Q:帯磁した時計はどうすればいいですか?
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A:時計の大敵は磁気帯び。磁石にくっつけると、大多数の機械式時計は狂うか止まり、クォーツ式時計も場合によっては止まります。また、機械式時計の場合は一度磁気を帯びてしまうと、その後の精度に影響を及ぼします。では、どうやって磁気帯びしているかを確認するのか。一番簡単な方法は、方位磁石を近づけることです。時計に近づけて針が動くなら、その時計は磁気帯びしていると考えていいでしょう。
仮に磁気帯びしていることが分かった場合、どうやって磁気を抜けばいいのか。最も簡単な方法は、最寄りの時計店に持ち込むことです。顔馴染みの時計店であれば、手早く磁気抜き作業をやってくれるはずです。
方位磁石を近づけることで、簡易的に帯磁しているか調べることができる。しかし修理を扱う時計専門店では、上の写真のように専用の磁気チェッカーを用いて、帯磁の度合いやどの部分が磁気帯びしているのかを正確に確認できる。
磁気抜き器は専門店やネット通販で購入できるため、個人で磁気抜きをすることは可能です。しかし、操作を間違えるとむしろ磁気帯びさせることになるので、できれば時計店に持ち込んだほうがいいでしょう。また、専門店に置いてあるような、きちんとした磁気抜き器はきわめて高価なため、完全な脱磁を期待する場合も、時計店に持っていったほうが望ましいです。
磁気抜きの様子をアニメーションにした。操作は簡単で、基本的にはボタンを押すだけ。ちなみに磁気帯びしているかどうかは、時計の進みを確認するほか、コンパスを使うと分かりやすい。磁気帯びしていると、コンパスの針が大きく振れる。
脱磁作業の様子。時計の本体を脱磁器にかけて取り出し、前述の磁気チェッカーでしっかり磁気が抜けたかを確認する。