシーンで役立つものかもしれない。
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