夏の腕時計はベルト素材を考慮しよう。管理のポイントとおすすめ

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2020.08.09

夏は、腕時計のレザーベルトに汗が染み込み、臭いや汗ジミの原因になることがある。特に汗ジミは放っておくとカビが生え、ベルトごと交換することにもなりかねない。夏場の腕時計の管理について知っておこう。

夏におすすめのベルト素材

夏に着用する腕時計は、ベルト素材の選定が重要である。夏におすすめのベルト素材を紹介していこう。

金属製ブレスレット

金属製のブレスレットは、レザーベルトに比べて水分に強いため、夏場でも安心して使える。

ブレスレットの素材として広く使われているステンレススティールは、空気に触れることによって保護皮膜を作るため、水分が付着していても錆びにくい。ただし、ブレスレットのつなぎ目には汗を含んだ汚れが溜まりやすく、汚れが付着している状態では保護皮膜を作ることができないため、ステンレススティールでも錆が生じることがある。

チタン素材であれば錆びることはないが、手入れを怠ると雑菌が増殖してしまい、臭いを発する。夏場に適している金属製ブレスレットだが、1日の終わりに乾いた布で汚れを拭き取るなど、こまめなケアは必要だ。

ラバーベルト

ゴム製のラバーベルトもおすすめだ。金属製ブレスレットよりも軽量で安価、水分にも強く手入れも簡単で、夏場用の交換ベルトとして1本持っておくと便利である。

ラバーベルトは水分が染みることはないものの、肌に触れる部分には汚れが付着するため、臭いを発することがある。また、ラバー素材は汗に含まれる塩分などで劣化し、ひび割れたりするため、定期的な水洗いが寿命を延ばすポイントだ。

近年ではレザーの内側にラバー素材を貼り付けたベルトも登場している。見た目を損なわずにラバーベルトを使いたい場合に便利だ。


夏の腕時計管理のポイント

夏場に腕時計を使うなら、汗によるベルトの劣化だけでなく、海などのレジャーや、雨による水分など、さまざまな注意が必要だ。夏場に腕時計を正しく管理するポイントについて解説する。

ベルトやブレスレットの選択

まずは最もダメージを受けやすいベルト部分に注目しよう。前述の通り、レザーベルトは水分や汚れに弱いため、特に高級ブランドのレザーベルトを使用している場合、夏場に着用することは、できる限り避けたい。

そこでレザーベルトを使っている場合は、金属製ブレスレットやラバーベルトに交換するという対処法が挙げられる。

多くの腕時計は、ちょっとした道具を使うことで簡単にベルトを交換することが可能だ。交換ベルトは純正品を使えればベストだが、量販店などで売っている安価なサードパーティー製のものでも十分使える。

なお、腕時計のベルトはモデルによって幅が決まっていることに注意が必要だ。事前に計測しておくか、時計店のスタッフに尋ねた方が無難だろう。

汗対策など日常のメンテナンス

レザーベルト、金属製ブレスレットにかかわらず、腕時計はこまめにメンテナンスをすることが必要だ。特に夏場は汗や汚れが付着しやすく、日常的に手入れをすることを心がけよう。

まず基本となるのは腕時計を布で拭くことだ。特にレザーベルトは乾いた柔らかい布で水分を拭き取るだけでも、寿命を延ばすことができる。

金属製ブレスレットやラバーベルトであれば、水洗いするのも良いだろう。流水は使わず洗面器などに水をため、ブレスレット(ベルト)部分だけを静かに水につけて洗う。その際、ヘッド(時計本体)部分が濡れないよう、ラップなどに包んでおくとより安心だ。

また、ブレスレットの継ぎ目に付着した汚れは、入れ歯用の洗浄剤などを使うと、きれいに落ちる。日常的にメンテナンスすることで、大事な腕時計を長く使うことができる。

オーバーホール

夏場の汗が腕時計に与える影響は、ベルトやケースの汚れだけではない。実は、腕時計内部にも影響を与える可能性がある。

多くの腕時計には日常生活防水(3気圧防水)以上の防水性能があるため、雨などでちょっと濡れたくらいではそれほどのダメージにはならない。しかし、この防水性能は経年劣化するということを覚えておくことが必要だ。

防水性能が弱っていると、水分は簡単に時計内部に浸入してしまう。特に汗に含まれる塩分は、腕時計内部の機械にダメージを与えることも十分考えられるため、注意しよう。

このような事態を防ぐには、腕時計をオーバーホールに出すことが効果的だ。オーバーホールでは、機械の点検だけでなく、防水性能のチェックもしてくれる。特に大事な腕時計であれば、定期的にオーバーホールに出すよう心がけよう。


ビジネスにも使える夏におすすめの腕時計

ビジネスシーンでも違和感なく使える、夏におすすめの腕時計シリーズを紹介する。

セイコー アストロン

セイコー アストロン

「セイコー アストロン」
Ref.SBXC029。ワールドタイム機能(39タイムゾーン)、デュアルタイム表示機能、サマータイム機能、タイムトランスファー機能付き。ソーラーGPS衛星電波修正時計(Cal.5X53)。GPS衛星電波非受信時平均月差±15秒。フル充電時パワーリザーブ約6カ月(パワーセーブ時は約2年)。純チタン製(硬質コーティング)ケース(直径47.2mm、厚さ13.5mm)。セラミックスと純チタン製ベゼル。10気圧防水。40万円(税別)。

セイコー アストロンは、世界初のGPSソーラーウォッチとして2012年に発表された腕時計だ。

その最新モデルである5Xシリーズは、「高速タイムゾーン修正」と呼ばれる機能を持ち、全世界のどこにいてもすぐに時刻情報を取得することを可能としている。

また、簡単な操作でホーム/ローカルタイムの切り替えができる「タイムトランスファー機能」も備えており、これまでのシリーズの中でも最高の性能を持つモデルだと言える。

シチズン アテッサ

シチズン アテッサ エコ・ドライブ

「シチズン アテッサ エコ・ドライブ GPS衛星電波時計 F950 ブラックチタン™シリーズ」
Ref.CC4004-58E。ワールドタイム機能(39タイムゾーン)、デュアルタイム表示機能、サマータイム機能付き。光発電エコ・ドライブGPS衛星電波時計(Cal.F950)。GPS衛星電波非受信時平均月差±5秒。フル充電時パワーリザーブ約5年(パワーセーブ作動時)。スーパーチタニウム製(デュラテクトMRKおよびデュラテクトDLC表面硬化処理)ケース(設計値/直径44.0mm、厚さ15.1mm)。10気圧防水。23万円(税別)。

シチズン アテッサは、太陽光や室内の光を電気に変換して駆動・充電を行う「エコ・ドライブ」テクノロジーを使った腕時計シリーズだ。

さらにGPSによる時刻の自動修正機能と、電波非受信時の非常に高い精度を持ち、ステンレスの約5倍の硬さを持つスーパーチタニウムを使うなど、随所にこだわりが見られる。

文字盤に立体的なバーインデックスを用いて視認性を高めたり、文字盤とは明確に仕上げを変えたスモールダイアルを配置したりと、実用性とクールさを両立させるデザインは、夏のビジネスシーンにおけるさりげないアクセントになる。

季節に合わせた時計や管理を

腕時計は身に着けるものであるため、汗などによって汚れやすく、素材や手入れの頻度によっては傷んでしまうことがある。

季節に合わせてベルトを交換することや、こまめな手入れをすることは、腕時計の寿命を延ばすために重要だ。普段から腕時計の状態をチェックし、必要に応じて対処しよう。

川部憲 Text by Ken Kawabe


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