スマートウォッチとスポーツバンドの融合。HUAWEI WATCH GTは意外な伏兵

HUAWEI WATCH GT

テクノロジーの分野で知らぬ人はいないほどのジャーナリストが、本田雅一氏だ。その本田氏が、ウェアラブルデバイスについて執筆する本連載。今回はファーウェイが自社OSを搭載して販売する「HUAWEI WATCH GT」を語る。軽量かつバッテリー持続時間が長い同モデルは、スポーツ向けスマートウォッチとして最適な1本になる可能性を秘めている!?

HUAWEI WATCH GT

本田雅一:文
Text by Masakazu Honda

 米中貿易摩擦で両国が火花を散らす中、その中心にあるファーウェイ。グローバルで急成長していたスマートフォン事業、本業の基地局を含む通信機器事業、それに第5世代移動体通信システム(5G)に深く関わっていた同社の動向に注目していた読者もいることだろう。

 しかし、つい忘れがちになるが、同社のスマートウォッチもグローバルで急伸していた製品である。HUAWEI WATCHシリーズは中国でも、最も多く売れているスマートウォッチのひとつだ。ただしApple Watchと異なるプラットフォームであることはもちろんだが、グーグルが開発を主導するWear OSとも異なる独自のソフトウェアで動作している。

 元は通信機器メーカー。企業向けが中心でコンシューマー製品は亜流だった企業である。一方で腕時計というジャンルは、工業製品の中でも特にパーソナルな領域だが、その腕時計領域においてファーウェイがどのような価値を提供しているのか。

 最新世代のHUAWEI WATCH GTの中でも、最も新しいデザインとなる42mmケースの「エレガント」シリーズを試用してみた。

HUAWEI WATCH GT

ファーウェイ「HUAWEI WATCH GT」エレガント42mmシリーズ
軽量なヘッド、通常使用で約1週間という長いバッテリー持続時間、そして高精細なAMOLED(有機EL)を備えるファーウェイのスマートウォッチ。SS製のミドルケースにセラミックス製ベゼルを組み合わせているため、正面から見た質感はこの価格帯の中でも上位クラスだ。半面、裏蓋側はプラスティックのため、お世辞にも高級感があるとは言えない。しかしこれはセンサーの受信感度の都合上、裏蓋側に金属が使えないためであり、同作に限った話ではない。Apple Watchは裏蓋にもセラミックスを使用することで高い質感を得ているが、コストを考慮するとHUAWEI WATCH GTの販売価格では難しいか。低価格帯のスマートウォッチに共通した特徴と言える。SSケース(直径42.8mm、厚さ10.5mm)。5気圧防水。重さ36.2g。2万880円(税別)。