ヴィンテージ調のダイバーズウォッチに注目が集まる今日の時計市場。スポーツウォッチを中心に展開するアルピナは、そのトレンドをいち早く取り込んだ時計ブランドと言えるだろう。1969年に発表されたオリジナルの「アルピナ10」の復刻版「シーストロング ダイバー ヘリテージ」の2019年新作として、アルピナはチョコレートブラウンダイアルとブロンズカラーケースの新色モデルを投入した。その詳細を見てみよう。
Text by Mark Bernardo
アルピナ 「シーストロング ダイバー ヘリテージ」
1969年にスーパーコンプレッサーケースとインナー回転リングで、200m防水を備えた画期的なダイバーズウォッチ「アルピナ10」を開発したアルピナ。「シーストロング ダイバー ヘリテージ」は当時のスーパーコンプレッサースタイルに範を取るもので、現在のダイバーズウォッチでは珍しい、巻き上げおよび時刻と日付調整用と、60分のダイビングスケールを備えたインナー回転リング操作用の、ふたつのリュウズを備えたものだ(別のコレクション「シーストロング ダイバー 300」の主要モデルは、より伝統的な外部の回転ベゼルのダイビングスケールを搭載する)。新作のケースはステンレススティール製でブロンズカラーのPVD加工が施されている。ブロンズは実際に潜水装具や造船で歴史的に使われてきた素材であり、ここ数年多くのダイバーズウォッチに採用されてきた。4時位置のリュウズは巻き上げと時刻および日付調整を担い、2時位置のリュウズはインナー回転リングを両方向に回転させ潜水時間を測る。ふたつのリュウズのいずれもねじ込み式で、直径42mmのケースに取り付けられた。オリジナルモデルは200m防水であったのに対し、現在のシーストロングは300m防水を確保している。
耐傷性に優れたサファイアクリスタル製風防に守られたブラウン文字盤には、ローズゴールドのPVD加工に加えてスーパールミノバが塗布されたインデックスと針、そして3時と4時の間に置かれた少し傾いたデイトウィンドウによってアクセントが加えられている。ブラウンモデルには、写真で紹介している時計の他に、クリームカラーのインナーベゼルを配したもう1モデルも存在する。
新作のケースバックにも、他のすべての「シーストロング ダイバー ヘリテージ」と同様に、アルピナの山をイメージしたロゴがエングレービングされている。そのケースバックによって密封された中には、汎用ムーブメントのセリタSW-200をベースにしたアルピナのキャリバーAL-525が搭載されている。なおダークブラウンのレザーストラップと共に、多くのダイバーズウォッチ愛好家に好まれるラバーストラップが付属している。税別19万1000円という価格設定は非常にリーズナブルだと言えるだろう。